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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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519.コボルト発見

 キャンプ地から2刻間ぐらいで、目的地の村フースに到着した。さっそくカズール班長とシェルトンさんが村長に、コボルトの被害状況を確認している。その間に、ヘイデンさんとマットさんが村人達に聞き取りを、私とリキはここまで頑張ってくれたスレイプニルの世話をしていた。


「俺、井戸で水くんでくるわ」

「わかった。じゃあ、私はブラッシング始めておく」


 スレイプニルをブラッシングをするのは、中々の重労働だ。なんせ身体が大きいので、私の身長では背中まで届かない。私はスレイプニルのラピートの首元を撫でながら声をかける。もちろん、念話で。


ーーラピート、背中をブラッシングしたいからしゃがんで欲しいんだけど。

ーーん? まさか人間が話してるのか?

ーーそう。私のスキル【アニマルトーク】で話せるの。

ーーなるほど。人間と会話出来るのは不思議なもんだな。とりあえずしゃがめば良いのか?

ーーありがとう。あっ、私はジョアンね。よろしく。


 ラピートがしゃがむと、許可を貰って背中に跨る。そして背中部分をブラッシングしていると、私と話せるとわかったラピートからどこか痒いとか、もう少し力を入れろだとかリクエストが増える。苦笑しつつ、リクエストに答えていると桶に水を入れたリキが戻ってきた。


「お待たせ。って、凄いなジョアン。まさかラピートの背中のブラッシングをそうやるとは思ってなかった」

「ラピートに話したら協力してくれた」

「は? 話して……って、あっ、スキルか。便利だな」


 そこからは、リキも一緒にブラッシングをして先輩達が戻る前には終わった。その後は、ラピートに聞いて食べたい餌を与える。ちなみに今回は、干し草とリップルが良いと言う。


「よし!では、今からコボルトの討伐を行う」

「「「「「はっ!」」」」」

「まず、ここにある洞窟付近にコボルトの群れがいると思われる。ここまでは、三方向から二人組に分かれて向かう。シェルトン」

「はっ! では俺から組み分けを言う。武力などを考慮した組み分けになる。まず班長とリキ、ヘイデンとマット、そして俺とジョアンになる」

「「「「はっ!」」」」

「今から、10分後に出発する。全員、準備を!」

「「「「「はっ!」」」」」


 コボルトの群れがいると思われる場所は、村から歩いて45分ほどにある滝壺の下流らしい。《フースの滝》と呼ばれ深い樹木が生い茂る中、崖に高さ25m、幅7mの滝らしい。山の冷気と水しぶきで夏でも肌寒いほどで、コボルトの群れがいる下流には、キングシャーモンが多く獲れる漁場がある。このキングシャーモンは、王都にも卸すぐらいの質の良いシャーモンでフース村の資金源でもある。だからこそ、今回の討伐依頼らしい。


「大丈夫か? ジョアンちゃん」

「はい。そろそろですかね」

「そうだね。出発してから、そろそろ30分だからね。周囲を確認しながら行こう」

「はい」


 コボルトの群れを最初に発見したのはヘイデンさんとマットさんのチームだった。ヘイデンさんからの文で、私達の所から10分ぐらいの場所。急いで、でも静かに駆けつける。


「おーい、こっちこっち」


 指定された場所には、既に他のメンバーが揃っていた。手を挙げたヘイデンさんのところに向かう。マットさんが指さす方向をみると、コボルトが12頭とハイコボルトが1頭集まっている。


「見つけてから15分経つけど、あの13頭以外は見当たらない」

「他の場所から来る気配もないっす」

「村長から聞いたのもハイコボルトが1頭というし。あの群れが全てかも知れないな」



《コボルト》

小柄で、犬のような見た目をした魔物。

人と犬の中間のような体をしている為、二足歩行でナイフや盾を持ち、投石などで攻撃してくるが弱い。

洞窟など暗い所に住み、採掘したりすることもある。集団生活をしていて、複数人で人を襲う。警戒心が薄い為、餌をくれた者にすぐ懐く。



「あの……本当にあの作戦なんですか?」

「ん? 不安?」

「そりゃそうですよ。コボルトに餌付けして言う事聞かせるなんて」

「大丈夫、大丈夫。ジョアンちゃんのご飯なら、俺ならすぐ言う事聞いちゃうから」


 今回の作戦はコボルトに餌付けをし、警戒心がなくなったところで私のスキル【アニマルトーク】で村の食料とキングシャーモンを取らないように言い聞かせるというもの。


「悪いな。ちゃんとジョアンの安全は守るから」

「じゃあ、とりあえず、ものは試しでやってみます」


 カズール班長にそこまで言われたら、やるしかない。見張りをマットさんとシェルトンさんに任せ、私達は一旦その場を離れる。コボルト達がいる所から50mほど離れたところで料理を始める。


 今回、コボルト達を誘き寄せる為に作るのは匂いだけで食欲をそそる料理。そう、カレーライスだ。私的にはお好み焼きや焼きそばなどのソースの焦げる匂いが堪らない。


 ここからは、時短勝負。だから前世で培ったレシピで作っていく。ポイントは3つ。

・火の通りが早い具材を選ぶ

・野菜は薄切りか、みじん切り

・カレールーは刻んで溶けやすくする


 火の通りが早い具材を選ぶというのは、肉は薄切りのものやひき肉、野菜は生でも食べられるトメットやナッスー、赤ピーパー。きのこ類も煮込む必要がないのでおすすめ。タマオンやキャロジン、ジャガトなど定番の野菜は薄切りやみじん切りにすれば火の通りが早くなる。前世ではレンジで下ごしらえしたので少し厚みがあっても大丈夫だった。もちろん、今はみじん切り一択だ。いつもストレージにあるカレールーは既に刻んでいる。刻んだことで溶けやすくなる。







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