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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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60.お祖母様にお願い

読んで頂きましてありがとうございます。

「父上、母上、落ち着かれましたか?」

お父様が2人に尋ねる。

「驚かせてごめんなさい。お祖父様、お祖母様」

「あぁー、大丈夫だ。すまん、取り乱した」

「ごめんなさいね、ジョアンちゃん。驚いてしまって」


その後、改めてみんなでお茶をする。


「うん、美味いな。この、ドライフルーツってやつは」

「えぇ、本当に。そのドライフルーツのクッキーも美味しいわ」

「本当にこんな美味いもんを食っただけで、効果がでるのか?」

「でますよ。明日の朝に期待をしてて下さい」

「えっ?お祖父様、泊まっていけるのですか?」

ノエル兄様が尋ねる。

「あぁ〜、そうだよ。今日どころか、年越しまで一緒に過ごすんだよ」


「「「やったーーー!!!」」」

私とお兄様達が声を揃えて叫ぶ。


「まぁあ、3人とも、嬉しいのはわかるけど落ち着きなさいね」

お母様は笑顔で言うが、目は笑っていない。


「「「ご、ごめんなさい」」」


年始までいるのなら、時間があるわよねぇ。

ダメ元でお願いしてみようかしら?


「あ、あのぉ〜お祖母様」

「なぁに?ジョアンちゃん」

「屋敷にいる間に、一度で良いので私に訓練をつけてもらえませんか?」


「「「「「「えっ?」」」」」」

なぜ、みんなで驚くのかしら?


「なぜ私なの?ジョアンちゃん」

「お祖母様が元王妃様付き近衛隊で、とても強かったと聞きました。私も、お祖母様のように強くなりたいんです!私兵団でも魔力なしの方が頑張っているんです。貴族だからとか【無】属性だからでは、甘えてるだけのような気がするんです。みんなに守ってもらうだけではダメだと思って。そんな理由ではダメですか?」

「ジョアンちゃん、やっぱり前世の記憶持ちなのね。5才なのにちゃんとした考えを持って、どう行動すれば良いのかわかっているのね。わかったわ。教えてあげるけど、私の訓練は厳しいわよ?」

「ちょ、ちょっと母上、本気じゃないですよね?」

「あら?スタンリー、本気に決まっているじゃない。可愛い孫娘のお願いを聞かないわけにはいかないでしょ?」

「いや、あの、でも母上の訓練はジョアンにはまだ早いかと……(あれは訓練じゃなく、地獄)」

「ナンシー、ジョアンちゃんの訓練はどこまでいってるのかしら?あなたでしょ?指導してるのは」

「はい、大奥様。お嬢様の訓練は、現在、演習場10周、腕立て100回、足上げ腹筋100回を3セット。それと片手剣の素振りを左右各50回でございます」


「「「「「「はっ!?」」」」」」


「ジョ、ジョアン、もう、そこまで出来るのか」

「はい、お父様。さすがに、まだ息は切れることもありますけど」

「「はーーーーっ!!」」

ノエル兄様とジーン兄様が声を上げる。


「そりゃあ、お兄様たちに比べたらまだまだですよー」

私が不貞腐れながら言う。

「いやいやいや、5才でそれはおかしいから。僕がそれ出来るようになったの学院入る直前だよ?」

「俺は、そこまでいかずに学院入ったけど?」

「えっ。だって、ナンシーがお兄様たちは5才で出来てたって……」

バッと3人でナンシーを見る。


「あっ、申し訳ございません。お嬢様がとても筋が良いので、つい力が入ってしまって……」

目を逸らしながらナンシーが言う。


「「「「ナンシー」」」」

大人4人は、呆れ顔だ。


「まっ、いいわ。ともかく基礎は出来てることがわかったから、明後日の光の日より始めましょう」

「ありがとうございます、お祖母様」

「どういたしまして。もちろんノエル、ジーンも一緒にやるわよね?もう冬季休みですものねぇ。

そうだわ!!私兵団の若い子も、まとめて指導しましょうね」

「えっ!?(なんで僕まで?)あっ、はい、わかりました。お祖母様」

「俺も?(マジか!?)……わかりました」

「やったー!みんな一緒だね(なんかお兄様たち、浮かない顔だけど、まっ、いいっか)」

私だけが喜んでいるなか、ノエル兄様とジーン兄様は肩を落としていた。

そして、何も知らない私兵団のjr.メンバーを思う。

((恨むなら、ジョーを恨めよ))




*****



タッ、タッ、タッ。


バンッ。「たのもーー!」

「おう、お嬢。何かご機嫌だな」

「うん、光の日からお祖母様に訓練つけてもらえることなったの〜」

「「「はーーーーっ!?」」」


エイブさん、アーサーさん、師匠が驚く。


「お嬢…まさかだけど、自分からお願いしたとか言わねーよな?」

「えっ?何でわかるの?正解だけど」

「「マジか!?」」

「お嬢……なんて怖いもの知らずなんだ」

「えっ?何で?」

「お嬢、悪いことは言わねー止めとけ。あれは、訓練じゃねー、地獄だぞ」

「でも、強くなりたいもん。多少キツいのはしょうがないんじゃないの?」

「キツいってもんじゃねーよ。あれは」

「ジョアン様、しかも大奥様とマンツーマンっすか?」

「違うよ。みんなと一緒だよ。お祖母様がお兄様たちと私兵団の若い子たちもって」


エイブさん達は顔を見合わせた。


「「「あーーーーー」」」

「死んだな」

「屍の山が」

「可哀想に」

「あっ、もしアーサーさんと師匠も訓練して欲しかったら私からお願いするよ?」

「「いやいやいやいや」」


アーサーさんと師匠は、顔を横に振りながら答える。


「そう?」


遠慮しなくても、お祖母様は怒らないと思うけどなぁ〜。

でも、楽しみねぇ。前世では、格闘技やりたくても機会がなくて出来なかったからねぇ。せっかく転生したんだもの、現世ではやりたいことやりましょう。

貴族令嬢だけど、まっ、なんとかなるでしょ。




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