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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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61.疲れた……

ーーー厨房。


「で、お嬢。ここに来たのは夕食を作るためにだろ?」

「うん、正解。お祖父様たちに、私の料理食べさせたいの。それに、初めて会う従兄弟もいるでしょ?仲良くするために、胃袋掴むのよ」

「ジョアン様、胃袋掴むって……男を捕まえる時に言う言葉っすよね?」

「あれ?異世界(こっち)も、そう言うんだ」

「あぁ、言うぞ。まぁ、現に屋敷の連中はお嬢の料理で鷲掴みされてるな」

「あはは、そうかな?じゃあ、お祖父様たちも掴めるかな?」


「「「間違いない」」」


「じゃあ、頑張って作ろうかな。あれ?そう言えばアニーちゃんは?」

姿を見ないアニーちゃんをキョロキョロと探す。

「あー、風邪っぽいって休んでます」

「えっ?大丈夫なの?」

「熱が高いとか言ってましたけど、寝てりゃあ大丈夫、大丈夫」

アーサーさんが能天気に言う。

「風邪っぽいって、お医者さまに診てもらったの?」

「いや、寝てるだけだと……。知ってんのも、たぶん俺らぐらい?」

「はーっ!?グレイやナンシーも知らないの?風邪を甘くみちゃダメ(私の死因の1つなのに。そりゃ後期高齢者だったけど…)。しかも1人でなんて心細いに決まってんでしょ!ったく!……バンッ……サラーーーーー」

扉を開けて、サラを呼ぶ。

聞こえるかしら?


タッ、タッ、タッ。


「はーーーい。お呼びですか、ジョアン様」

さすが、サラ。すぐ来てくれたわ。


「アニーちゃん、寝込んでるらしいの。グレイかナンシーに伝えて、お医者さまに診てもらって」

「えっ!?本当ですか?かしこまりました。すぐにーーー」

「それと報告終わったら、アニーちゃんにコレ渡して飲ませて来て欲しいの」

そう言って、ストレージから特製スポーツドリンクを渡す。

「はい、かしこまりました」

そう言うと、ナンシーを探しに行った。


バタン。

「ねぇー、雁首揃えてそんな事もわかんねーの?家族が病気なったら、心配するよね?医者呼ばねーの?大丈夫ってなんでわかんの?医者なの?バーベキューの時に言ったよね?ここでは、みんな家族なんだよ!!特にアニーちゃんは……わかるよね?大人なんだろ?酒呑んでるもんなぁー。もう少し、考えろや!!」


「すまん、お嬢。気が利かなかった」

「「すみません」」

3人が頭を下げる。


パチパチパチ。

誰かが拍手してる?

恐る恐る振り返ると、そこには

「えっ!?お、お母様、お祖母様……いつからそこに?」

「ん〜雁首辺りから?」


うわー、思いっきり初っ端から聞いてるじゃない。ヤバい、これはヤバい。

前世のくせで、口調が。後輩を説教する時と同じだったわよ。どうしよう?

1、謝る

2、開き直る

3、逃げる

2と3は、後が怖いわよね。


「ご、ごめんなさい」

「あら?どうして謝るの?」

「えっ、あっ、あの言葉遣いが……」

「えぇ、そうね。良くはなかったわ。でも、アニーの事を思って怒ってあげたのよね?」

「はい……」

「じゃあ、そこは目を瞑りましょう。だって、ジョアンが言ってる事は間違っていないもの」

「そうよ、ジョアンちゃん。言いたいこと言ってやりなさいな。ジョアンちゃんが言ってもわからないようなら……ねぇ〜?エイブ、わかっているわよね?」

「は、はい!大奥様、もちろんです!」

「そう……。わかっているなら、良いわ。エイブ、次はないわよ」

「はい!!気をつけます!!」

「アーサーもベンも、良いわね?」

「「はい!!」」


「で、ジョアンちゃんはココで何をしてるの?」

「えっと、夕食の準備をしようかと」

「まぁあ、ジョアンちゃんが?前世のお料理かしら?」

「はい、お口に合うかわかりませんけど」

「お義母様、ジョアンの料理は美味しいですわよ。期待して大丈夫です」

「あら?本当。じゃあ、楽しみにして待っているわね」

そう言って、2人は厨房を去って行った。


「「「「はぁーーー」」」」


「何か、疲れたね」

「あぁ。お嬢に怒られた上に、大奥様の登場はな」

「怒られるような事してるからでしょ?」

「それは、本当に反省してる」

「「すみません」」





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