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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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317.同級生の家族

フレッド殿下と踊った後は、続け様にボンやカリム、エド達と踊った。


カリムと踊った後は、紹介して貰ったカリムパパのスミス伯爵様とガラス容器の事で、お互いにお礼を言い合い、コメツキバッタ状態に。

四角のガラス容器の使い道としては、収納しやすく下拵えにも使えるし、残った料理を保存するにも、オーブン料理をするにも、ガラスなので臭いもつかないので最適。そして、テリーヌやティラミスのような料理やスイーツの場合、側面が見えるので見た目が綺麗!を、売り文句にどうですか?というと、伯爵様が文言に食いつき、伯爵夫人がティラミスに食いついた。

デビュタント後、しばらく王都にいるということで、改めて後日話し合いをする事になった。


その後、エドファミリーにも紹介された。レルータ伯爵様とエルフである伯爵夫人は、エドを見てもわかる様に、美男美女だった。ちょうど近くにお母様もいたので、一緒に挨拶をしたら、伯爵夫人がお母様とは知り合いで、特製ドライフルーツ信者だった。私は勝手に、エルフは太らないと思っていたが、そうではないらしい。特に出産後は痩せにくくなり、ストレスで食べてしまっていたらしく、悩んでいたらしい。ドライフルーツが私の特製と知り、とても感謝された。ちなみに、スミス伯爵夫人もドライフルーツ信者だった……。


陛下や宰相様、お父様達とも踊り、ようやくダンスから解放された時には、私の脚は産まれたての子鹿の様に、膝が笑っていた。

「ジョアン、大丈夫?」

「うぅ……ダイジョバナイ……。やっぱりヒールは、苦手だ〜。」

ベルと話していると、婚約者としての挨拶回りが終わったのか、キャシーちゃんがやって来た。

「どうしたの?ジョアン。」

心配そうに私を見る。

「あっ、キャシーちゃん、脚がヤバいの。ってか、キャシーちゃんもお疲れ〜。座って座って。」

空いていた椅子にキャシーちゃんを促す。


「さっきは、本当にありがとう。ジョアンのお陰よ。」

キャシーちゃんが私にお礼を言う。

「ん?あー、公開プロポーズ?私は、ただのきっかけを作っただけだよ?」

「それでも、ジョアンじゃなかったら無理だったわ。」

「確かに、ジョアンじゃなかったら、不敬で捕縛されてたと思うわ。私だって、見ててヒヤヒヤしたんだからね。」

「あはは、ごめんごめん。もうちょっと、上手くやるつもりだったんだけど、つい売り言葉に買い言葉で。」


私がダンス中に、あんな話をしたのは、先日会った時にキャシーちゃんが不安そうな顔をしていたから。理由を聞いたら、アルバート殿下が自分のことを、どう思っているかわからない。でも、自分では聞く勇気がない、と言うことで、お節介ババアな私が聞くことに。


「ううん、感謝しているわ。ところで、今週末2人共何か用事あるかしら?」

「「ないよ。」」

「じゃあ、良かったら我が家のお茶会に招待したいのだけど。」

「ありがとう。喜んで行かせてもらうよ。」

「私も。……でも、他にもお客様いるんでしょ?」

ベルが心配そうに言う。ベルの人見知りは、以前よりは治ってきた。でも、小さい頃のお茶会での嫌な思い出があり、今でもお茶会を苦手としている。

「それは大丈夫よ。厳選した人だけだから。」


私達の話を聞いていたのか、こちらをチラチラと見ていた令息令嬢達が息を飲むのがわかる。その後ろでは、保護者達もこちらを見ている。

それもそのはず、公爵家で第一王子の婚約者であるキャシーちゃんのお茶会に呼ばれれば、ステータスとしたら最高だ。

平和な我が国も、政治的な観点では小さな争いが絶えない。それも、未だ王太子が決まっていない為だ。アルバート殿下を推す、第一王子派閥と、フレッド殿下を推す、第二王子派閥。


余談だけど、エグザリア王国にいる貴族は公爵が3家、侯爵が6家、辺境伯4家、伯爵22家、子爵30家、男爵43家。

全ての家が、どちらかの派閥に入るわけではない。現に我がランペイル辺境伯家と、ベルのバースト伯爵家は中立を維持している。


その中立の家の令嬢が、アルバート殿下の婚約者とお茶会をする事は、周りの保護者にとっては政治的に気になることだった。でも、令息令嬢としては、3人が一般科で同じクラスで仲良かったのも知っている。他のクラスにいた人間にとっては、アルバート殿下の婚約者のキャサリーヌ、『騎士科の4姉妹』で人気が出てきたジョアンとベルは憧れの的だった。出来ることなら、お近づきになりたいと思うほどに。しかも、ジョアンとベルには、未だに婚約者はいない。だから、尚更令息たちは親達に、どうにか接点を持つ様に、発破をかけられていた。


「キャサリーヌ、ここいたのか。」

そうキャシーちゃんに声を掛けてきたのは、ダンディーなおじ様。その男性が、エスコートするのは、とても綺麗な女性。

「お父様、お母様。お兄様も。」

キャシーちゃんのパパ&ママの、カッター公爵様と公爵夫人。後ろには、王子様より王子様な、キャシー兄のルーカス様。私とベルは、立ち上がり無言でカーテシーで挨拶をする。

「キャサリーヌ、紹介してくれるかい?」

「はい。私の親友のジョアン・ランペイル様とベル・バースト様ですわ。」


「お初にお目にかかります、ランペイル家が長女、ジョアン・ランペイルと申します。キャサリーヌ様には、いつも良くして頂いております。」

「お、お初にお目にかかります、バースト家長女、ベル・バーストと申します。わ、私も……キャサリーヌ様には、いつもお世話になっております。」

と、2人で挨拶をする。

「こちらこそ、キャサリーヌから2人の話はよく聞いているよ。これからも、良き友としてキャサリーヌを宜しく頼む。」

と、キャシーパパ。

「「ありがとうございます。」」


「今、我が家のお茶会に招待していたのです。」

「まあ、そうなの?ぜひ、いらして欲しいわ。私も、お2人とはお話ししたいもの。」

と、キャシーママ。

「「ありがとうございます。」」

「ランペイル嬢、バースト嬢、デビュタントおめでとう。ランペイル嬢とは、久しぶりだね。母はね、ランペイル領の料理や服飾などに興味があるそうだよ。それと、バースト領の米についてもね。」

と、ルーカス様。

「ありがとうございます、ルーカス様。では、公爵家に伺う際に、何点かお持ちしようと思います。」

「わ、私も、我が領の米で宜しければ、お持ち致します。も、もちろん、レシピも添えて。」

「まあ、本当?嬉しいわ。期待して、待っているわね。」

「「はい。」」

その後すぐ、キャシーファミリーは、その場を後にした。見目麗しい3人が動くと、こちらを見ていた人垣が分かれて道ができる。


モーゼの十戒のようだわ……。




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