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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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503.チャッターさん

翌日、早朝から私達は騎士科の制服に腕章をつけて近衛隊の兵舎に来た。さすがに、パール達を連れて歩くわけにもいかず、みんなはタウンハウスで留守番。マーサがパール達にタウンハウスの使用人の鍛錬をお願いしていたから、楽しく待っていてくれるはず。

兵舎に行くと、隊長が朝礼で私達を紹介してくれた。


「先日説明したように、本日から騎士科からの生徒を預かることになった。今回のAチームはリュークとチャッターが指導者となる。しかし、それ以外のメンバーも何かあれば指導して欲しい」

「「「「「「「「「「はっ」」」」」」」」」」


近衛隊長の言葉に、隊員達が了承する。そして、朝礼が終わるとそれぞれ担当部署に散って行った。行き際にアラン兄様が、頑張れと口パクで言ってくれたことに嬉しさを感じた。


「改めて今日から宜しく。まず、今日は我々の担当部署の巡回をしつつ、王宮を案内しよう」

「「「「「「「「はい!」」」」」」」」

「あははは。そんなに朝から気合い入れなくたって大丈夫だよ」

「いや、逆にお前が気合いを入れろ!」

「痛っ」


リュークさんがチャッターさんの頭を軽く叩くのを見て、信頼関係があるんだと私達は思い微笑み合った。

リュークさんの後に続き巡回をするのは、主に文官の方々が働いている所。この一角には文官として働いているギルバート伯父様もいるけど、さすがにタイミング良く会うことはなかった。一回り巡回が終わると、今度は二手に別れて巡回をすることになった。リュークさんのところにベル、カリム、リキ、ブラッド。チャッターさんのところに私、エド、ソウヤ、ダガー。


「あっ、そう言えばジョアン嬢だよね?クロエの所の乳牛にエール飲ませるように薦めたの」

「あ、はい」

「その節は本当にありがとう。なかなかお礼を言えなくて申し訳ない。あの情報のお陰で、ウチの領の乳製品の質が良くなって領の蓄えが久々に潤っているよ」

「いえいえ、私も何かの本で読んだのを覚えていただけなんで……」

「それとディックの店のメニューもジョアン嬢のアイディアと聞いた。あそこのシュークリーム、好きなんだよなぁ〜。カスタードと生クリームのダブルクリームが」


チャッターさんと並んで巡回していると、ノルデン領のことでお礼を言われた。クロエ先輩の長兄のディックさんとは同じ年で仲が良いらしく、私がクロエ先輩の家で過ごしたことを色々と聞いていたらしい。


「でさ、今度お礼に食事でもどうーー」

「チャッター」

「へっ?ア、アラン先輩!?どうしてここに?今日はアルバート殿下の担当ですよね?」

「そのアルバート殿下が騎士科の生徒をお呼びだ。リュークには既に伝えて先に向かって貰っている」

「あっ、了解しました」


アラン兄様の伝言に納得し了承と共にピシッと敬礼をしたチャッターさんの動作に、おぉーっと私達は小さく声を上げた。それを聞いたチャッターさんは、顔がわずがに赤くなって恥ずかしそうにしていた。

アルバート殿下の元に行くというアラン兄様とチャッターさんの後を、私達は付いて行く。ダガーだけはアルバート殿下に間近で会う事に緊張しているらしく、既に手と足が一緒になって出ている。エドとソウヤは、飴ちゃんの一件で何度か会っているからそこまでの緊張はなさそう。


「で、先程、食事がどうとか聞こえたが?」

「えっ!?あっ、いや、その……」

「チャッター先輩は、ノルデン領での事で私にお礼をと言ってくれたまでですよ?アラン……先輩」

「ジョアンに先輩と言われる日が来るとはな……。まぁ、それはいいが、チャッター、礼としてと言うならそれは不要だ。そうやって謝礼の為にとジョアンとの接触を図ろうとする輩が多くてな。親族一同、そういうものは一切受け付けない事にしているんだ」

「あの、それはやっぱり、ジョアン嬢との婚約を望んだ人が多いということですか?」

「それもあるが、自分の所にもっと便宜を図ってもらおうとしてだろうな。ジョアンの場合、無自覚でホイホイと知識を出すからな」


えっ?私、謝礼の為に食事誘われたの初めてだけど?

もしかして私の知らない間に、断られていた?


「あーなるほど、納得しました。あっ、ちなみに俺はジョアン嬢だけじゃなくAチームの全員を誘うつもりでしたからね」

「そうなのか?8人全員を?」

「まあ、お礼したいのはジョアン嬢とベル嬢、エド君にカリム君、リキ君なんですけど、ここまできたら全員じゃないとなんか申し訳ないと思っちゃって」

「ジョアンはわかるとして他のお礼とは?」

「えっと、他はジョアン嬢の口添えでノルデン領の乳製品を率先して扱ってくれる領の令息令嬢なんですよ」


そうチャッターさんが言うのを聞いて、思い当たるふしがある。ベルは、一緒にノルデン領に行ったこともあってお土産のチーズなどがベルパパ、ベルママが気に入って取り扱い始めた。エドは、私のパスタ料理に使うチーズやバターの仕入れ先を聞かれたから教えただけ。カリムは、スミス領のガラスの器で作ったグラタンとチーズケーキの味にハマってノルデン産のチーズと教えただけ。リキは、実家の食堂で取り扱うようになったのが私のレシピがきっかけ。


「本当にジョアン嬢のお陰ですよ。だから、ノルデン領としてはこれ以上の付き合いは希望しませんから、お礼だけでもさせてもらえないですかね?父上からも、くれぐれも丁重にといわれているんすよ」

「と言うことだが、ジョアンは?」

「別に私が食べたいものを作っただけなんで、気にしなくても良いんですけどねぇ」

「な?無自覚だろ?」

「はぁ。アラン先輩の気苦労がわかりますね。ってか、アラン先輩も一緒にどうっすか?あっ、ちなみにリキ君のとこの食堂なんですけど」

「じゃあ、俺も行くか」

「よっしゃっ!これで家にちゃんと報告が出来る!!」


食事会は近衛隊での職業体験の最終日に決まったぐらいで、アルバート殿下の執務室の前に着いた。





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