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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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45.食事改善

ゴクッゴクッゴクッ「ふぅーー」


片手を腰に置いて、アイスティーを一気に飲み干した。


あー喉が痛いわ。説教すると疲れるわねぇ。

にしても、久々に自分より上の人間に説教したわ。昔はこうだったーとか、古臭いのよねぇ。どれだけ自分の時代に誇りをもっているのよ?


「ジョー、落ちついた?」

ノエル兄様が近づいて頭を撫でてくれる。

「格好良かったぞ、ジョー。母様が怒る時と一緒だった」

「ジーン兄様、ホント?似てた?」

「もしかして奥様の真似をしたのか?」

ネイサンだ。

「うん。えへへへ」

「奥様のだけじゃなく、ウチの母さんにも似てた気がするよ」

ザックまで。

「うん、さっき見たナンシーにも似せてみた。でも、ナンシーに似せるなら、やっぱり口だけじゃなく腕もたたなければいけないですよね?」

それだけじゃなく、前世の経験も入っているけどねぇ。


「いや、ジョアン。ナンシーに似なくて良いから、そのままの可愛いジョアンでいて」


ノエル兄様、可愛いだけの女は使えません。

頭も口も腕も、ちゃんと鍛えないと。

ナンシーはもちろん、お母様にも色々と教えてもらいましょう。それからノエル兄様、そんな事言ってると馬鹿な女に捕まるわよ。まっ、私が排除するけど。



「ジョ、ジョアン……。先程は、ごめん。そのー、3人で話し合って、今度エイブに調理指導をしてもらうことにしたよ」

お父様、グレイ、エルさんがやって来た。

「えっ?今度?」

私は聞き直す。

「う、うん、今度」

「今度とは、いつですの?そんな曖昧な約束では無意味です。明確に教えて頂けますか、お父様」

「い、いや、でも、エイブにも確認しないといけないし。今の段階では、今度としか……」

「お父様たち、本当に改善するつもりがありますか?今までやらなかったのに、今度?そんなので信用出来るわけないでしょう。もし、部下の方に指示して『今度やります』って言われて、信用出来ますか?」

「えっ、あっ、いや。ごめんなさい」

「謝るだけでは、何も解決出来ません」


「「「……」」」

大人3人は、黙った。

「「「「……」」」」

それを近くで見ていたノエル達4人は、本能的にジョアンを怒らせてはいけない事を、心に誓った。


「わかりました。じゃあ、私が私兵団の寮に行って調理指導をします!」

「いや、それはダメだ。私の可愛いジョアンを男しかいない寮なんかに、行かせられるわけがないだろ」

「大丈夫ですよ。可愛いって言ってるの、身内の贔屓目ですって」

誰がこんな5才児に、発情するのよ?

私兵団の1番下の人でも、11才よ?せいぜい妹としか思わないわよぉ。

「「はぁー」」

ネイサン、ザック、首を横に振りながらため息って、飽きちゃった?


「ともかく、私が指導します!」

「あのぉーお言葉ですが、お嬢様。そのぉ、料理出来るのですか?」

私の料理を食べたことないエルさんが聞いてくる。

「作れますよ。ちょっと待って下さいね。……はい、どうぞ。私が作ったパウンドケーキです」

ストレージからラムブレープのパウンドケーキを出して、エルさんに渡す。それを見ていた、お兄様たちは

「「ジョー、何それ?」」

あっ、学院に行ってる間に作ったから知らないのね。

「お兄様たちもどうぞ」

ノエル兄様、ジーン兄様、ネイサンに渡す。

ザックにはラムブレープは早いと思ったから、ドライフルーツのパウンドケーキだ。


エルは恐る恐る食べた。

「美味い」

「ね、ちゃんと料理出来るでしょ?」

「いや、しかし……」

お父様の方をチラッとみる、エル。

「じゃあ、初回、ナンシーと一緒に来たらいいですか?」

「えっ!?」

エルがビクッとする。


ん?どうしたのかしら?

元魔物討伐団なら、ナンシーとも顔見知りだから大丈夫でしょ?


「ん、まぁ、ナンシーが側にいるなら大丈夫か」

「えー!!スタンリー様、それだけは、それだけは、どうかお慈悲を」

「エル。すまん、諦めろ」

何故、お父様が謝る?


その後、グレイに聞いたところ、ナンシーはエルの教育係だったらしい。新人の時、かなりハードな教育だった為、それがトラウマなのか、未だにナンシーのことを恐れている。


「あっ、そうだ。まず、みんなで今夜バーベキューでもします?」

「「「「バーベキュー!?」」」」

「外でみんなで火を囲んで、肉や野菜を焼いて食べたりするんです。私たち家族、使用人、私兵団みんなで親睦を深めるためにご飯を一緒にするんです」

「親睦を深めるって、なんで?」

ジーン兄様が聞く。

「だって、みんなランペイル家の家族でしょ?」


「「「「「っ!!!!!」」」」」


「ジョアーン、なんて良い子なんだ。そうだな、みんな家族だな。よし、みんなでバーベキューとやらをしよう」

お父様が決断してくれた。


バーベキュー開始は18刻。

それまでに、色々と準備しましょ。



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