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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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414.エットゥの街

最初の国は、ドワーフの国のようですよ

「ツヴェルク、キターーーーッ!!」


『皆んなが驚くから、いきなり叫ばないの!』

と、パールから注意されるが、そんなことはどうでもいい。私は、初めての現世の他国に興奮していた。初めての国はドワーフの住民が多い国、ツヴェルク国。そしてここは、国境の街、エットゥ。

入国審査を待つ間に辺りを見ると、目の前には大きな川とそこに掛かる跳ね橋とどこまで続いているかわからない高い塀。

「どんな食べ物があるかなぁ〜?」

『俺、肉が良いっす!』

と、メテオ。

『僕は、スイーツ!!』

と、ロッソ。

『肉一択よ!』

と、パール。


「次っ!」

食べ物の話をしていると私達の番になった。

「エグザリア王国から参りました。冒険者のジョアンです。」

と、告げて冒険者ギルドカードを提示する。

今の私の格好は、髪の毛を肩まで切ったので1つに結んである。皇太后様から頂いた身元保証書はあるが、入国の時は変声チョーカーは外してジョアンとして審査を受けることにした。

私のギルドカードを何かの魔道具に翳し、よし!と確認した門衛さんは、私と一緒にいるパール達を見る。

「連れている魔獣は契約獣か?」

「はい。契約獣プレートはここに。」

パールは首元、スノーは耳、ロッソは手、メテオは足首。ベルデは、精霊なのでプレートはない。しかも、旅に出て分かったことは妖精ver.は他の人には見えないらしい。とは言っても、見える人に見えるらしいけど。

「問題ないようだな。ようこそ、ツヴェルク国へ。」


「ありがとうございます。」

と、目を見てお礼を言ってから、頭を下げる。門衛さんは少し驚いた表情を見せた後、豪快に笑った。

「ガッハッハハハ。あーいや、すまん。俺はこの顔のせいか、いつも目を逸らされるからお嬢さんの様に真っ向から目を合わせてくるのは珍しくてな。特に女性や子供は。」

門衛さんは、ドワーフだからか身長は小柄だが、がっしりとした体格。そして浅黒い強面に拍車をかける髭。でも、よく見るとつぶらな瞳が可愛い。

「そうなんですか?任務に真面目にあたっていると目付きが鋭くなるからですかね?普段は優しそうですけど。」

と、言うと目を見開く門衛さん。

「すげーっ、団長のこと初見でそこまでわかる人、なかなかいないっすよ。」

と、ギルドカードを調べる魔道具の所に座っている門衛さんが言う。


「えっ!?団長さんだったんですね。知った様な口を利きました。すみません。」

と、謝る。

「いや、ありがとう。初対面だと怖がられる方が多くて、そんなこと言われたのは嫁以来だ。」

団長さんの顔は少し赤く、照れているようだった。

「うわっ!!団長が照れてる。珍しい〜!これは、皆んなに言わなきゃ……イデッ!!」

もう1人の若い門衛さんの頭の形が変わるんじゃないかというぐらいの、拳骨が落とされていた。

「そうだ。ジョアン嬢は、宿は決めてあるのか?」

「いえ、まだです。これから探す予定です。」

「宿の条件などあるのか?」

「あー、契約獣が一緒で良い中級レベルぐらいが良いですね。どこか、お薦めあります?」


「大通り3本目の角を左に曲がると『プリマ』と言う宿があるっす。女性の店主で宿は綺麗だし、旦那が元団員で団長ばりに強面っすけど、その分安心して泊まれるっすよ。」

と、若い門衛さんが教えてくれた。

「ありがとうございます。じゃあ、そこに行ってみます。あっ、そこお風呂あります?」

「ああ、大丈夫だ。」

私達は、お礼を言い宿を目指した。


エットゥの街並みは木組みの家々が並び、オレンジ色で統一された屋根とパステルカラーのカラフルな壁面がとっても可愛らしい。道路は石畳で木組みの家と相まって絵になりそうだ。

大通りをしばらく歩き、教えてもらった3本目の角を左に曲がると、看板に『プリマ』と書いてある宿が見えた。

『プリマ』の扉を開けて中に入ると、木のぬくもりを感じさせる綺麗な宿だった。門衛さんがお薦めするわけだ。


「いらっしゃい。」

中を見渡していると、扉の奥から女性がでてくる。年の頃は50代ぐらいで穏やかな笑顔がどことなく暖かさを感じる人。

「部屋を借りたいんですけど空いてますか?」

「空いてるよ。契約獣と一緒で良いかい?」

「はい。それから馬もいまして、今、入り口前にいるんですけど。」

「じゃあ、馬は後で裏の厩に連れてっておくれ。朝食付きで3500D(ダラー)だよ。馬の餌代も含めてね。」

「あっ、お金……すみません。ゴルドしか持ち合わせがなくて。えっと、換金ってどこでしたらいいですか?」

「あー、王国からかい?じゃあ、ゴルドでも大丈夫だよ。ただ、ゴルドが使えるのがエットゥだけだから冒険者ギルドか商業ギルドで換金しておいた方がいいよ。」

と、店主さんが親切に教えてくれた。


ダラーとゴルドのレートは一緒なんだ。

3500G(ゴルド)ってことは、小金貨3枚と大銀貨1枚か。

王都に近づけば物価は上がるんだろうな〜。


取り敢えず2泊お願いして受付の手続きを終えたら、スノーを厩に連れて行った。そのあと一旦部屋へと行く。部屋はベッドと窓側に小さなテーブルと椅子が1脚。シンプルな部屋だったけど、ベッドカバーやカーテンなどはセンスがよく、とても心地がいい。

「ん〜。部屋も素敵だしここに決めて良かったね。」

『ちょっと寝ないでよ。ギルドで換金するんでしょ?』

と、パール。

『あと来る途中にあった屋台!約束したでしょ!』

「あー、したね〜。行く〜?止めとく〜?どうする……。」

そう言いながら、私の瞼はどんどん下がっていった。


「グハッ……。」


『寝ないでよー!!』

と、ロッソに怒られた。

「うぅ……。い、いだい……。ご、ごめん。起きる、起きるから……鳩尾にドロップキックは止めて……。ダメージデカいから。」

ロッソの飛び蹴りが鳩尾に決まり、ベッドで悶える私。お陰で完全に目が覚めたので、ギルドに行くことにした。




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