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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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162.蟻さんなの?

「ジーン兄様、大丈夫ですか?」

腰を下ろしてハァハァしているジーン兄様にスポーツドリンクを渡す。

「何だよ、アレ?ちょっ見せて。」

「えっ?コレのこと?」

クナイをジーン兄様に渡すと、ジーッとクナイを観察してる。

「こんな暗器見たことないんだけど?」

「えっと……前世の記憶からトム爺に作ってもらいました。」

「ジョーって……暗殺者かなんかだった?」

「いやいや、違いますよ。真っ当な平民ですよ。前世の本とかで見たんです。あっ、この演習着も。」

「へぇ〜。でも、その記憶だけで作れるトム爺もすげぇ〜な。」

「それは私も思いました。私のうろ覚えの情報でよく作れたなぁ〜と。」

「コレ、先端が丸くなってるけど、もし尖っていたら殺傷能力あるだろうな。」

「あっ、本物は尖ってますよ。その先端に毒を塗ることもあったみたいですよ?」

「うわぁー、やっぱり?……俺も欲しい。トム爺にお願いしよう。」


元Sランカーの冒険者のトム爺。

ランペイル家の武器及び暗器の管理者で、手先の器用さと【土】属性を生かして暗器も作成していた。だから、ジョアンのうろ覚えの情報でも、クナイを再現できた。



*****



あれから1刻間ぐらい鍛錬をし、湯浴びと着替えを終えリビングへ向かった。リビングには、朝食まで寛ぐお祖父様、お祖母様がいた。

「おはようございます。お祖父様、お祖母様。」

「おう、おはようジョアン。」

「おはよう。相変わらず朝練してたのね。ジョアン。」

ジョアンが座ると同時にサラが紅茶を出してくれる。

「はい。今日はジーン兄様と一緒に朝練したんですよ。」

「あら、ジーンも?珍しいわね。」

「なんじゃ、ジーンまでとは今日は大雪かの?」

「「うふふふ。」」


3人でたわいもない話をしていると、朝食の準備ができたとナンシーが呼びに来たので、ダイニングルームに移動する。

今朝の食事は和定食だった。

ご飯、海苔、ネーギと豆腐のメソ汁、焼き魚、昨日作っておいた肉じゃが。今回の肉じゃがの肉は、マイクが年末に獲ってきたジェットブル。

ちなみに、和食にフォークなどのカトラリーは合わないと、使用人も含め家族全員が箸を使えるようになっていた。


メソ汁を一口飲んで、お祖父様が

「ふぅ〜。それにしても、ジョアンが料理をしてから食事が楽しみでしょうがないわい。わしは特に、この豆腐が好きでな。」

「そうねぇ〜。ジョアンのお陰で余所で食べる物が美味しくないって、改めて実感したわ。」

「ありがとうございます。……あの、お祖母様?余所で食べるとは?」

「あぁ、余所とは我が家以外の貴族のお屋敷のことよ。パーティー等で伺うことあるでしょう?元々、我が家の料理人の方が美味しいとは思っていたけど、ジョアンが料理をしてからは更に我が家の食事が1番だと思うのよ。」

「余所様の食事は美味しくないのですか?」

「ジョアン、はっきり言っておくぞ。余所の食事はな……不味い。あれなら、屋台の方が美味いぞ。」

「へっ?お父様の言ってる余所様は貴族の方ですよね?」

「ああ、そうだぞ。」

「それなのに貴族のお屋敷より屋台の方が美味しいのですか?」

「貴族の屋敷の食事はな、金と見た目だけを重視しているんだ。やたらと高級食材を使って味付けは塩胡椒だけだ。特に胡椒を多く使うから口がピリピリするし、デザートは甘すぎる。酷いところは砂糖がジャリジャリするぞ。」

「「うわぁ〜……。」」

想像しただけで美味しくないのがわかるお父様の説明に、私だけではなくジーン兄様も顔を顰める。


「胡椒と砂糖を多く使うのは、その二つが高値だからですか?父上。」

「ジーンの言う通りだ。その二つを多く使う事で、ウチは金を持っているんだぞ!という自慢だ。」

「ノエル兄様もパーティーの料理食べたことあるんですよね?」

「……は………ないよ。」

「「「「「「は?」」」」」」

「「きゃはははは。」」

ノエル兄様の声が小さすぎて、何を言っているかわからない。

双子以外が声を揃えて聞き返し、双子はそれを笑う。

「もう少し、声を出しなさい。ノエル。」

お母様に言われて、もう一度ノエル兄様が言う。

「……食べたことないよ。余所の屋敷の食事は。」

「「「「「「えっ?なんで?」」」」」」

「「きゃはははは。なんで〜?」」

最近、人の真似がブームの双子。


「何が入っているかわからないじゃないか。前に魔術科の先輩が、パーティーの料理に薬が入っていたの知らないで食べて後で大変だったって聞いてたし……。」

「「「「「あぁ〜……。」」」」」

ジーン兄様と大人達は意味を理解したようだが、私はわからない。

「どういうこと?」

「「どーいーこと?」」

「……先輩の時は媚薬だったらしいよ。」

「うわぁ〜。それってアリなんです?」

「「わー。ありさんなの?」」

「ぶふっ……。フー、ライ、蟻さんじゃないから。まずは、ご飯食べよう。食べないと俺が食べちゃうぞ。2人のおにぎり、美味しそうだなぁー。」

「ジーン兄、ダメ!」

「ジーン兄様?人の取っちゃダメなのよ?知らないの?」

4才になり色々と話せるようになった2人。特にライラは女の子の特有なのか、話せるようになったのがフーゴよりも早くて今では一丁前にませた話し方をするようになった。

「ライちゃん……。もう少し言い方考えようか?……ジーン兄様、ショック受けてるから。」

ジーン兄様は、ライラの言葉にショックを受けて項垂れていた……。

「ジーン兄、コレあげるから元気出して。」

フーゴがジーン兄様を不憫に思ったのか、ポケットから飴ちゃんを出す。なんて、優しい子なんでしょうねぇ〜。

「あ、ありがとう。でも、なんでポケットに飴入ってるんだ?」

「だって、何が起こるかわからないからって。ねえさまが。」

「……ジョアン、後でお話ししましょうね。」

「は、はい。」


その後、お母様のためになるお話を頂きました。





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