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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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443.大人様ランチ

「おお、これが噂に聞く ”食の女神” の料理か」


食事会場でシアさんと待っていると、王族の皆さんと宰相様、ティガー公爵様、ガドラ様、ハイロー騎士団長、そしてランディール殿下の従僕兼護衛のイデアラーさんが入室してきた。皆んながみんな、鼻をヒクヒクさせているのを見て笑いそうになったのを何とか堪えた。


「湯気が立っているところをみると、王宮の厨房で作ったのか?」

「いえ、公爵家の厨房をお借りしました。先程、私のストレージから取り出しましたので、まだ温かいうちにどうぞお召し上がり下さい」

「ほお、ジョアン嬢は【ストレージS】をお持ちか」

「はい、左様でございます」


『大人様ランチ』の説明を軽くしている間に、味わいながら食べる侍従の毒味が終わり、いざ実食!


「「「「おお!」」」」

「「「んーー!!」」」

「「「「まあ!」」」」


料理を食べるたびに王族と宰相様、騎士団長の感嘆の声が止まらない。ティガー公爵様とガドラ様は、昨夜も同じ物を食べているから違う物をと提案したが、私の手間を考えてか同じ物で良いと言ってくれた。でも、公爵夫人から「あの2人は気に入ったものは、飽きるまで食べるタイプなのよ」と言っていた。だから今も2人は無言で頷きながら食べている。


食事が終わるとバーテンダー、ベルデによるカクテルタイムだ。まずは、ウォッカとミランジジュースのスクリュードライバー。アルコール度数もそんなに高くないので、女性陣からは大好評だったが、やはり男性陣からはもう少しキツめの方が良いというリクエスト。


「ウォッカマティーニです。こちらは『カクテルの王様』という別名もございます」

「ほう。『カクテルの王様』……ん、美味い!酒と何かを合わせるだけでここまで美味いとは、さすが ”食の女神” だな」

「ありがとうございます。割るものを変えれば何通りもカクテルが出来ますので、カクテルは面白いのですよ」

「おお、なるほど。オリジナルのカクテルも出来るわけだな」


男性陣はベルデを呼び、自分の好みを伝えてオリジナルを作るようだ。私は、女性陣の元へ向かう。


「あぁ、今日は本当にありがとう。そうそう、娘達を紹介しますわ。こちらが第一王女のマリアンヌ、そして第二王女のジャンヌよ」


私も挨拶をし、対面に座る。

マリアンヌ様は王妃様に良く似た美人さん、今は公爵夫人らしい。今日は旦那さんの公爵様は外務大臣として他国に行って不在。ジャンヌ様はポニーテールを高く結わえ、切れ長の目が綺麗な方だった。騎士とも対等に打ち合える腕をお持ちで、先日は騎士団と共に遠征に行っていたそうだ。


「貴女がジョアン様ね。お噂はかねがね聞いておりますわ」

「私もだ」


とマリアンヌ様とジャンヌ様。


「噂ですか?私の噂など、あまり良いものではないと思いますけど……」

「わたくしが知っているのは、”食の女神” としての活躍が主よ。まあ、あとは庶子の娘だとか妄想侯爵夫人からいわれもない事を非難されても凛としていたと言うぐらいかしら?でも、わたくしはそんなことより、ドライフルーツというものが気になりますの」

「私が知っているのは、あの "王国の盾” と言われるランペイル辺境伯家でリンジー様に直々に指導されているという、羨ましい噂だよ。冒険者でもあると聞く。時間があれば、是非打ち合いをしたい」


マリアンヌ様は、自分がぽっちゃり気味なのを気にしていて、それが理由で子供が出来ないのだという。だから【幻の果実】といわれる私特製のドライフルーツが気になると。それを聞いた王妃様も目をキラキラさせてコチラを見るから後ほど差し上げよう。

ジャンヌ様は、騎士団でも腕を磨いているだけあってスラリとした体型で、マリアンヌ様に打ち合いをすれば良いとアドバイスをして怒られていた。そんなジャンヌ様は、私が冒険者としても頭角を現しているのも知っていて、旅をしながら鍛えられるのは羨ましいと言っていた。なので後日、騎士団にお邪魔する事が決まった。



*****



王族の皆様に『大人様ランチ』を披露してから2日後、王妃様からシアさんと共にお茶会に招待された。元々シアさんは、その日王子妃教育の後、王妃様とお茶会をする予定で、そこに私が呼ばれたというかたちだった。


お茶会をするテラスに案内されると、既にテラスには王妃様、マリアンヌ様、リジャル殿下、シアさん、そして見知らぬ男性がいた。


「ご招待頂きましたのに遅れまして申し訳ありません」


謝罪をすると、まだ約束の時間には早いから気にしなくて良いと王妃様。


「ジョアン様、紹介するわ。わたくしの夫である、メイナード・レオパード公爵よ」

「初めまして、メイナード・レオパードと申します。先日は、参加出来なかった私の為に『お弁当』なる物を頂きありがとうございます」


メイナード・レオパード公爵は豹人族で、細身の体型にやや吊り目のアニア国の外務大臣。先日の食事会に参加出来なかったので、お土産として『大人様ランチ』を弁当箱ーー量的に重箱ーーに入れてマリアンヌ様に渡していたのを喜んでくれたようだ。


「それとドライフルーツもありがとう。お陰で翌日には学院時代の時のドレスが着れるぐらいになったのよ。ね、メイナード?」

「ええ。どんな彼女も私は好きだったのですが、初恋をした時の彼女が屋敷で出迎えてくれた時は驚きました。そして、更に惚れ直しましたよ」


と、レオパード公爵はマリアンヌ様に微笑み、マリアンヌ様は恥ずかしそうに顔を真っ赤にしていた。なんでも幼少期に政略的な婚約を結ばれたが、初対面は学院に上がってからだったそうだーーレオパード公爵は幼少期から先代公爵について外交として他国に滞在していたらしいーー。しかも初対面はすれ違っただけなのに、レオパード公爵様はマリアンヌ様に一目惚れをし猛アプローチをしたのだと言う。でも、既に婚約関係だった為、親達は呆れ今では両家の中での笑い話になっているそうだ。2人は番いではないが、それ以上に仲の良い夫婦として有名らしい。


「ねえ、ジョアン様。ジョアン様の作る商品をアニア国では販売しないのかしら?」

「いえ、先日ご縁があってバックス商会で一部を販売することになりました」

「まあ、そうでしたの。でも、お料理の方はレシピだけの販売でしょう?料理屋を出すことは考えていて?」

「そこまでは考えていませんでした」


確かに今までレシピは販売していたけど、それで作ったとしても私の味とは少し違うってモズも言ってたもんなぁ〜。


そんな事を考えていると、王妃様が私だけではなくお茶会に参加していた全員が目を大きくして驚くことを言った。


「では、作りましょう!」




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