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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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40.おばあちゃん、啖呵を切る

「お嬢、落ち着いたか?」

エイブさんの膝の上で、お茶を飲む。

大きな手で、不器用なりに頭を撫でてくれる。

「うん、大丈夫」

「お嬢、屋敷の人間は誰も気持ち悪がったりしねーよ。驚きはしたがな。ここ最近のお嬢を見てたら、納得したんだよ。

ただ、みんな心配なんだよ。ウチの領なら守ってやれるが、学院に行くようになると守れないからな」

「そうそう、ただでさえ可愛いのに、とんでもないスキルと前世の記憶持ちなんて、誰でも囲いたくなるっすよ」

あー確かに、お父様たちも王宮にーとか言ってたわねぇ。


「でも、今日から護身術を訓練するんだろ?俺たちも何かあったら手伝ってやるからな」

「ん?俺たち?」

「あれ?知らないんすか?料理長は、元魔物討伐団。副料理長と俺は、元冒険者っす。ランクA止まりっすけどね。アニーは、サラと訓練中っす」


冒険者!?

ファンタジーきたーーーー!!本当にいるんだ。

ってか、ランクAって凄いんじゃないの?


「ランクAってスゴイね。でも、なんでココで料理人してるの?」

「あー、俺はアーサーと一緒にパーティー組んで、色々と旅しながら冒険者やってたんすけど、ランペイル領で依頼を受けた時に、私兵団と知り合いになって領民に対しての考えとか、仕事への姿勢とか色々聞いていたら感銘を受けて、ここの領地で根を張りたいって思ったんすよ。でも、ここの私兵団の実力が半端なくて、俺らじゃ足手まといになるなぁーって。だから、そいつらの後押し出来るならって、料理人として置いてもらってるんす」

「へぇ〜、そうなんだ。でも、自分の実力を見誤らないで、自分の出来る事を探してやるってスゴイね。縁の下の力持ちってことでしょ?その考え方が出来る2人を、私、尊敬するよ」

「っ!!」

ベンが急に背を向けた。


あれ?私、何か失礼なこと言っちゃったかしら?

えっ、どうしよう?

オロオロしていると、エイブさんに頭をポンポンされた。


「大丈夫だ、お嬢。ベンは嬉しいんだよ」

「嬉しい?なんで?」

ベンが振り向くと、目元が赤くなっていた。

「お嬢さんみたいに、面と向かって俺らの考えや行動を、尊重してもらった事ないんす。冒険者仲間からはバカにされるし、ランクAの持ち腐れだって言われるし」


「はぁー!?何?持ち腐れって、自分がどうしようが勝手でしょーよ!誰かの許可いんのかよ!!文句あんなら、師匠たちより上のランクS取ってから言えって!!どーせ、自分の実力じゃランクAも取れねー奴が言ってんだろうけどよ!」


「「……」」

2人の目がまん丸になってる。


はっ!!やっちまったーー!!

しっかりと前世の口調で、啖呵切っちまったー。


「おほほほ。(わたくし)としたことが、つい心の声が……」

「「あはははーーっ」」

「お嬢、それが素なのか?それとも前世の名残りか?」

笑いすぎて涙目になっているエイブが聞いてくる。

「えっ?何の事でしょう?(わたくし)には、わかりませんわ。おほほほ」

「お嬢さん、もう無理っすよ。あんだけ、しっかり啖呵切ってんだから」


んー、確かに、もう誤魔化せない。

それに、厨房の中だけでも、素が出せたら楽かも。


「ははっ、無理かー。えーっと、前世の名残りだね」

「お嬢、もう隠さなくていいぞ。厨房(ここ)ではな」

「ありがとう、エイブさん。ここだけでも、楽になれるのはありがたい。前世では、平民だったのに……令嬢って超面倒くさい」

「あー、まー、そこは諦めろ」

「ははっ、だね。あっ、師匠、マジでカスの言ってることなんて無視しときゃー良いよ。どうせ負け犬の遠吠えなんだし」

「お嬢さん、カスって」

「あっ、えーっと、クズ?」

「あはは、あんま変わらねー。でも、ありがとうございます。何か吹っ切れました」

「なら、良かった。あっ、この口調の事は、お父様たちには内緒でお願い。バレたら、ヤバい」

「どーしよっかなぁー?」

ベンがふざける。


くーーーっ。弱味握られてしまったわ。




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