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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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450.コッカー伯爵夫人の治療

「初めまして、コッカー伯爵夫人。わたくしはエグザリア王国ランペイル辺境伯家が長女、ジョアン・ランペイルと申します」


挨拶をし、今日来た理由を説明する。声は出ないものの話はちゃんと理解してしたようで、弱々しくだが頷くコッカー伯爵夫人。


「では、さっそく。失礼致します。【サーチ オープン】」



----------------------------------------------------------------------


[ジュディー・コッカー]

アニア国出身。栗鼠人族。コッカー伯爵家当主。


状態:栄養失調。嘔吐、下痢、呼吸不全。

   リコリスの毒による中毒症状。


補足:主治医の投薬により中毒症状を起こしている。

   このまま飲み続ければ余命3ヶ月。


----------------------------------------------------------------------



「「「「っ!!」」」」


私達は【サーチ】の結果に驚く、まさかここまで進行していただなんて……。


「ベルデ!」

『かしこまりました』


今まで、扉の前で待機していたベルデがベッドの側によると、コッカー伯爵夫人に向かって【エクストラヒール】をかける。するとコッカー伯爵夫人の身体が光り、その光が収まると呼吸も安定し、しばらくすると眩しそうに目を開けたコッカー伯爵夫人。


「……ク……ラリス」

「お、お母様!!」

「「奥様!!」」


再び【サーチ】をかけると、中毒症状はなくなり栄養失調だけになっていた。


良かった。間に合って。

やっぱりリコリスの毒か……。最低だな、あのチビ禿げ出っ歯ネズミ。


『ジョアン様、捕縛完了です』

「ありがとう、ベルデ」


クラリスさんと侍女長にコッカー伯爵夫人の事をお願いし、私は家令さんとベルデと共に寝室を出る。向かうは、主治医のイタチ野郎の所。場所を知っているベルデの後について行くと、玄関を出た。私と家令さんは首を傾げながらも、後をついて行く。


『ジョアン様、あちらです』


ベルデが指すのは、コッカー伯爵家の厩舎の手前。そこにイバラに囚われた主治医がいた。近くにはイタチ野郎の物と思われる鞄が2つ。どうやら逃げるつもりだったらしい。


「ああ、良かった。助けて下さいよぉ〜。散歩をしていたら急にイバラが絡みついてきて、あちこち痛いんですよぉ〜」

「……荷物を持ってですか?……先生、私達はあなたを信用していたのに。奥様を必ず助けてくれると」

「え、ええ、もちろんですとも。お、奥様はもう少しで回復しますよ。最近、顔色も良くなってきましたし。そ、そうですね、あ、あと3ヶ月ーー」

「余命ではなくて?」

「な、な、何を言っているか!人族の小娘ごときぐぅわぁー」


イタチ野郎が私を罵った瞬間、ベルデがイバラの締め付けを強くしたらしい。白衣の至る所が赤く染まってきている。


「正直に言ったらどうです?あなたがリコリスの毒を夫人に飲ませていたのはわかっているんですよ?」

「……ふん。どうせ、夫人はもう助からねーよ。手遅れだ」

「ま、まあ、なんて事。か、家令さん、は、早く神殿に使いを!」

「は、はい!!ただいま!!」


そう言って、家令さんが屋敷へ走って行く。もちろん、これは予め私達が計画した寸劇だ。


「あっはははは。全てコッカー伯爵の計画通りだ。これで俺も金持ちだ!」

「コッカー伯爵が計画しあなたが実行犯というわけね。でも、もしコッカー伯爵夫人が亡くなって、コッカー伯爵があなたを突き出したらあなただけが罰を受けるわよ」

「ふん。こっちだって、そこはちゃんと考えてんだよ!ともかくコレを解け!!」

『ジョアン様、ありました』

「そ、それは……人の荷物に触るな!」


ベルデはイタチ野郎の鞄から、リコリスの毒が入った小瓶と何かの書類を取り出した。それを受け取ると、書類をイタチ野郎に見せつける。


「あらららら、これは何でしょ〜か」


イタチ野郎がギャンギャン騒いでうるさいので一旦手刀で意識を刈る。ようやく静かになった。

確認すると、それはコッカー伯爵からの殺人依頼の契約書の写しだった。イタチ野郎は、自分がトカゲの尻尾切りにならないようにご丁寧に契約書の写しを保管していたようだ。助かる〜。


「ベルデ、他は?」

『同じように』

「そう。ありがとう」


結局、コッカー伯爵領の屋敷にいた使用人の半数以上がコッカー伯爵の手先だった。中には、レティ嬢の母親だと名乗る女もいて、こちらも騒いでいたから纏めて眠らせておいた。自称レティ嬢の母親曰く、コッカー伯爵夫人が死んだら私が伯爵夫人なんだとか……いや、無理だから。


取り敢えず、イタチ野郎と手先達はベルデの作ったイバラの牢屋にぶち込んだ。当初の予定では、週末にはコッカー伯爵も領地に来るそうだ。週末まで、あと3日。それまでに、私は関係各所に連絡をしてお迎えの準備をしなければならない。


「ベルデ。コッカー伯爵夫人は?」

『先程、捕らえた者たちから【ドレイン】をし、伯爵夫人に【キャリー】しましたので、明日にはご自身で歩いて生活できるかと思います』


ベルデの【緑】属性の【ドレイン】は相手から魔力や生命力を吸い取る。【キャリー】は逆に魔力や生命力を譲渡できる。この場合、【ドレイン】した相手は先程捕らえたイタチ野郎や手先達で【キャリー】したのはコッカー伯爵夫人。


その後、連絡した先からの助っ人達がベルデの転移でコッカー伯爵領に続々と集まり出した。


「お集まり頂きありがとうございます。詳細は、既に聞いているでしょうから、さっそく準備をしていきたいと思います。さぁ、時間がないですよ〜。皆さん、宜しくお願いしますね」

「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」

「「「「「「おおー!!」」」」」」



そして、コッカー伯爵とレティ嬢を迎える準備は整った。







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