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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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493.中日でジェネラル観光

予選から決勝戦までの中日は3日間。

その間の選手は、決勝戦の為に訓練したり、休息を取ったり、他国の騎士は王都観光をする。


「おぉ〜!ここがジェネラルか。辺境の街だと聞いていたけど、凄い栄えていますねぇ〜」

「あっ、あれか?ジョアンちゃんの店ー!!」

「貴族令嬢の店とはいえデカくないか?」

「とても外観からセンスが良くて、入りやすそうだね」

「ええ、本当に素敵です」

「じゃあ、早速入ろうや!」

「わぁ、久しぶりのジェネラルだ」

「あの時はゆっくり観光出来なかったもんね」

「ちょっ、ちょっと、もうちょい落ち着いて。それだけじゃなくても目立ってるんだから!」


中日を使って、ジェネラルに来たいというので案内をかって出たわけだけど……まさかジェネラルに来たいと言う人がこんなにもいるなんて思わなかった。しかも、これでも厳選した方だし。

今回、ジョウ商会を含むジェネラル観光を希望したのは、ツヴェルク国の第一騎士団の副団長レギンさん、アニア国の第二王子ラギール様と第二王女ジャンヌ様、ゴールダーとガロン、アムちゃんとラビィちゃん。エルファ国からミラちゃん。東の国からワカちゃんと何故かいるタイキさん。


ちなみに、ジェネラル観光には来なかったけれど、ランペイル家にはお祖父様とお祖母様に会いに、ツヴェルク国の軍務大臣のゴルデル・グリーグ公爵、アニア国のミンコフ領主のウル・バートン様とティガー公爵夫妻。お母様に会いに、エルファ国のエデーン公爵夫妻、アニア国からコッカー伯爵様、そして功績から男爵位になったラビィパパのバックス男爵とラビィ兄のマーシィさん。東の国から側室チグサ様の実家《萬屋よろずや本店 越後屋》を営むエチゴ侯爵夫妻。


気付いたら、錚々たるメンバーでプチ同窓会状態になっている我が家。屋敷に残る方が重鎮が多いので、若手組は観光がてらジョウ商会でランチを取ろうということになったのだ。そして人数が人数なので、午前中だけジョウ商会を貸切にした。


「お父さんとお兄ちゃん、大丈夫かな?」

「「「あー……」」」


ラビィちゃんの家のバックス商会は、アニア国で唯一ジョウ商会と取引があることで、平民だけではなく貴族まで並んででも入店したいというお客さんで連日混み合っているそうだ。しかも顧客の中には、王妃様をはじめとする王族も含まれるので、あれよあれよと男爵位を拝命したらしい。それもジョウ商会のお陰だということで、お礼にきてくれたのだが、まさか他国の高位貴族も同日になるとは知らなくて、私達が外出する際に不安な涙目でこちらを見ていて、後ろ髪を引かれる思いで出て来てしまった。


いくら男性でしかも私よりも年上だとしても、ウサギのつぶらな瞳をウルウルさせてジッと見ているのを、無視して出掛けるのには勇気がいったわ……。


「まぁ、コッカー伯爵がいるから大丈夫でしょ」

「もぉ、ラビィったら人ごとだと思って」

「いいの、いいの。ここで尻込みしてたら、いつまでたっても真の貴族になれないでしょう?私だって、頑張ってマナーの勉強しているんだから」


授爵をしたことで、バックス家の生活は平民の商人だった時から一変した。でも、アムちゃんの家のティガー公爵家が全面バックアップしてくれているそうで、貴族としてのマナーや言葉遣いなど家族だけではなく既存の店員にも揃って勉強会をしてくれているらしい。


「まあ、お母様に面会に来た他国の人達と知り合いになれば、更にバックス商会が繁栄するでしょ」

「そうそう、ジョアン様の言う通り!ウチの母さ……じゃなくて、お母様もお父様とお兄様に、エグザリア王国でのお土産は物よりツテって言ってたし。でも、弟や妹達にはお菓子が良い!って言われてたけどね」

「うふふ、ラビィのお母様らしいわね」


ラビィちゃんのお母さんや弟くん妹ちゃんには、会えていないけど話によると、お母さんはバックス家で誰よりも強く、弟が3人妹が4人いるそうだ。さすが多産の兎人族。



*****



「「「「「「「いらっしゃいませ」」」」」」」


ジョウ商会へ入ると、店長のケイトさんをはじめ、スタッフ総出で出迎えてくれた。


「「「「「お〜、涼しいー!!」」」」」

「「「涼しいわ〜」」」

「本当に、外の気温と大違いだわ」

「ジョアンちゃん、どないなってんねん」


今日は、春の陽気で暖かく屋敷からジェネラルまで歩いて来た私達は、うっすらと汗をかいていたぐらいだった。でも、我がジョウ商会は冷暖房完備。やっぱり、スタッフとお客様には快適に過ごしてもらいたいからね。

とはいっても、まだ春季なので天井にあるファンを回しているだけ。ただ、このファン部分には魔石を使っている。涼しくしたければ魔石に【水属性】を付与、逆に暖かくしたければ【火属性】を付与するだけ。前世の扇風機用冷却器を参考にしただけ。


ランチの前に店内を案内する。

やはり売れ筋は、焼肉のタレ。既存のセウユ味、メソ味だけではなくリモンネーギ塩味、ガーニックセウユ味、おろしポン酢味など種類が増えたので、通常よりも小さいビンに入れ5種の食べ比べセットが大人気。冒険者達がこぞって買って行くそうだ。次点で、カレールー。甘口と中辛、辛口があるが、甘口には前世でもお馴染みのようにリップルとハチミツを入れてまろやかになっている。


ちなみに、昨年ジョウ商会の食品工場が領地内に出来た。

今までは、近くの主婦の皆さんに屋敷に来てもらってケンさん達と共に作ってもらっていたが、到底供給が間に合わない。だから、思い切って工場を建てた。場所は、甘露芋農家さん達が多く住んでいる所。甘露芋農家の奥様や老人達が、甘露芋のシーズン以外は暇を持て余しているという事と、場所が空いていた為。

工場の外観は、赤レンガ倉庫風。工場内には、調理場とスタッフの休憩室、トイレとシャワー室がある。なぜ工場にシャワー室かというと工場内がいくら空調完備でも調理工程で暑い。そして、身体中がいい匂いに包まれる為。甘露芋農家以外のスタッフが、いくら領都まで護衛付き馬車ーー冒険者達に依頼ーーに乗っていても、ゴブリンなどの魔獣が寄って来てしまうから。スタッフからは、給料も貰えてシャワーまで使えることをとても喜ばれている。




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