47.BBQ①
お待たせしてしました。
予定通り、同時3話更新します。
こちらは1話目です。
ーーー演習場にて。
準備は、私兵団も手伝ってくれた。
【土】属性のキラさん、若手のエリーさん(♂)には竈を作って貰い、鍛冶屋の次男マーティンさんには、実家で鉄板と網を作って来てもらった。
もちろん野外なので、テーブルとイスはない。代わりに薪になる前の丸太を何個か置いておく。
食材を厨房のみんなと一緒に焼き始め、飲み物も配る。今夜は、ビールに似た《エール》、カクテルの《ギムレット》《ソルティードッグ》。ノンアルコールは、以前も作った《シンデレラ》《ミランジアイスティー》。
「いつも、我が家の為に尽くしてくれてありがとう。今夜はお腹いっぱいになるまで、飲んだり食べたりしてくれ。では、ランペイル領の発展とみんなの健康に…乾杯」
「「「「「「「「「「乾杯!!」」」」」」」」」」
「うっまーー!!」
「こんな美味いの、食ったことねーよ!!」
「このガーニックのタレ、最高だなー」
「タマオンって、焼くとこんなに甘くなんのか?」
「ナッスーだって味が染み込んでて、こんなに美味いなんて知らなかった」
私兵団にバーベキューは、大好評だった。
タレも、気に入ってくれたようだった。
「んー、このカクテル美味しいー!」
「ラムブレープとクリームチーズって合うのね〜」
「ネーギ塩リモンのタレは、さっぱりしてて肉が食べやすいわ〜」
「ガーニック塩ダレで食べる肉も、美味いぞ。エール合う!!」
「おい、そのカナッペとやら俺にもくれよ」
「うるさいなー。あんた達はそっちの野菜食べてなさいよ!」
「コーモロコシって、茹でるより焼いた方が美味いなぁ」
「うん、でも、なんだかしょっぱいな」
使用人たちも喜んでいる。
おつまみのカナッペは、主に侍女達が食べてるわ。
もぉー仲良く食べてよ〜。
「お父様、お母様どうですか?バーベキュー」
「おー、可愛いジョアン。このガーニック塩ダレが美味いな。いつも以上に食べてしまいそうだよ」
だから、枕詞がおかしい。
「お父様、ガーニック塩ダレにはエールが合いますよ」
そう言って、ストレージからキンキンに冷えたエールを出して渡す。
「くぅーー。これは、堪らんなぁ」
「ジョアーン、スタンだけズルいわー」
お母様、拗ねないで。
「お母様には、こちらを」
ストレージから《ビアスプリッツァー》を出して渡す。
「んー、美味しい。新しいカクテルね」
「はい、そうです。ビアスプリッツァーと言って、エールと白ワインを同量で合わせた物です」
「「ごくっ」」
生唾を飲む音が聞こえたけど……グレイとナンシーね。
2人の方を向き
「どちらが良い?」
「エ、エールを……」
「カクテルをお願いします」
グレイにエール。ナンシーにビアスプリッツァーを渡す。
「「んー!!」」
喜んでもらえたようで、良かった。
「お父様、家族みんなで食べると、美味しいですよね?」
お父様は周りを見渡しながら
「あー、確かに。こんなに私兵団、使用人と接したことがなかったからなぁ〜」
「本当にそうねぇ。みんな楽しそう。それに懐かしいわぁ。ありがとう、ジョアン」
お母様も喜んでくれたみたいね。
「お母様、懐かしいとは?」
「あら?言ってなかったかしら、魔術師団にいた頃に遠征で、こんな感じでよく食事をしたのよ」
「確かに懐かしいですね。魔物討伐後の宴もこんな感じでした」
ナンシーも言う。
「こんなに美味しい食べ物と酒はなかったがな」
お父様も懐かしいのね。
「お父様、このタレがあれば遠征でも美味しく食べられると思いませんか?」
「遠征?どうして?」
あの時いなかった、お母様とナンシーにも私兵団の食事改善のことを話す。私が調理指導に行くことになった事も。お父様とグレイは、俯いて小さくなっている。
あっ、ナンシーに調理指導の付き添いお願いしないといけないんだったわ。
「それで、ナンシーに付き添ってほしいの。初回だけで良いから」
「えっ、私でございますか?」
「うん、だって私が今まで見た中でナンシーが1番強くて格好良かったから」
「うふふふっ、確かにそうね」
お母様も納得してくれてるわ。
「だから、ナンシーお願いします。明日、2刻間だけで良いから私に時間を下さい」
ナンシーに頭を下げる。
「私で宜しければ、喜んでボディガードを致します」
「ありがとう」
これで、調理指導は大丈夫ね。
他のみんなの所にも行ってこようかしら?
タレの評価も聞きたいし、遠征にどうか聞きたいしねぇ。
それと、お父様から『お嬢様』呼びを名前呼びに変える許可もらったから、言い回らないとねぇ〜。




