178.お祖父様たちと王都へ
グレイはちょうどお父様の執務室に入るところだった。
「グレイ、今いい?」
「どうなさいました?お嬢様。」
「あのね、タイキさんっていつ来るかな?」
「タイキですか?先日の報告では、2ヶ月後あたりとありましたが?どうしたんですか?」
「ちょっと、欲しい物があっただけなんだ。」
「何が欲しかったんですか?」
「餅米と小豆。餅米は普通のお米とは違うので、小豆は豆の種類なんだけど……。」
「餅米と小豆……もしかしたら王都にあるかもしれません。」
「えっ!?本当?どこに?」
「前にお嬢様が行ったスパイスの店ありましたよね?」
「あっ、裏道の?」
「そうです。あそこのご主人がタイキの親戚だったはず。」
「ご主人ってあのおばさん?」
「はい、そうですよ。」
「行きたい!行きたい!あっ、お父様に許可貰わなきゃ。」
「ふふふっ、そうですね。さぁ、どうぞ。」
グレイに執務室のドアを開けてもらい、中に入る。
「お父様、お願いがあります。」
「ん?どうした?ジョアン。」
「王都に行きたいです!スパイス屋さんに!!」
「どうして、また?」
「餅米と小豆が欲しいんです。本当はタイキさんを待ちたかったんですが、来るのがまだ先という事で王都のスパイス屋さんに買いに行きたいんです。」
「なるほど……。では、誰か付き添いを付けないとな。ジョアンはリビングで待っていてくれるか?」
「はーい。」
執務室を出てリビングに行くと、いつも通りお祖父様がうたた寝、お祖母様が読書をしていた。
「あら?ジョアン。どうしたの?」
「はい。お父様に、王都に行きたいとお願いしたら付き添いを決めるまでリビングで待つように言われて。」
「王都に?どうしたの?」
「スパイス屋さんに買いに行きたい物があって。餅米と小豆なんですけど。」
「スパイス屋さんって裏道の?」
「はい。知っているんですか?」
「もちろんよ。ナオのところよね?」
「ナオさんと言うのですか、あの店主さん。」
「ええ、一度サチコから紹介されたのよ。じゃあ、私が行こうかしら?王都も久々だし。」
「ホントですか?うわ〜、お祖母様と王都行きたいです。……お祖父様も行きますか?」
「……じゃ、ワシも行こうかのぉ。ジョアンには、寝たふりがきかんのぉ。」
「「うふふふっ。」」
そこへちょうどお父様とグレイがやって来たので、お祖父様お祖母様が付き添いをしてくれると報告をした。お父様もお祖父様たちにお願いするつもりでいたようなので、改めて許可を貰い転移扉で王都の屋敷へ行く。
*****
「お帰りなさいませ、大旦那様、大奥様、ジョアン様。」
「「「「「「「「「お帰りなさいませ。」」」」」」」」」
「おう、ただいま。久しいの、リアム、マーサ。息災か?」
「「はい。」」
「マーサ、あなたちょっと痩せたんじゃない?大丈夫?」
「大奥様、実はジョアン様のドライフルーツを頂いてから、スッキリする様になったんですよ。」
「うふふふっ。さすが、ジョアンのドライフルーツね。」
「で、今日はどちらへ?」
「ああ、裏道のスパイス屋……じゃったかの?ジョアン?」
「はい、そうです。」
「まあ、ナオの店ですね。よろしく伝えて下さい。」
「あれ?マーサ、知り合い?」
「ええ、子供が同級生でして。」
「ママ友だったんだね。」
「ママ友……で、ございますか?」
「あー、前世ではね、子供のママ同士が友達ってことを言ってたの。」
「なるほど、では、そのママ友でございます。」
「そろそろ、学院に入学するための準備もしないとね。」
「準備?」
「そうよ、制服や寮で必要な物を買わないといけないじゃない?」
「あっ、そうですね。制服、どんなのかな?」
「あら?サラやアニーに見せてもらっていないの?あの子達通う時は制服で行っているはずよ?」
「あー、2人が学院に行く時間に私が厨房にいて見てないです。帰ったら見せてもらいます。」
「朝から厨房に立つとは……本当に料理が好きなんじゃな。」
「はい。料理が好きなのもありますけど、美味しい物を食べるのと作った料理で皆んなが喜んでくれるのが大好きです。」
「わっはははは、さすがじゃな。ジョアンらしいわい。」
そんな話をしていると、目的のスパイス屋さんに到着した。
「いらっしゃーい。……おや?前にスパイスをたくさん買ってくれた子だね?」
「こんにちは〜。覚えていてくれたんですか?」
「そりゃあ、たくさん買ってくれた上に腰を治してもらったからねぇ〜。」
「あー、そう言えばそんな事ありましたね。えへへ。」
「……ジョアン?後で詳しく。」
「……はい、喜んで。」
「お久しぶりね?ナオ。」
「えっ!?ランペイルの大奥様?……じゃあ、こちらはランペイルのあのお嬢様?」
「えっと……あのとは?」
「いえいえ、悪い事ではありませんよ。その、マーサが会うたびに自慢しているので。誰に対しても優しくて、可愛らしいと……そう考えると納得ですね。」
マーサってば、何を話しているのかしら?
恥ずかしいんだけど……。
「で、大奥様、今日は何をお探しですか?」
「いえ、私たちはただの付き添いよ。欲しい物があるのはジョアンよ。」
「あのっ、餅米と小豆ってありますか?」
「ありますけど……もしかして、タイキの言う料理の美味い可愛い子っていうのもお嬢様ですか?東の国の食材を上手に料理できるっていう。」
「えっ!?タイキさんまで、私のこと話しているの?」
「ええ、サチ伯母も久々に気持ちの良い子に会ったって言ってましたし。私の親類が集まる、新年会で。」
「あぁ、サッちゃんまで……。」
「わっははは。ジョアン、皆んなに愛されとるのぉ。」
「ソウデスネ。」
東の国の食材などは、あまり需要がないから店頭には並べていないらしく、ナオさんはちょっと待っててと店の奥へ入っていった。
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