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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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44.食事は大切

暑いが続いてますが、体調崩してませんか?


ナンシーが去った後。


「さっ、ジョアン、私兵団が待ってるぞ」

何事もなかったように、私を抱っこしてお父様が言う。

演習場の方に目を向けてみると、私兵団の方たちがこちらを見ていた。見られていたことに気づいた、5人はとても気まずそう。

そりゃあ、侍女に正座させられて説教されたことを見られたら恥ずかしいわよねぇ。

でも、自業自得よ。というか、自業地獄でしたけどねぇ。


「あっ、うん、みんな訓練ご苦労」

お父様が私兵団に声をかける。

「その、色々とお疲れ様です」

そうお父様に労いの言葉をかけたのは、私兵団の団長さん。

「お嬢様は、お初にお目にかかります。私は、エル・ディーエイツ。この私兵団の団長を務めております」

肩より長いストレートの黒髪を1つに結んだイケメンさん。

お父様に下ろしてもらい、カーテシーをとる。

「ご挨拶ありがとうございます。ランペイル家が長女、ジョアン・ランペイルでございます」

「ジョアン上手に出来たね。さすが私の可愛いジョアンだ」

と、ハグをするお父様。

みんなが生暖かい目で見ている。


その後、他の団員さんも簡単に挨拶をしてくれた。

みんなイケメンなのは、異世界だからかねぇ。

しかも訓練してるから、細マッチョでいい体してるし。

ライカにも会わせてあげたかったわ〜。


訓練を見学していると、ノエル兄様とジーン兄様、ネイサンが参加することになった。

模擬刀を使った打ち合いは、とても白熱した。私としてもお兄様たちが戦っている姿は初めて見た。


やっぱり私兵団にはお兄様たちも敵わないのねぇ。

お父様とグレイなら勝てるかしら?年齢的に難しいかも知れないわねぇ。

ナンシーなら、勝てるかも知れないけど。


お兄様たちとの打ち合いが終わって、一度休憩となる。

私は、ストレージから冷えたアイスティーとリモンの蜂蜜漬けを出した。ザックも手伝ってくれたので、みんなに配る。

まるで、部活のマネージャーのようね。

私兵団の人たちは、団員だけで寮で生活してるって言ってたけど、食事も自分たちで作るのかしら?


近くの団員さんに聞いてみる。

「ご飯とか、皆さんで作るんですか?」

「そうですよ、お嬢さん。野営する事があるんで、ある程度、食べられる物を作れるようにする練習も兼ねているんですけどね」

そう言いながら、遠い目をするキラさん。

背が団員の中で1番大きく、ガッシリした体格の良い

赤い髪をツンツンさせたイケメンさん。

「えーっと、ある程度って美味しくはないってことですか?」

「食事は若い奴等が当番制でやるんですけど、人によっては?」


これは由々しき事態ですよ。

私兵団こそ、身体が資本なのにちゃんとした食事を取れないと怪我に繋がる可能性が高いじゃないの。


食事当番をする若い人とは、10代の人のことを言うらしく、ここに来るまで料理をしたことがない人が多いらしい。jr.(ジュニア)ってことね。

ちなみにキラさんは、ちょうど20才。ようやく食事当番から抜けたということだった。


「もしかして、肉焼いただけとか?野菜なしとか?」

「あー、ほとんどがそうですよ。野菜はサラダ……というか、ちぎっただけの生野菜で。肉も上手く焼けなくて、焦げたり生焼けだったり」


うわぁーマジですか?

さすがに、それは酷すぎる。


「その事、お父様は知っているのですか?」

「いや、たぶん知らないと思う。色々お世話になっているのに、食事ぐらいで文句は言えないよ。だから、お嬢さんも内緒で」

人差し指を口元に持ってきて、パチッとウインクする。


うっ。ちょっとキュンときたけど、騙されないから。

82才、舐めんなよ。


「ダメです!!食事を疎かにしちゃ」

そう言うと、お父様の元に走る。


タッ、タッ、タッ。


「お父様ー。お話がありまーす」


お父様は、グレイとエルさんと談笑していた。

後々、聞いたところエルさんも元魔物討伐団で、お父様たちの同僚だったらしい。


「どうした、私の可愛いジョアン」

お父様、枕詞がおかしいです。

「どうして私兵団に料理人がいないのですか?」

「それは、野営で料理が出来るように普段から練習しているんだよ」

「その理由はわかりますが、野営以外でちゃんとしたご飯を取らなければ、訓練の疲れも取れないし、怪我をしやすくなります。身体が資本の私兵団が、ちゃんとした食事も取っていないなんて。あっ、もしかして、自分の若い時はそれが当たり前だったーとか、自分もそうやって来たけど大丈夫だったーとか、古臭いこと言いませんよね?お父様」

「うっ」

図星なのね、お父様。

「「クッ、クッ、クッ」」

グレイとエルさんが笑っている。


「グレイもエルさんも、笑っている場合ですか!きっとお父様と同じ考えだったから、今まで改善されていなかったのですよね?あなた方の時代とは違うのです!

今まで、遠征中に体調を崩したり、怪我が多かったりしてませんか?それに料理を覚える為なら、なおさら教える人が必要ですよね?教えてくれる人いるんですか?いないですよね?上の方が下に教えるだけでしょうね。だから、全然料理の質が上がらなくて、野菜はちぎっただけって、動物と一緒ですか!

野菜だって、火を通した方が栄養価が上がるものがあったりするんです。そういう事、知ってるんですか?知らないですよね?だから、今までーー」


私の大人3人への説教は、それから30分ほど続いた。




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