167.みんなからのプレゼント
その後、お父様の許可を貰い、ヴィーはノワールに試乗した。波長が合ったらしく、ノワールがヴィーの愛馬となった。
ブラウのことは、さすがにお父様も気になっていたらしく、それを聞いたお祖父様がファンタズモで鍛え直すと提案してくれたので、期限付きでファンタズモ行きが決まった。ブラウはかなり落ち込んでいたが、ゼクスとスノーの説得により渋々納得した。ファンタズモのお屋敷の馬たちは、なかなか気性が荒い。人間で言えば男らしい。ブラウがいい方向に変わってくれることを祈るしかないわね。
夕方に始まった私の誕生日会では、使用人を含む家族が祝ってくれた。
お父様、お母様からはドレスと靴、アクセサリー一式を。ノエル兄様からは学院で使えるようにと、名前入りの文房具セット。ジーン兄様からは冒険者ギルドのプレート用のシルバーのチェーンを。双子ちゃんからは私の顔を描いた絵を。お祖父様とお祖母様からは、木刀ではない本物の剣を。叔母様夫妻からは鍵付きの日記帳を。ヴィーからはアラン兄様と考えたと綺麗な水色の石のペンダント。
「ありがとう、ヴィー。綺麗な石だね。」
「これは肌身離さずつけろよ。」
「ほぉ〜、これは付与付きの魔石か。」
お祖父様がペンダントを見て言う。
「付与付き?」
「魔石に魔術が付与されているんじゃよ。」
「えっ!?じゃあ、高かったんじゃないの?」
「いや、その魔石は兄上と俺で獲ってきたやつだし。付与は母上に頼んだから。」
「は?獲ってきたって?」
「だから、魔獣から。兄上の休みに一緒に行ってきたんだ。で、この石が1番ジョアンにあうかなと思って。」
「ありがとう。アラン兄様にもお礼の手紙書くね。」
「ジョアン、近々また王城に呼ばれているからその時にアランドルフに会ったらいいだろう?近衛だし。」
「えっ?お父様……また呼ばれているの?」
「いや、私じゃなくジョアンが。」
「へっ?私?何で?」
「呼んでいるのはアイツじゃないぞ。王妃様だ。」
「あぁ、なるほど。わかりました。」
「わっははは。王妃様からの呼び出しを、あぁで片付けるのはジョアンぐらいじゃろうな。」
「「「「「「「「間違いない。」」」」」」」」
だって、王妃様って言っても親友の娘だしね〜。
まあ、私だって公の場ではちゃんとしますよ。
「あー、で、コレの付与だけど、解毒と結界だったかな?母上?」
「アランとヴィンスからは、その2つを依頼されたけれど追加で睡眠と麻痺耐性を付けといたわ。睡眠耐性については寝ている時間を短縮するだけだけどね」
「えっ!?4つも?ジュリー姉様が?」
「ええ、だってついでだったから。」
す、凄いわ。ついでだから付与を増やすって……ラノベ情報だとかなりの魔術の性能がないと付与できないのよね?
それを、ついでだなんて……ちょっとサンドウィッチの具材増やす感じで言えるジュリー叔母様すごいわ。
「ありがとう、ジュリー姉様。」
とジュリー叔母様にハグする。
「いいのよ。ジョアンちゃんの為だもの。これで学院に行っても安心ね。」
「ジョアン?ほら……。」
「えっ!?」
ヴィーに呼ばれて、振り向くと手を広げたヴィーがいた。
「……あ、ありがとう。ヴィー。……ハグは…‥無理。」
顔を真っ赤にして言うと
「「ぶっふぁはははは。」」
ジーン兄様とヴィーがお腹を抱えて笑っている。
「でも、ジョー?コレは必ず身につけておかないとだよ。」
「ノエル兄様?」
「学院では、僕らがいつも一緒じゃないんだ。だから、ジョーのこと守ってあげることが出来ない。だからこそ、アラン兄とヴィーがコレをプレゼントしてくれたんだよ。」
「そうだぞ!特にジョーは【無】属性だし、中には悪意があって近づくやつもいるからな。」
「うんうん、ノエル兄やジーン兄の言う通り。兄上もそれを心配してたからな。風呂でも外すなよ、寮は大浴場だからな。チェーンはプラチナだから。」
「う、うん。わかった。」
「お話し中、申し訳ありません。私共からもお嬢様にプレゼントを渡したいのですが。」
グレイが話しかけてきた。その後ろには、使用人たちが並んでいた。
ネイサンとザックからは、可愛らしいレターセット。これで、またベルに手紙を書くことができるわ。
ナンシーやサラをはじめとするチームメイドから、ジャケットなしの乗馬服とウエストポーチ。シャツはスタンドカラー、パンツは黒色。ウエストポーチは茶色で、ベルト通しがあり中にポケットが付いている。ミトを中心に、生地の素材から色々と考えて作ってくれたらしい。
チーム従僕からは、黒色の編み上げブーツとベルト。ベルトには何かを入れられる加工がされている。まるで銃弾ベルトみたい。
チーム料理人からは、ケーキとスパイスセット。スパイスセットは、小さな小瓶に入っている。
チーム庭師からはミニブーケとトム爺特製の暗器。そう、いつものクナイ。でも、今回のは先端が尖っている。もしかしてと思って、ベルトにクナイを入れると、ちょうどよく収納できる。
「私からはコレを。」
大トリのグレイからは、小さな青い石の入った指輪を渡される。
「これも、何か付与されているの?」
「はい、さようです。ペアで持つと互いの位置を知ることが出来る魔道具なんです。ただ、位置を知るには魔術が必要ですが。もう1つは旦那様へ。」
位置がわかる……GPSということかしら?
「どの指でも良いの?」
「はい。はめれば自動で調整してくれますから、どの指でも大丈夫ですよ。」
じゃあと邪魔にならない左の小指にはめてみると、最初は緩かったのにあっという間に私の指のサイズになった。ピンキーリングみたいね。
「ジョー、これであとは冒険者ギルドで登録だけだな。」
「えっ!?……あっ、本当だ。皆んなありがとう。」
服や装飾品、剣に暗器、貰ったプレゼントを全て装備すれば完璧だった。
明日、早速、冒険者ギルドに登録行こう。
あー、楽しみだわ。
ご指摘頂いたので、ペンダントの付与について付け加えました。睡眠耐性は眠る時間の短縮です。モン◯ンライズでいうところの睡眠耐性レベル2ぐらいです。
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