38.やる事いっぱい
美味しいのか疑っている3人に、ミランジアイスティーを作る。
ちなみに、いつも飲んでいて美味しいと思っていたフルーツジュースは、師匠がスキルの【身体強化】を使って搾っていた。
イケメンの生搾りジュース……売れそう。池袋辺りで。
「お嬢様、美味しいですぅ」
「うっまー!」
「こんなにミランジジュースと紅茶が合うなんて」
「でしょー?」
私が考えたわけではないが、ドヤ顔をする。
*****
今日のアフタヌーンティータイムは、お父様、お母様と私の3人だけ。お兄様たちがいないと、なんか寂しい。
「今日はラムブレープのパウンドケーキとミランジアイスティーです」
「ん〜、ジョアン美味しいわぁ。このパウンドケーキ、今度お茶会で出しても良いかしら?」
「はい、もちろんです。お母様」
「ミランジアイスティーもいけるな。ミランジと紅茶がこんなに合うなんて知らなかったよ」
「気に入ってもらって嬉しいです。お父様」
アフタヌーンティータイムも終わりの頃。
「そうだ、ジョアン。そろそろ護身術や乗馬を習ってみないかい?」
護身術?乗馬?
どちらも前世でやりたいと思いつつも出来なかった事じゃなーい。そりゃ、もちろん
「やります!!やりたいです!!是非やらせて下さい!!いつ?いつから始めますか?」
「ちょ、ちょっと落ち着きなさい、ジョアン。もしかして……前世でやっていたとか?」
「いえ、前世でやりたいと思いながら出来なかった事だったので、つい興奮してしまいました」
「あぁーそういう事か。じゃあ、明日から始めるで良いかな?」
「お願いします」
わぁー楽しみだわ。
護身術?合気道のようなものかしら?さすがにプロレス技とかじゃないわよね?でも、護身術や乗馬もそうだけど、この国のことも知りたいわ。
「あの、お父様、この国の歴史や地理、一般常識も学びたいです」
「おぉー、自分から学びたいとは偉いな。ジーンなんて何度も言って、やっと8才からだったぞ」
いや〜そこは、中身が82才だからよぉ。
「じゃあ、それも一緒に学ぶか。やる事いっぱいだが大丈夫かい?」
「はい、自分が気になることは全てやりたいです」
あっ、そう言えば、お父様に聞きたいことがあったんだったわ。
「お父様、お願いがあるんですけど」
「ん?なんだい?」
「我が家の私兵団って、私、見たことないんです。今度、見たいです」
「あー、ジョアンは見せたことなかったか。よし、今度の土の日に、見に行こうか」
「ありがとうございます。嬉しいです。あと、もう一つあって……」
「なんだい?」
「今度、商人の方がいらしたら私も商品を見たいんです」
「商人?」
「はい。前の、あっ、前世の食べ物や調味料があるか知りたいのと、鋳物職人の方を紹介してもらいたいんです」
「何で、鋳物職人なの?ジョアン」
「調理器具を作って貰いたくて」
「調理器具?」
「はい、焼菓子の型とかハンドミキサーとかー」
「「ハンドミキサー?」」
「えーっと、自動泡立て器?」
「へぇ〜、それがあると便利なのね?」
「はい、とても便利なんです!!」
「じゃあ、商人と会ってもいいが、必ずエイブを同行させること。守れるかい?」
「はい」




