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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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315.デビュタントパーティー

デビュタント当日。今日は、朝から戦場だった……。

いつも学院に行くよりも早くに起こされて、朝から湯浴み。髪から足の爪先まで念入りに洗われ、全身に香油をつけてマッサージを受け、マニキュアをして、顔のパックから背中のパックまで。

不思議なのは、脚のマッサージ。ドレスで隠れる部分にまで必要なのか聞きたかったけど、サラたちの真剣な顔を前にしてたら、何も聞けなかった。


髪を乾かしながらサンドウィッチと小さめのケーキを食べて、

化粧をして、髪を結いあげる。ロッソの石と真珠の髪飾りを付けて貰った。

次にドレスの着付け。通常はここでコルセットを着けるが、私の腹筋は割れている為締める必要性がない。だから、ニッキーさんと開発したブラを着けて、胸を寄せて上げる。そして、ペチコートの上に幾重にもなったパニエ。ちょっと重い……。その上に、オフショルダーのドレスを着て、形を整える。

首には一連の真珠のネックレス。耳にも同じ真珠のピアス。

ロンググローブを最後に嵌めて、扇子も持って、これでようやく完成。


サラに手を引かれ、お父様達が待つリビングに行く。リビングでは、両親をはじめ、祖父母、ジーン兄様、双子ちゃんがいた。ノエル兄様は、ホールの警備にあたる為既に王城にいるそうだ。


「「姉様〜。」」

双子ちゃんが私に駆け寄る。

「本当に綺麗です!」

とフーゴ。

「姉様、見違えました。普段よりずっといいです。」

と、ライラ。

「ちょっと、ライちゃん?普段の私はダメみたいに聞こえるけど?」

「だってー、素材は良いのに、オシャレに無頓着なんですもの。」

「……。」


ライちゃん、辛辣だわ……。

確かに、私よりライちゃんの方がオシャレに敏感だけど……。


「姉様、僕は普段の姉様も好きですよ。」

「ちょっと、フー。そうやって姉様を甘やかしてはダメよ。」

「うっ!ご、ごめん。」

フォローしたフーゴまで、ライちゃんに怒られちゃった。

「はいはい、フーもライもそこまで。ともかく座ろうか?」

ジーン兄様に手を取られ、ソファーに座る。


「あぁ。綺麗だよ、ジョアン。今夜の主役はお前に決まりだな。昔から愛らしかったが、今晩は一際光り輝くようだ。」

「ありがとうございます、お父様。」

「今夜は俺がエスコートするからな。」

「ありがとう、ジーン兄様。……踊れるの?」

「た、たぶん。一応、練習はしてきたぞ。それより、ジョーは大丈夫なのか?」

「た、たぶん?」

「あなた達ねぇ……。」

お母様は呆れ顔、お父様、お祖父様、お祖母様は苦笑している。



*****



きらびやかなホールには、沢山の若者が溢れてる。

夜の社交界デビューをしたばかりの初々しい男女を大人達が微笑ましく眺め、王宮楽団も若者向けの曲を奏でている。


「スタンリー・ランペイル辺境伯様並びに、マーガレット・ランペイル様、ジーン・ランペイル様、ジョアン・ランペイル様ご入場。」

ジーン兄様にエスコートされ、お父様達とホールに入れば、知り合いは皆んなにこやかに微笑んでくれる。

そのまま王族の方に挨拶をする為、並んでいると

「ジョー、ほら、あそこ。」

ジーン兄様に小声で言われて、視線の先を見ると、ノエル兄様がこちらを見て……泣いていた。

「えっ!?ノエル兄様、泣いてる?なんで?具合悪いの?」

「あー、違うな。アレは、感動してるんだ。ジョーがデビュタントだから。しかも、ずっとジョーをエスコートしようと思っていたのに、警備にあたることになったから……。」

「そうなんだ……。あとで、ダンス出来たら良いけど、無理かな?」


「大丈夫よ、踊れるわ。魔術師団の団長には、許可を貰っているから。」

と、私の前をお父様にエスコートされたお母様が、振り向いて言う。

「そうなんですか?」

「ええ、だって、ノエルってば、デビュタントで踊れないなら辞めるとか、わけのわからないこと言ったらしく、今の団長から報告受けたわ。本当に、あの子ったら恥ずかしいったら。」

「あは、はは、は……。」


ノエル兄様、何やってんのよ。子供か?

もう、渇いた笑いしか出ないよ。


「まあ、それだけ、ジョアンは愛されているんだよ。」

とお父様。

「……ええ、嬉しいです。」

再度、ノエル兄様の方を見て、小さく手を振ると、ノエル兄様はブンブンと大きく手を振る。


大型犬が尻尾振ってるように見えるのは、私だけかな?


陛下や王妃様に挨拶を終えて、陛下の祝辞が終わると、いよいよダンスが始まる。まずは、陛下と王妃様、アルバート殿下とキャシーちゃん、フレッド殿下とエレーナ先輩の3組がホールの中心で踊る。


「キャシーちゃん、綺麗〜。」

「うんうん、さすがだよね。エレーナ先輩も、いつにも増して格好良い!」

「まさか、婚約者に収まると思わなかったけど、幸せそうだから、良かったね。」

「女子会でお祝いしないとね。」

ベルファミリーと合流して、キャシーちゃんとエレーナ先輩のダンスを見ている。


王族のダンスが終わると、割れんばかりの拍手が送られる。

「じゃあ、ジョー行くぞ!気合い入れろ。」

「はい!」

エスコートしてくれるジーン兄様と話していると

「ちょっと、2人共討伐に行くんじゃないわよ!威圧を消しなさい!」」

「「はい……。」」

お母様に怒られ、お父様とベルファミリーは苦笑していた。


ジーン兄様とのダンスが終わると、ノエル兄様が足早にやって来た。

「あぁ、ジョー。綺麗だよ。」

「ありがとう、ノエル兄様。お仕事中にごめんなさい。」

「あー、良いの良いの。本当はエスコートしたかったのに……。」

「しょうがないですよ。でも、お仕事優先のノエル兄様は格好良いですよ。魔術師団の制服も素敵です。」

「そ、そう?なら、仕事で良かったのかな?」

「はい。格好良いノエル兄様が見れましたから。」




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