160.つい……
すみません、機種変やらなんやらで1週間もお休みしちゃいました…。
また、頑張って更新していきますのでお願いします。
m(._.)m
2階の住居の方に行くと、真っ赤な顔の年配の男性が床に座り込んでいる女性に何やら怒鳴っていた。
「親父!いい加減にしろよ!!」
「うるさい!!……ん?お前らは誰だ!?」
「失礼する。私は、ダン君の元上司のスタンリー・ランペイルだ。」
「あぁん!?貴族様が何のようだ!!」
「用があるのは、私です!私は、ジョアン・ランペイルと申します。ダンさんのお父様、そんなに怒っていたらまた倒れますよ?何故怒っているのです?」
「酒を持って来いって言ったのに、もう酒はねーって言いやがったんだ。じゃあ、買って来れば良いだろうが!!」
「わかりました。では、私とそちらのお母様とで買って参りますので、少々お待ち下さい。」
座り込んでいる女性に手を差し伸べて立ち上がらせる。
お父様にストレージから出したピッチャーに【アクア】の水を入れ飲ませるように頼む。女性の手を引きダンさんとすれ違い様、魔獣の店に行くと言い階下に下りる。
チリンチリーン。
「らっしゃ〜い……って、母さん!?えっ?なんで?」
「ごめんなさい。いきなり連れ出しちゃって。」
「いえ、こちらこそありがとうね。」
「何?いったい……あっ、また父さんが?」
「はい。冷静になってもらいたくて、あの場からお母様を連れ出しました。ひとまず、その頬を治しますね。……痛いの痛いの飛んでいけ〜。」
「あら?痛みがひいたわ。ありがとう、お嬢さん。」
魔獣の店で、自己紹介から始めダンさんのお母さんと妹さんにお父さんの症状を確認して、高血圧の症状だと説明する。
最初は、信じていないようだったがジョアンがいかに高血圧が危ないか説明をして聞いていくうちに徐々にわかってくれたようだった。
お母さんはエレンさん、妹さんはリリーさん、お父さんはスコットさんと言うらしい。
エレンさんはリリーさんの所にしばらくいてもらい、後ほど2人で上に来るよう告げジョアンだけ住居へ戻る。
戻るとスコットさんが先程とは違って穏やかな笑顔でパールと戯れていた。
「あっ、ジョアン様。お袋は……。」
「今、リリーさんの所にいます。頬の腫れも治りましたので大丈夫ですよ。スコットさんはどうですか?落ち着いたようですけど。」
「はい、ジョアン様から頂いた水を飲んだら酔いが覚めたようで、副団長にも平謝りで……あんな感じです。」
「良かったです。コレでちゃんとお話し出来そうですね。」
そう言って、ジョアンはスコットの側に行く。
「スコットさん、具合はどうですか?」
「おう、さっきの嬢ちゃんだな。さっきは悪かった。
どーしても酒が入っちまうと、我を忘れちまうんだ。」
「スコットさんには、耳が痛い話かも知れませんがちょっとだけ私の話を聞いてもらえますか?」
「ああ、今なら頭痛もないし聞ける。」
スコットさんの了解を得て、ジョアンは高血圧の原因、症状そしてその後改善されなかった場合最悪死ぬ恐れがあるという事を伝えた。
「……。」
「スコットさん、今から生活を見直さないとやりたい事も出来なくなるんですよ。お酒なら1日グラス1杯だけ、そして週に1回だけ飲まない日を決めて下さい。食事もなるべくしょっぱい物を食べないようにして下さい。」
「いや、それでも俺は酒もしょっぱい味付けも好きなんだ。高血圧ぐらいで止めーーー」
「こっちが下手に出てやりゃあ、ふざけた事言ってんじゃねーぞ!!」
「「っ!!」」
「ジョ、ジョアン!?」
「お父様はちょっと黙ってて下さい!」
「は、はい。」
「あぁん?高血圧ぐらいだと?既に一度倒れて家族に心配かけて、ダンさんも討伐団辞めざるを得なくなってんだろうが!!しかも仕事を辞めて昼間っから酒飲みゃあ暴れてエレンさんに暴力を振るって、いいご身分だなあ!」
「そ、それは神殿で安静にって言われーーー」
「安静にだろうが!じゃあ何で酒飲んで暴れてんだよ!あ・ん・せ・い。わかる?安らかで静かなことが安静って言うんだよ。やってんのか?やってねーよな?酒やしょっぱい物摂らないと死ぬのか?違うよ!!逆にそんな物ばかり摂ってると死ぬんだよ!!一度倒れているんだ、既に棺桶に片脚突っ込んでんだよ!いい加減に家族がどんだけ心配してるか気づけ!!あんたが死んだら、どんだけ悲しむか考えろ!!」
「……。」
「あなた……。」
後ろを振り向くと涙目のエレンさんとリリーさんが共にいた。
あーーーーっ。また、やっちまったーーーー。
「す、すみません。私ったら、つい……。」
すぐさま土下座をして謝る。
「いやいや、頭を上げてくれ。嬢ちゃんに言われて目が覚めたよ。倒れて仕事も出来なくなって、頭も痛くてつい酒にはしっちまった。酒飲んで暴れて、エレンにまで酷いことを……。エレン、悪かった。」
スコットがエレンに謝る。エレンは静かに泣きながら首を横に振る。
「親父、ジョアン様が言ったように少しずつ食事改善しよう。散歩も少しずつでいいからやって行こう。俺……子供の時みたいに、また親父と一緒に店に立ちたい。」
「父さん。私も色々と料理考えるから……だから、お願い。また倒れたら……嫌だよぉ。うぅ……。」
「2人とも悪かった。これからも苦労をかけるかも知れないが……頼む。」
「ジョアン様、ありがとうございました。」
帰り際、ダンさんにお礼を言われる。
「いえ、私も失礼な言い方をしてしまって……。」
「いえ、副団長とマーガレット様の娘さんだなぁって思いましたよ。」
「え?」「おい!」
「……ジョアン様、本当にありがと〜。私、頑張って料理するね〜。」
「リリー、お前包丁も持ったことないのにか?」
「兄貴、うるさい!」
「お父様……。」
「……はぁ〜。わかったよ。えーっと、リリーさんと言ったかな?しばらく我が家の料理人をこちらに寄越すから、料理を教えてもらったらどうだ?」
「えっ!?本当ですか〜?」
「副団長良いんですか?」
「ああ、ジョアンが失礼したお詫びだ。」
「「ありがとうございます。」」
後日、エイブさんがダンさんの家へ通いリリーさんに料理を教えた。干し芋の効果もあってスコットさんは高血圧の症状が落ち着き、今ではダンさんと一緒に店に立っているらしい。
ちなみにエイブさんは、王都に通いながらスージーさんとデートが出来たと喜んでいた。




