501.打ち上げ
中々、更新出来ずにすみませんm(_ _)m
武闘会が終わり、学院も通常に授業が再開してしばらく経った週末、私は王城の一角で朝から準備にてんてこ舞いだった。
本日は、例の元侯爵夫人の件でお世話になった人達との打ち上げパーティー。なぜパーティー会場が王城の一角になったかというと、招待客が錚々たるメンバーだから。皇太后様、国王夫妻、宰相様、キャリーちゃんのカッター公爵家、エレーナ先輩とランスのディーゼル侯爵家、レベちゃんのサノック伯爵家、サンちゃんのナッシュ子爵家、エドのレルータ伯爵家、カリムのスミス伯爵家、ベルのバースト伯爵家とイザベラ様、そして我がランペイル家から祖父母と両親。ここまでのメンバーだと、中々集まれる場所も限られているわけで……。まぁ、ベルデの結界もあるから警備がなくともとは思うけど、見た感じ誰も警備に付かないことも出来ず、警備などの関係上王城の一角を借りることになったというわけだ。
「皆様、本日はお忙しい中お集まり頂きましてありがとうございます。先日は、私の為に色々とご尽力頂きましてありがとうございました。感謝の意を込めて、料理や飲み物を準備致しました。時間の許す限り、大いに楽しんで下さい。では、乾杯!」
「「「「「「「「「「乾杯!」」」」」」」」」」
今回は、招待状を送り返信の際に書かれていたリクエストの料理を中心に、私が各国を巡り仕入れた食材などで料理を作りヴッフェスタイルのパーティーとした。料理の前には、その料理の名前と説明書きのカードで、どんな料理か誰でもわかるように配置した。
料理の一例を挙げると、ツヴェルク国の火酒を使ったアサリの酒蒸し、火酒を使ったタレに漬け込んだマナバイソンのステーキ。アニア国のコッカー伯爵のキッチン・エイコーンで購入したナッツを衣として使ったシャーモンのナッツフライとナッツ入りキーマカレー。エルファ国からは、ソバーを使ったガレットと鶏天そばーーちなみに鶏はコカトリスーー。そして、東の国からは、新鮮な海鮮を使いデコレーションケーキのように飾り付けした海鮮ちらし寿司、レッドオークの角煮。そしてリクエストされたクリームシチューやジャガトコロッケ、ナッスーの揚げ浸し、芋煮などが並んでいる。
そして、女性陣が先程から目をキラキラして見ているデザートコーナーには、アニア国のナッツとキャラメルのタルトレット。エルファ国のカッカオのティラミス、チョコレートをふんだんに使ったガトーショコラにクロエ先輩の実家の生クリーム添え、東の国のヨモギと小豆を使った草餅、越後屋で見つけた黒糖で黒蜜を作りそれをかけたわらび餅。そして、いつものドライフルーツのパウンドケーキと紅茶のパウンドケーキ。
飲み物も色々と取り寄せというか、契約獣と共に買いに回った。ツヴェルク国の火酒、アニア国のブランデー、エルファ国のワイン、東の国の清酒。それと、リクエストのあったカクテル各種を取り揃えた。今回は、カクテルを作るのにベルデとジェネラルからアーサーが来てくれた。
アーサーは、王妃様の侍女トリオの中の1人セーラさんと2年前に結婚をした。しかし、お互いに仕事の環境を変えたくないと言うことで、今のところ週末婚になっているらしい。でも先日、そろそろ子供が欲しいらしくセーラさんから、今でも子宝に恵まれると噂があるドライフルーツをコソッとお願いされたので、ドライフルーツと共に ”グロッシー・バタフライ” のセクシーランジェリーセットを先程渡しておいたから、効果があると思いたい。
「んー、美味すぎる!!」
「これはこれは……さすが "食の女神” と言われるだけあるな」
「確かにこれの料理は納得ですな」
「こうなると料理本を出しても良いのでは?」
「そうなれば、予約せんといけませんな」
「ええ、我が家も予約しましょう」
などと、当主陣が話している近くでは……
「ん〜このナッツの香ばしさ良いわ。キャラメルも甘すぎなくていくらでも食べれそう」
「このほろ苦いガトーショコラに濃厚な生クリームが絶妙にマッチしてますわ」
「わらび餅とは初めて食べますけど、不思議な食感でこの黒い蜜がきな粉と合いますわよ」
と、ご婦人方が盛り上がっている。
私や同級生達も、一ヶ所に固まり其々料理を持ってきている。
「うっま!!マナバイソンって、こんなに柔らかかったっけ?」
「あー、それ火酒に漬け込んだからだよ」
「なるほどな。飲むだけじゃなくて料理にも使えるのか」
「エド!こっちも美味いぞ。いつもと違うカレーだから、どうかと思ったがナッツの食感と風味が良い!」
「今回のカレーは、ナッツに合わせてミンチ肉にしたからね」
「私、初めてこの海鮮ちらし寿司とやらを食べましたが美味しいですわ。まさか生の魚を食べられるなんて驚きですが」
「えぇ、私も火を通した魚しか食べたことありませんでしたもの」
エドやカリムは、ステーキとキーマカレーが気に入り、レベちゃんとサンちゃんは初めての生魚の美味しさに驚いていた。
「みんな気に入って貰えたみたいだね」
「うん。頑張って作った甲斐があったよ。ベルもありがとうね。クロエ先輩の実家に行ってもらって」
「ううん、そんな大したことないよ。ベルデに連れて行ってもらっただけだしね。クロエ先輩のお兄さん達、今度また店に食べにおいでって言ってたよ。なんか新作が出来たとかで」
「うわっ、行きたい行きたい!」
こうして打ち上げと言う名の食事会は、無事成功をおさめた。その後、各家からレシピの書籍化を依頼されて、困った私は今や人気作家になりつつあるレベちゃんに相談するまであと少し。
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