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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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49.BBQ③

同時3話更新の3話目です。

「上から失礼しまーす。楽しんでますかー?」


エイブさんに抱っこされたまま、使用人グループに声を掛ける。

「あっ、お嬢様。楽しんでいますよ、ありがとうございます」

「このネーギ塩リモンのタレ、さっぱりしてて食べやすいです」

「そーなんです。食べ過ぎちゃいそうですよ」


みんな楽しんでくれてるようで安心する。

エイブさんに下ろして貰って、準備していた物をストレージから出して侍女達とアニーちゃんに渡していく。

「これ、日頃の感謝を込めて……どーぞ」

油紙に包まれ毛糸で封をされた簡易包装の物を、みんな戸惑いながらも受け取る。


「えーっと、油紙の中にドライフルーツのクッキーとナッツのクッキーが入ってるよ。あと、その毛糸は伸縮する編み方で編んでるから、良ければ髪紐とかで使ってみて?こんな風に」

と、後ろを向いて自分がその編んだ毛糸でポニーテールをしているのを見せる。


「「「「「「ありがとうございます」」」」」」


「お嬢様〜いつの間に作ったんですかー?」

サラが聞いてくる。

「ふふっ、内緒〜。だって、女は秘密の1つぐらいあった方が良いってお母様が言ってたから」

キラさんがやっていたように、口元に人差し指を置きウインクしてみる。


「「「「「「っ!!!」」」」」」

(いやーん、お嬢様が可愛いすぎる)

(奥様の英才教育がスゴい)

(奥様、グッジョブですー)

(5才でこれは……あとあと大変だわ)

(お嬢様とお揃いの髪紐……家宝にするわ)


「お嬢様〜、伸縮する編み方初めて見ました〜」

サラがビックリしている。


あら?この世界では、ストレッチ編みってないのかしら?簡単なんだけどねぇ。

……ってことは、売れる?

お小遣い稼ぐことできるんじゃないかしら?


「ねぇ、サラ。この髪紐売れると思う?」

「もちろんです!!まずは、奥様に話してみましょう!!(勝手に商人と交渉する前に、奥様とナンシーさんに報告しなきゃ、私が怒られるわ)」


「で、男の方にはこっち」

またストレージから同じような包みを出し、エイブさん、アーサーさん、師匠、庭師のトム爺さんとマイクに渡す。

「中はナッツのクッキーとソルトバタークッキーよ。油紙を結んでいるのは、刺繍糸で作ったミサンガっていうお守りアクセサリーなの。手首に巻いておいて。切れたら願いが叶うものだから、つける時に願いを込めてね」

「良いんですかい?わしまで」

トム爺さんが聞いてくる。

トム爺さんは60才だが、元々冒険者だったらしく身体ががっしりとしている。屋敷には街から通いでやってくる庭師。

「もちろんよ。トム爺さんには色々お世話になってるもの。あっ、これはザーラさんに渡してね」

そう言って、髪紐付きの油紙を渡す。

ザーラさんはトム爺さんの奥さんで、街で花屋を営んでいる。

「俺たちだけじゃなく、ばあちゃんにまでありがとうございます。お嬢様」

お礼を言うのはマイク。

トム爺さんとザーラさんの孫で、街でトム達と一緒に住んでいる。

「あーもぉー、みんなお嬢様じゃなくて、名前で呼んでってばー」

ぷーっと頬を膨らませる。

「あはは、お嬢さん、ほっぺ膨らませても可愛いだけっすよ」

師匠から笑われる。

「ほらーまた。名前で呼んで、ダメ?」

私兵団でもやったように、手を合わせながら、あざとく首を傾げる。


「「「「「「「「「「「っ!!」」」」」」」」」」


((キュンキュンするーー))

(ヤバい、可愛いすぎるー!)

(ぎゅーってしたい!!)

(持ち帰りたい)

(いや〜ん、あざとさが可愛いすぎる〜)

(頭を撫でてやりたい)


なぜか、こちらでも顔が赤くなってる人がいる。

みんな、飲み過ぎなんじゃない?


「ダメじゃないっす。でも、いいんすか?本当に」

「もちろん!!」

「じゃあ、頑張るっす」


ん?何を?

まぁー、ともかく一応全員に名前呼びをお願いしたから、明日から変わるかしら?


「お嬢……じゃなくて、ジョアン様〜」

アニーが近くに来る。

「アニーちゃんには、様もつけて欲しくないんだけどなぁー。無理よね?」

ぶんぶん音が鳴るんじゃないかと思うぐらい、首を振る。


「ジョアン様、バーベキュー、本当にありがとうございます。家族って言ってもらえて……私、スゴく嬉しくて。何て……お礼を言ったらいいか……わからなくて……」

と言いながら、アニーちゃんは涙ぐむ。

「ど、どうしたの?アニーちゃん、どこか痛いの?」

心配になって聞くと

「違うんだ、お嬢。アニーは孤児院出身なんだよ。奥様が孤児院を訪問した時に、アニーを見初めてここへやって来たんだよ」

「はい、だから……引き取ってもらっただけでも……ありがたいのに……学校も行けて……。しかも……ジョアン様に……家族だって……言ってもらって……初めての家族で……嬉しくて」

泣きながらも気持ちを伝えるアニー。

「そうだったんだ。ごめんなさい、知らなくて。でも、この屋敷にいる人は家族って思ってるよ。みんなに支えてもらってるから、生活できるんだし。だから、泣かないでアニーちゃん。感謝してるのは、私の方だよ」

そう言い、アニーちゃんをぎゅっと抱きしめる。

「うぅー、ジョアンざまぁー。ありがどうございまずぅー」

「ほら、アニー。お嬢が困ってんぞ。もう、泣きやめ。なっ」

エイブさんが宥めるが、なかなか泣き止まない。

「そんなに泣くと、目がなくなっちゃうよー」


しばらくして泣き止んだアニーちゃんは、泣いてお腹が空いたと、また肉を食べていた。


アニーちゃん、逞しいわ。

でも、やっぱり孤児院ってこの世界もあるのね。

今度、お母様が行く時連れて行ってもらえるかしらねぇ。





いつも読んで頂きまして、ありがとうございます。

╰(*´︶`*)╯♡

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