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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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346.酔いすぎ注意

飲み過ぎはダメですよ〜。

「ブラッド、大丈夫かな?」

「大丈夫じゃね?まあ、いつもより飲んではいたな。そう言う、ジョアンは飲まねーの?」

リキが言うには、ブラッドはあまり強くないらしい。


「え?飲んでるよ?」

「は?それ、水じゃねーの?」

「違う違う。ドワーフ族の知り合いから貰ったお酒。飲んでみる?」

「あー、じゃあ。……ゴクッ……くぅぅぅわぁーー!」

「リ、リキ、大丈夫か?ほら、水飲め!」

慌ててカリムが水を渡す。

ゴクッゴクッゴクッ「何なんだよコレ?喉が焼けるかと思ったぞ。」 

「『火酒』だからね。」

「『火酒』って、ドワーフの秘酒だろ?貰ったってすげぇな。」

エドが、言う。


ツヴェルクの『火酒』は、ウォッカに近い味わいで、アルコール度数が強いドワーフ族の秘酒らしい。貰った時にサーチしてみると、アルコール度数99度。スピリタスよりも高かった。そんなお酒を何故持っているか?それは、ガンダルさんに貰ったから。去年の冬に、私が『どぶろく』を前世以来に作り、それを飲んだガンダルさんが気に入り、お礼と称して『火酒』をくれた。


「ってか、それを平然と飲んでるジョアンがすげぇよ。」

そう言うリキは涙目だ。

「そうかなぁ?でも、やっぱり男の人にとっては、酒に弱い女の子の方が好ましい?」

「んー?何でそう思うんだ?」

エドが『火酒』をチビチビ飲みながら言う。

「前に、守ってあげたくなるような子を紹介してくれって、先輩に言われたから。」

「それは、人によるんじゃね?ジョアンとベルは違うけど、貴族のご令嬢って、大体は何でもやってもらうのが当たり前って思ってるだろ?俺は平民だから直接関わりはねーけど、アレを対応すんのは無理だな。」

と、ソウヤ。

「確かにな……それは、俺も思う。一般科の時、他のクラスの女子から、相手の家格が上だからか、さも当たり前のように「付き合ってあげますわ。」って言われた時には、は?ってなったし。」

と、エド。

「あっ、それ俺もあった。あと、俺の前を歩いていて、必ずハンカチを落とすヤツとか?」

と、カリム。

「あーあるある。あと、偶然を装って至る所に現れるヤツ。あれは怖かった……。」

「「「「うわぁ……。」」」」

カリムとエドの話に、ソウヤとリキ、私、ベルはドン引きだ。


「……ごめん。まさか私の質問から、そんなホラー話になると思わなくて。お詫びにカクテル作るから。」

そう言って、ストレージからシェイカーとミランジジュース、リップルジュース、氷を出す。

「カクテルって何?」

と、ベル。

「えーっと、お酒とジュースを混ぜたドリンク。もちろん、ノンアルコールでジュースとジュースを混ぜることも出来るよ。」

そう説明しながらも、シェイカーに氷と火酒、ミランジジュースを入れシェイクする。


シャカシャカ「はい。スクリュードライバー。」

「あっ、さっきと全然違う。飲みやすい。」

「うっま。」

「でも、美味しいー。」

シャカシャカ「次は、ビッグリップル。火酒とリップルジュースだよ。」

「あっ、うまっ。飲み過ぎそうだな。」

「俺は、甘すぎてダメだな。」

「じゃあ、辛口の方が好きなエドにはコレかな?……はい、火酒マティーニ。」

「あっ、コレ良い!コレは何と混ぜたんだ?」

「ドライベルモットだよ。」


「なあ、ジョアン。俺にも俺にも。」

「んー、リキは甘めが良いんだよね。……じゃあ、コレは?」

「ブゥーーーッ!まっず!!な、な、何だよコレ?」

一口飲んで吹き出したリキ。

「あっははは……クッククク、あははは。」

それを見て、何かツボって爆笑する私。

「あっ、コレなんか油浮いてるぞ?……あっ、焼肉のタレか?」

「あははは。ソウヤ、せいかーーい!あははは、ヤバ、腹筋痛い。クッククク、あははは。ウケる。」


「なあ?ベル、もしかして……ジョアン酔ってるか?」

「たぶん……。いつも、寮だとそんなに飲まないから。」

「アイツずっと火酒飲んでたんだろ?そりゃ、酔うよ。」

「笑い上戸なんだな。まあ、楽しそうで何より……。」

「いやいや、俺、被害者だから。」

上から、エド、ベル、ソウヤ、カリム、リキ。皆んなが話している間、私は笑いが止まらなかった。

その結果……


バシャ「きゃっ!?冷た!!」

「「「「「えっ!?」」」」」

気づいたら、私は頭から冷水を被っていた。

「えっ?なに?なんで?」

上を見ても、満天の星空が輝いてるし、濡れているのは私だけ。

『ジョアン、良い加減にしなさい!飲み過ぎだから。』

パールの水魔法だった。

「パール……。」

『飲んで楽しくなるのは良いわよ。でも、人に迷惑をかけるのは、どうかと思うわ。』

「ごめんなさい……。」

『謝る相手が違うでしょ?』

「……リキ、ごめん。」

「えっ、あっ、いや、大丈夫だから。うん。」


『ジョアン、ほどほどにね〜。』

ロッソが言いながら、火魔法と風魔法のミックスで温風を出して、私を乾かしてくれた。

「ありがとう、ロッソ。」

『姐さん、パール姉に感謝っすよ。パール姉がやらなきゃ、今頃、奥方の朝まで説教コースっすよ。』

メテオに言われて、お母様の方を見ると、笑顔でこちらを見ていた。もちろん目は笑っていない。その近くではお父様とフーゴは苦笑い、ライラは呆れ顔だった。

「っ!!ありがとう、パール。止めてくれて。」


「なあ、契約獣って契約主の世話もするの?」

『ジョアンだからよ。』

『うん。ジョアンだからね。』

『姐さんっすから。』

「皆んな、酷い。」

『『『酷くない!』』』

「「「「「「「あははは。」」」」」」」


「ところで、明日の予定聞いても良いか?」

「おっ、さすがカリム。そうそう、それ聞きたかったんだよ。」

カリムが明日の予定を聞いてきた。ソウヤ達もそれが気になっていたらしい。

「えーっと、明日は7刻30分に朝食。私兵団との鍛練は、その後かな。午後からは……冒険者ギルドでも行く?」

「「「「「「「行く!」」」」」」」

「じゃあ、そんな感じかな?」

「了解。ダガー達には……明日で良いか。」

「そうだな。」


こうして、ジェネラルの初めての夜はふけていった。



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