表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

457/562

453.いざエルファ国へ

「皆さん、お世話になりました」


アニア国、王都の入り口で私は皆んなに挨拶をする。


「ジョアン嬢、本当にありがとう。危うく有望な人材がいなくなるところだった」

「ジョアン様、結婚式には絶対来て下さいね」

「まあ、では私達の結婚式にもぜひ!」

上から、リジャル殿下、シアさん、クラリスさん。あの元コッカー伯爵代行の計画が成功していたら、クラリスさんの婚約者であるオリバーさんは、クラリスさんとジュディー様を連れて国外に逃げるつもりだったらしい。もちろん、オリバーさんの実家も了承済みどころか一緒に移住計画もたてるぐらいだった。


「我が家も色々と世話になった。今の平穏な生活もジョアン嬢のお陰だ。また、アニアに来る際は遠慮なく連絡してくれ」

「ジョアン様、本当にありがとうございました。キッチン・エイコーンとの取引の件、宜しくお願い致しますね」

「師匠、次まで腕を磨いておきます!」


次は、ティガー公爵、ジュディー・コッカー伯爵、大衆食堂の料理人だったベアルトさん。

コッカー伯爵家の新しい商会は、場所を貴族街と平民街の中間地点ーーバックス商会の近くーーに移し、キッチン・エイコーンとして飲食を主に取り扱う事が決まった。ちなみに1階が物販、2階が料理屋、3階が個室だ。そして料理屋では、私のレシピを採用する事が決まり、ベアルトさんが料理長を任されることになった。大衆食堂の方はラスカさんのお父さんの腰痛をベルデが治療した事で、復帰をしバリバリ働いている。しかも、料理歴が長いこともあり、ベアルトさんよりも私のレシピの再現率は高い。


「ジョアン、次は絶対勝ってやるからな!」

「いや、勝つのは俺だし。勝ったらデートな」

「もぉ〜お兄様達うるさい!!ジョアン様、またカフェ行きましょうね」

「僕ともピクニック行きましょう」


賑やかなのは、ゴールダー、ガロン、アムちゃん、トニー君。ゴールダーとガロンとは、敗者は勝者の願いを叶えるという約束の元打ち合いをした。もちろん、勝者は私。願いは私とアムちゃん、ラビィーちゃんにご馳走すること。ラビィーちゃんは恐縮していたけど、私とアムちゃんはお腹いっぱいになるまで食べさせて貰った。


皆んなに挨拶も終え、王都の門を出るとパール達が話しかけてくる。


『次は、エルフの国かしら?』

「うん。エルフの国、エルファ国。ガドラ様の話だと、エルファ国の王都までは、ここから5日ぐらいらしいよ」

『エルファは、どんなお菓子があるかな?』

「ロッソ、あまりお菓子ばかりだと太るよ?」

『大丈夫だよ。ちゃんとご飯も食べるから』


どこが大丈夫かわからないロッソの言葉に、皆んなで笑いながら私達は一路、エルファ国を目指した。



*****



ーーー5日後。


「ここが、エルファ国の王都、トルーキンかぁ」


王都は高い塀で守られてあり、その塀には蔦が張り遠目からは見えないようにカモフラージュされていた。検問を終えて王都に入ると、一際目立つのは王都の中心にある大きな木。


うわ〜、テレビで良く見たこの木何の木みたい。


その木を中心に、建物が並んでいる。門衛さんの話だと、中心部には王宮、その周りに貴族街、そして1番外側に平民街と職人街があるらしい。そして、あの木はなんと世界樹だそうだ。それを聞いて「うっわ〜ファンタジー」と声に出さなかった私を褒めてあげたい。


お昼前に着いたので、混み出す前に料理屋へと向かう。もちろん、ここでも門衛さんのおススメの店を教えて貰った。そこはログハウス調の建物の『ウッチェロ』。1番人気は、ミンチ肉と豆の煮物だと。もちろん、それも頼み食べてみるとチリコンカンによく似たものだった。一緒に出された薄焼きパンもトルティーヤに似ていた。


食後は、ブラブラしながら今日の目的地の貴族街へ。

貴族街は、フェンスで囲んであり入口には守衛さんがいた。海外の高級住宅地のように、住民以外の敷地内への出入りを制限することで通過交通の流入を防ぎ、防犯性を向上させたゲートコミュニティーだ。ちなみに王宮に行くには、また別の入り口があるそうだ。


私が守衛さんに用件を伝え、しばらく待っていると1台の馬車がやって来た。その馬車から下りて来たのは、相変わらず美人さんなサエルミラ・エデーン侯爵令嬢。エドの従姉妹のミラちゃんだ。


「ジョアン様、お待たせ致しました」

「ううん、こちらこそごめんね」

「いえ、叔母様とエド兄様から連絡がありましたから。あっ、まずは屋敷までご案内しますわ」


ミラちゃんに案内されて屋敷に着くと、玄関ポーチにミラちゃんに似た女性と……レルータ夫人?


「ようこそいらっしゃいました、ランペイル辺境伯令嬢」

「いらっしゃい、ジョアンちゃん」


最初に挨拶してくれたのは、ミラちゃんのお母様のフェニコッテロ・エデーン侯爵夫人。そして、したり顔で微笑んでいるのはエドのお母様のアルエット様。応接室に通されお茶を出されると、フェニコッテロ様が頭を下げた。


「ランペイル嬢には、本当にお世話になりました。貴女がいなかったらミラは無事ではいなかったでしょう。本当に、感謝してもしきれません」

「頭をお上げ下さい。私は出来ることをしたまでですから。それに、エデーン侯爵家とはいいお取引をさせて頂き、こちらこそお礼申し上げます」

「ほらね?義姉様。ジョアンちゃんは、こういう子ですから」

「えっと……アルエット様はどうしてこちらに?」

「うふふ。ジョアンちゃんがそろそろエルファ国に向かうと聞いたから来ちゃった」


来ちゃったって……相変わらず、年齢不詳な可愛さだわ。


「あっ……こちら、つまらない物ですが……」


ストレージから出したのは、いつもの特製ドライフルーツとドライフルーツを使ったブランデーケーキとクッキー。


「「「まあ!!」」」

「あの、一応、多めに持って来たので皆様で食べて頂けたら嬉しいです」


扉の所で待機している侍女さん達も、目がキラキラとしているから喜んで貰えたようで何より。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
★好評発売中★

html>
書籍情報はこちらから
★マグコミ様にてコミカライズ連載スタート★

html>
マグコミはこちらから
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ