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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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419.チョビ髭と冒険者風グループ

「お前が店の関係者なら、お前が謝ってくれるんだろうな!」

と、ようやく復活した大男改めて熊の獣人が叫ぶ。冒険者風グループは、人族、ドワーフ族、獣人の混合だったらしい。

「えっ?嫌です。だって、この店の結界は悪意のある人以外は入れるようになってますから。」

「け、結界だと?そんな高度なこと出来るわけないだろ?お前みたいな女に。」

と、ローブの男が言う。


「出来ますよ。じゃあ、そこの緑色の髪のお兄さん。店に入って貰えます?」

人混みの中にいた1人に声をかける。その人は、何の躊躇いもなく店へと入っていった。

「ほらね?じゃあ、次どーぞ。悪意がないんでしょ?」

「あ、当たり前だ!」

と、ローブの男が恐る恐るドアノブを触ると……。


バチッ。「ぐぅわっ!!」


と、仲間達の所まで飛ばされた。

「あれ?やっぱり悪意あるみたいですね〜。じゃあ、次は……そこの髭のダンディーなあなた。」

「ワ、ワシか?ワシは……そ、その店に用はない!!」

と、一目散に人混みから走って行った。それを見た、冒険者風グループも同じ方向に走って行く。

「ありゃ、仲間だと言っているようなもんだけどね〜。」

と、私は1人呟きながら結界を解除した。


ーーその夜、とある酒場。


「旦那、自分ばかり逃げるのは狡いですぜ?」

「煩い!!しかし、なんなんだあの小娘は。今日こそはあのイジョクの居場所とあのドワーフの女を手に入れるはずだったのに。そうすれば、王都でワシの名が売れてアイツを見返すことが出来るんだ。」

と、酒を飲みながらチョビ髭は愚痴る。

「そんなことより俺達の報酬は大丈夫なんだろうな?」

「そうっすよ。旦那、そこはお願いしますよ。」

「俺には、王宮での仕事紹介してくれるんでしょうね?」

冒険者風の男達も飲み食いしながら、チョビ髭に報酬の確認をしていた。ただ、熊男だけは黙々と食べている。


「でも、旦那もなんであんな年増の女が良いんです?俺は、あの出て来た若い女の方が好みっすね〜。」

と、小柄なドワーフ族の男。

「あんな生意気そうな生娘には興味がない。ある程度、年のいった女の方が色々と奉仕してくれるだろうが。」

と、チョビ髭。

「いやいや、年増女より断然生娘でしょ!」

と、細い人族の男。

「俺は、あの女が結界を張ったことの方が興味ある。」

と、ローブの人族の男。

「相変わらず……お前は……魔術バカだな……。」

と、言うのは食べ続けている熊男。


「明日は、何としてでもイジョクの居場所を聞くんだ!あの店がどうなっても構わん。ただ、あの女は捕らえろよ。」

酒が入ってか、先程より声の大きくなっていたチョビ髭。冒険者風の男達も口々に「やってやる!」と言っていた。


「そこのオッさん。何か儲かる話か?」

と、声を掛けたのは冒険者風グループのテーブル近くのカウンター席に座っていた首にスカーフを巻いた若い人族の男。

「んあ?誰だ?お前。」

と、熊男。

「いや、金になりそうな話が聞こえたからな。俺にも、その話噛ませてくれよ。そこの使えない奴等よりは役に立つぜ?」

「んだと!?てめぇー、誰に言ってやがる!!」

と、立ち上がる熊男。

「俺らは、エグザリア王国の冒険者ギルドでAランカーだぞ!」

と、細い男。

「へぇ〜。どうせ金積んだんだろ?スポンサーは、そこのオッさんか?」


「煩い!ワシは、エグザリア王国の貴族にも覚えが良いんだぞ。お前の様な奴なんぞ、すぐにコレだぞ。」

と、首を切る様な仕草をするチョビ髭。

「貴族、貴族って、何処のだよ。どうせ男爵よくて子爵だろ?」

と、スカーフの男が言う。

「お前は知らぬだろうがな。エグザリア王国でも腕の立つ、ディーゼル侯爵だ。あのお方がワシの後ろにはいるんだ!」

「へぇ〜。それは、凄い。……それが、本当ならな。ねぇ〜?」

と、スカーフの男が連れのガタいのいい男に声をかける。


「ああ、確かにな。何処のディーゼル侯爵かわからんがな。」

と、振り向いたガタいのいい男はニヤッと笑いながら言った。

「ま、まさか、何故こんな所に。あ、あなた様は……。」

と、動揺するチョビ髭に冒険者風グループが声をかける。

「旦那、誰なんです?」

「このオッさんのこと知ってるんすか?」

と、口々に聞くがチョビ髭はガタガタと震えて話さない。

「おい!お前、誰なんだ?」

と、熊男。

「あ?俺か?俺は、エグザリア王国でしがない侯爵をやっているもんだ。」

「「「「は?」」」」


「ディーゼル侯爵様!!」

と、土下座をするチョビ髭。

「お前、前にウチに来て門前払いをされた商人だよな?そのお前が何で俺の名を使ってんだ?」

「い、いや、それは、その……。」

「しかも、聞くと無理矢理女性を攫おうってか?とんだクズ野郎だな。あ?」

「あ、その、ええ、はい……。」


チョビ髭がディーゼル侯爵に説教され、その声しか聞こえない酒場の中、よく聞かなければわからない程の小さな声の詠唱が聞こえた。


「《火球》」


ローブの男がディーゼル侯爵に向かい火属性魔法を放ったが、それは当たることなく消失した。


「「「「っ!!」」」」


冒険者風グループの男達は、ディーゼル侯爵を亡き者にすれば逃げられると思っていた。


「そんなことしても逃げられるわけないじゃん。」

カウンターの椅子に座り酒を飲みながら、様子を見ていたスカーフの男が言う。そして椅子から下りて話しかけながらスカーフの男が呆然としている男達に近づく。

「だってさぁ、考えてもみなよ。あんた達が()()この酒場で飲んでいる時に、()()ディーゼル侯爵様がこの酒場にいて……なんて、あると思う?」

「何!?」


ザッと周囲にいた客達が、男達を囲む。

「諦めた方が良いよ。」

「じゃあ、お前を盾にするだけだーーっ!!」

と、叫びながら掴みかかりに来た熊男をスカーフの男は、熊男の腕を取り勢いそのまま一本背負いを決め、熊男はのびた。

「このヤロー!」

「やってやる!!」

と、次に来たのはドワーフの男と細い男。

スカーフの男は、見たことのない剣を取り出し、両手で剣を持つと見たこともない構えで2人を討ち取った。


「グッ……。」

「ガハッ!」


「安心してよ、峰打ちだから。まっ、骨ぐらいはいってると思うけど。」

と、スカーフの男が言うと同時に2人の男が倒れる。そしてスカーフの男は、フッとその場からいなくなり気づいた時にはローブの男の背後に立ち、詠唱中の男の首に手刀を決め意識を刈り取った。






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