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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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514.契約魔法

 その後、村への帰りがてらフィリップさん達にスキルの事だけは全て話した。そして、私が説明している間にベルからお母様に連絡をお願いした。その結果、村の入り口で私達を待っていたのは、いつもの従僕服に身を包んだベルデだった。


『おかえりなさいませ、ジョアン様』


 片手を胸に置きお辞儀をするベルデに、村にいる奥様達から黄色い声が聞こえる。さすがに村の入り口では、目立ちすぎるので借りている家に向かった。


『奥様より、こちらを』


 こうなることはわかっていたが「げっ」と言う呟きを何とか心内で留め、恐る恐る受け取ったのはお母様からの手紙と契約魔法の書類だった。神殿契約よりも契約内容が軽い契約魔法は、フィリップさん達に前世のことは説明していないからだと手紙に書いてあった。

 契約魔法とは、契約を魔法で縛る物。契約内容を破ろうとすると苦痛を感じるなどのペナルティを受けるか、そもそも契約内容に必ず従ってしまう。契約魔法の書類は羊皮紙でサインをした後に契約者の血を契約の証としなければならない。

 今回は、緊急事態とはいえ私が自らスキルを知らせてしまったので、ペナルティはなく他人に私のスキルについて話せなくなるだけだったことに私は胸を撫で下ろした。ジョーイさん達は、元々我がランペイル領の領民。彼らが領主夫人に逆らえるわけもなく……なんなら「良かった。これがなければ、自分達から契約魔法をお願いするとこだった」と言っていた。そしてフィリップさん達『荒野の翼』のメンバーも、文句を言わずにサインしてくれた。最後に、リキとブラッド、ダガーも快くサインしてくれた。

 そして、ベルデは書類を受け取り笑顔で転移していった。ちなみに、契約魔法には契約獣のことも含まれていたので、夕飯を取りながら説明した。



「いや〜お疲れお疲れ〜」


 いつもは仏頂面のギルマスが、和かに私達を労っている。それを見て、私達は逆に背筋が寒くなる。


「……ギルマス。なんか変なキノコ食べた?」

「……相変わらず、ひでぇな」

「いや、だって……ねぇ?」


 と、皆んなを見ると苦笑しながらも頷いている。


「ったく。ともかく、今回は本当に助かった。お前らじゃなきゃ、無理だったろうよ。報酬については、今計算してるからもう少し待ってくれ。それと……ランクAの奴とジョアン、エド以外のメンバーは昇級試験を受けることが出来るぞ。近々だと……今からだな」

「ん? ギルマス、もしかして……俺たちを試験官にしようとしてます?」

「おっ、さすがランクA。察しが良いな」


 結果は、カリム、ベル、ソウヤがランクBに、リキ、ダガー、ブラッドはランクCに無事ランクアップした。ちなみに、私達の報酬額対決は引き分けに終わった。というより、討伐した魔獣がかなりの強敵だったのもあって、対決したことさえ忘れていた。思い出したのは、ギルマスに「対決はドローだな」と言われてから。全員が忘れていたこともあって、皆んなで笑い合った。


 巨大なアウルベアの討伐のことは、すぐ冒険者ギルド内で話題になった。王都南所属ではないランクAパーティが二組も強制依頼で出張ったこと、私達ランクCパーティも共闘したこと、そして今まで王都南の森の魔獣が数多く出没した理由がランクAパーティでも手を焼くほどの強敵だったことなど。私達よりも一躍時の人となった『荒野の翼』と『南海の守護者』は、「面倒くさい」と早々に新しいダンジョンのあるエッケの街へ出発して行った。



*****



 アウルベアの件で疲労感はあったものの、私達は職業体験期間。今日は、翌日から配属される第二騎士団との顔合わせがあり、第二騎士団の兵舎にやって来た。


「よお、来たな。将来有望な騎士科の諸君!」


 案内された騎士団長の執務室に入室するとそう声を掛けられた。声を掛けたのは、ガタイがよく左目の上に大きな傷のある人だった。


「俺は、この第二騎士団長のリッキー・ウィルソンだ。で、知ってるだろうが、副団長の二人だ」

「ジーン・ランペイルだ。いつも妹が色々とすまないな」

「エリック・アダムズ。こちらも従妹が世話になっている」


 第二騎士団は、団長の下に二人の副団長、その下に班長が三人、更にその下に三から四人の団員がいるそうだ。


「君らのことは色々と聞いていたんだがな。まさか、ここに配属する前に、冒険者として有名になってくるとはな。まるで卒業後もここを希望していると言わんばかりじゃないか。ガッハッハハハ」


 団長曰く、あのアウルベアの一件は王都南のギルマスから、もしかしたら要請するかもしれないと言われていたらしい。それに向けて準備をしていたものの、翌日には討伐完了の報告がきたので詳細を確認したら、私達のことを教えてもらったそうだ。


 おい! ギルマス、個人情報ダダ漏れじゃないか!!


「あの……ちなみに私達のことを色々とは?」


 チラッとジーン兄様を見つつ、団長に聞いてみる。きっと、話の出所はジーン兄様、エリック様、ヴィーあたりだろう。


「ん? ジーン、ランペイル嬢に話してないのか?」

「あれ? 俺、話してなかったっけ? 団長は、ランペイル私兵団のエリーの弟って」




明日の朝、8時に予約投稿するはずが……久々にミスってしまった

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