543.修学旅行19 温泉を掘るぞ
とうとう、明日ですよ!
翌日、私達は朝食後にティガー公爵領の別荘へとやって来た。もちろん、ベルデの転移で。
ティガー公爵は、王城で仕事があるらしく一緒に来れず「一緒に行きたいー!」と中々馬車に乗らずマルタ様と家令さんに怒られ渋々乗り込んでいた。なので、今回は私、エド、カリム、ソウヤ、ザック、ゴールダーの他に、マルタ様、アムちゃん、トニー君と私兵団。もちろん私の契約獣は全員集合。
「まぁ! 本当に一瞬ですのね」
「僕、初めてです!」
「「「「「っ!」」」」」
ゴールダーとアムちゃんは以前、転移を経験済みなので驚いているのは、マルタ様とトニー君そしてティガー公爵家の私兵団メンバー。
別荘に入り一息ついたところで、みんなで温泉を見に行く。ちなみにベルデ以外の契約獣達は思い思いに過ごすようだ。
源泉は、別荘から少し離れた川の一部にある。地下でつくられる温泉は、地上へとつながる通り道がなければ自然には湧出しない。なので河川の流れが浸食することで、温泉の湧出口が地上に露出するって前世のテレビで観た覚えがある。
「わー、本当にここだけお湯だー」
「本当ね。私、こんな所があるなんて知らなかったわ」
トニー君とアムちゃんは、今まで源泉を気にしていたことがなかったらしい。だから今回の遠出を楽しみにしていたようだ。
「じゃあ、やるか。どうしたら良いんだ? ジョアン」
「えーっと、じゃあ【土】属性のある人はこちらのーー」
ティガー公爵家の私兵団メンバーの手を借りてお湯が湧き出ている所の周りを掘る。掘ると言ってもスコップなどではなく【土】属性で。源泉の温度は高く50℃以上あるので、川の水と混ぜてうまく調整してちょうど良い温度になるようにお願いした。ゴールダーが指揮してくれるから大丈夫だろう。
私兵団メンバーに湯船を作ってもらっているうちに、他のメンバーで大きなロッジ型テントを組み立てていく。このテントは別荘から少し離れているので脱衣所となる予定。その近くにはタープテントを組み立てて、その中にはテーブルセットを配置。ここでは、お茶したり入浴後に整うため。
小一刻間ほどで、湯船が出来た。もちろん脱衣所や休憩所も。実際に入るのは、ランチの後ということで一度別荘へと戻ることにした。
二刻間後、今度はマルタ様やアムちゃんも一緒に完成した露天風呂を見に行くと、先程私兵団メンバーが作った湯船の横に衝立で囲まれた場所がある。何かと覗いてみると、衝立に囲まれた中にも湯船があった。
「女性の皆様のため、こちらで準備させて貰いました。足湯用に、浅い場所もございます」
『僕達、頑張ったよ。後で、ご褒美ちょうだいね』
『ロッソ、あなたさっきザックからお菓子貰ってたでしょう?』
『もぉ、パールってば内緒にしててよ』
なんでもランチの間に、ザックと契約獣達で作ってくれたらしい。
こちらの世界では、女性が伴侶以外に素足さえも見せることは好ましくない。まして、水着姿の混浴なんてありえない。でも、ここまで来て足湯も出来ないのは勿体ない。だから、男性陣とは別の時間に入ろうかとアムちゃんと話していたところだった。
「ん? ここは何?」
よく見てみると、衝立の中に小屋らしきものがある。扉を開けて見ると四畳ほどのスペースがあった。
『女性の皆様の更衣室になります。別荘にてドレスから簡易的なワンピースなどに着替えて来られるかと思いますが、侍女が入っても作業しやすい様になっております。また、足元には籐で作られたラグを敷かせて頂きました』
と、ベルデが説明をしてくれた。なんて気の利いた契約獣なんだろう。マルタ様やアムちゃんだけでなく、ついて来た侍女達まで感嘆のため息をついているじゃないか。
脱衣所の畳よりは籐の方が良いと感想を頂きましたので、変更させて頂きます。
ありがとうございました。
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