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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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546.修学旅行22 ウォーカー領

長らく更新が滞ってスミマセン。

「では、出発!」

「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」


 来た時と同じ様に隊列を組んで、私達は王都ディールを出発した。行きの行程を反対に進んで行く予定だけど、東の国からエグザリア王国に向かう船の到着港はウォーカー領の予定。ウォーカー領は、担任ブライアン先生の実家ということもあり、そこで二泊した後に王都に向かう予定だ。


 もちろん東の国で一泊した時には、大量の海産物を買ったのは言うまでもない。そして大衆食堂では、行きと同様にプチ同窓会をした。そこでの話題は、修学旅行先でどんな事をしたか。


 東の国に行ったキャシーちゃん達は、和室でお抹茶体験をしたらしく畳での慣れない正座に悶絶したらしい。確かに慣れていない人にとって、正座の痺れはキツいかも。まぁ、痺れたとしても足首で交差して、交差したところに体重をかければ痺れは早く取れるんだけどねぇ。


 東の国で一泊、船内で一泊をし到着したウォーカー領の港町ベイドではブライアン先生のお兄さんである領主様をはじめ熱烈な歓迎を受けた。それはブライアン先生が首まで真っ赤になるほどの熱烈ぶりで、さすがに不憫に思ってしまった。


 ファンタズモで二泊したように、ここベイドでも二泊。夕食では領主様の計らいで肉やら海鮮やら盛り沢山だった。


「どうだい? 楽しんでいるかい?」

「兄貴。こんなに用意してもらって悪かったな」

「何、言っているんだ。お前が久々に帰ってきた上に、お前の先生っぷりを間近で見れるんだぞ。生徒達には感謝だ。父上達もあんなに楽しそうにしているじゃないか」


 そう言って領主様が見ている視線の先では、ブライアン先生のご両親が率先して肉を焼いては生徒達のいるテーブルに配っていた。まるで前世のシュラスコの様に。他にも、領主夫人やブライアン先生の甥っ子である次期領主様が飲み物を注いで回っていた。

 なんでもウォーカー領では畜産――主に肉牛や豚――が盛んらしく、来客があるとあぁやって肉の丸焼きでもてなすらしい。


「ところで噂に聞いたけど……お前のクラスに“食の女神”がいると言うのは本当なのか?」

「ブッ! っごほ、ごほ……」

「ブライアン、大丈夫か?」

「先生。はい、タオル」

「っあぁ、ありがとう。大丈夫だ」


 確かに領主様の言葉には、ブライアン先生だけではなく一緒のテーブルで食事をとっていた私達も驚き会話も手も止まってしまった。


 “食の女神”の実績は、今や王国中だけではなく他国にまで知れ渡っているが、私が“食の女神”だということは表立って公表はしていない。それは学生であるということ、未だに婚約者がいないことが大きく関わっている。

 もし、幼い頃から婚約者がいれば、出来ることは限られてくる。政略でもそうでなくても。特に一般の令嬢であれば、侍女達に囲まれ着飾り社交界を渡り歩き婚約者のために色々と学ぶことは限られる。

 でも我が家では幼い頃から婚約者を決めない。それは男女問わず自立できるように。お父様も叔母様も自立し、騎士団に所属してある程度の地位まで上り詰めた。貴族の中では晩婚ではあるが、夫婦仲も家族仲も良好だからこそ、お兄様達も私もフーゴやライラにも婚約者はいない。


 それを知らず、さらに私が“食の女神”と呼ばれるようになってから釣書が多く届くようになってきた。それは私だけだと思っていたが、実はお兄様達やフーゴ達もらしい。やはり多いのは“食の女神”の加護目当て。それを知っている騎士科の先生達や友人達は、“食の女神”の存在をそれとなく隠してくれていた。

 そこにきて、領主様の言葉には全員が固まってしまったのだ。


「……兄貴は、それを知ってどうするつもりなんだ」

「それは――」


 カンカンカンカン、カンカンカンカン。


 領主様の話を遮るように、鐘の音が響き渡った。辺りを見渡している中、こちらに馬で駆けてくる人がいる。


「りょ、領主様ー! で、出た! アイツらがまたやって来た」

「何だと!? どこだ!」

「お、俺の牧場の山側の柵の所です」

「わかった! すぐに向かう。お前達の家族は?」

「馬車でこちらに向かってます。さっきすれ違ったボブに応援を頼みました」

「兄貴!」


 私達に背を向けて走り出そうとしていた領主様をブライアン先生が呼び止めた。


「アウルベアだ。二週間前からここら一帯をねぐらにして家畜が何度もやられている。しかも二頭で行動しているんだ」

「「「「「「「「先生!」」」」」」」」


 領主様の話を聞いて、私達は援護をするためにブライアン先生を呼ぶと、ブライアン先生は無言で頷いた。


「兄貴! 俺らも向かう。案内してくれ!」

「本当か! それは助かる。案内はスカイにやらせる。スカイ!」

「はい! 父上」

「ブライアンの案内を頼む」

「わかりました!」


 アウルベアは討伐推奨ランクB。牧場へ向かうのはブライアン先生とヘクタール先生、私達いつものメンバー、ディメンションルームからパールとメテオとベルデ、そして魔術科のハリー先生とミア先生。他の先生や騎士科の生徒は、念のため周囲の警戒と領民や他学科の生徒の警護に徹することになった。



本業の立て込み&二人の水疱瘡の時間差連鎖……。

巷では、他にも百日咳やらリンゴ病やら流行ってるようですね。

皆様も、お気をつけ下さいませ。


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