156.カレーパーティー
いつも読んで頂きありがとうございます。
討伐部隊が帰還し、お父様に報告した後にカレーパーティーが開催された。
カレーはセルフ形式にした。まず、ご飯かバターロールパンを選び、次にカレーを取る。トッピングはトンカツか野菜、もしくは全のせ。最後に、冷凍コミランジ。ドリンクは、隣のブースにエールかフルーツジュース、スポーツドリンクを選べるようにした。
ちなみに、前世のオレンジをミランジ、みかんをコミランジと言うらしい。だから、冷凍コミランジとは、冷凍みかんのこと。
「「「「「「「うっまーー。」」」」」」」
「「「「「「「ヤベーッ!!!」」」」」」」
「「「「「「半端ねぇーーー!!!!」」」」」
「「「「「「辛っ!!旨っ!!」」」」」」
「「「かっらっ!!水、水……。」」」
至る所で、カレーを絶賛している。
中にはチリパウダーをかけすぎた人もいるようだけど……。
私が、トッピングをストレージから補充しているとお父様がグレイとやって来る。
「ありがとう、ジョアン。カレーのこともそうだが、マイクを助けたと聞いたよ。」
「あっ、はい。間に合って良かったです。それに、カレーも好評みたいなので、嬉しいです。お父様もグレイも食べて下さいね。」
「ああ、後で頂くよ。……ちょっと魔物討伐団と交流を図らないといけないからね。」
「そうなんですか?そう言えばルーク様やジェイコブ様も、まだカレーを取りに来ていないみたいなんですけど知りません?魔物討伐団員の方も、さっき見たより少ないような気がしますし。ナンシーに聞こうとしたら、ナンシーも見当たらないし。」
「あー、お嬢様。ルークとジェイコブ、それに何人かの討伐団員はナンシーと一緒にいますよ。なんでも積もる話があるみたいで。カレーに余裕があれば、取っておいて頂けると……。まぁ、食べる気力があるかどうか……。」
「えっ?」
「何でもないですよ。」
お父様とグレイが離れた後、先程応急処置をしたボスコが他の冒険者たちと共にジョアンの所にやって来る。
「……あの、俺たちちゃんと挨拶もお礼言えてなくて……あと謝りたくて。」
「謝る?なんで?」
「だって……その貴族の方に失礼な態度取ったし、マイクがケガする原因作ったのもあるし……。本当にすみませんでした。」
「俺たちも、同じパーティーの仲間を助けてくれてありがとうございました。」
「「ありがとうございました。」」
「えっ、いや謝るのもお礼言うのも私じゃなく、マイクじゃない?」
「マイクにも、この後ちゃんと言います。まずは、お嬢様にと……あっ、俺は冒険者パーティー『荒野の翼』リーダーのフランクです。さっき治してもらったボスコ、それと、こっちがペック。んで、最後にマードックです。」
フランクさんは、赤いツンツン短髪に、緑の瞳でガッチリした体型。ボスコさんは黒いソフトモヒカンで、茶色の瞳の中肉中背。ペックさんは緑色のセミロングで、紫色の瞳で1番背が低く童顔。マードックさんは、青い髪で、赤い瞳で1番背が高く強面の人。
「ジョアンです。えーっと6才です。あの、ランペイル領には初めてって言ってましたけど、拠点はどこなんですか?」
「えっと、バースト領です。って田舎なんで、知らない人もいるんですけど。」
「バースト領?……もしかして、ベルのお家の所?」
「あれ?うちのベル様のこと知ってるんですか?」
「はい。お友達です。」
「そうなんすか。世間は狭いっすね。」
「はい。ホントですね。」
「ジョアンちゃん、ジーン様探してたっすよ。」
「ありがとう、ベン。」
「えっ!?ベン?何で、料理人の服着てんだ?」
「あれ?皆さん知らなかったですか?ベンとアーサーはうちの料理人、マイクは庭師ですよ。……じゃあ、私はこれで。楽しんで下さいね。」
「「「「ありがとうございました。」」」」
ジョアンの走り去る後ろ姿を見ながら、フランクがベンに話しかける。
「お前んとこのお嬢様……良い子だな。」
「だろ?使用人全員の自慢のお嬢様だ。」
「ホントだな。うちの領主のお嬢様なんて男勝りだぜ。何度か手合わせさせられたよ。ここのお嬢様と友達らしいけど、真逆だな。」
「あーー、フランク。そちらのお嬢様とジョアンちゃんは同類だ。類友ってやつだよ。」
「はっ!?そんな風には見えねーぞ。」
「ジョアンちゃんは、ナンシーさんとリンジー様に師事してるんだぞ。」
「「「「えっ!?」」」」
「ナンシーさんってSランカーの『氷華の悪魔』だろ?」
「何で、お嬢様がナンシーさんに?」
「うちの侍女長だ。」
「マ、マジか!?」
「んで、リンジー様ってのは?」
「知らねーか?先代王妃様付きの近衛騎士団のーー」
「もしかして……『獄炎の魔女』?」
「そう。……ジョアンちゃんのお祖母様だ。」
「じゃあ、ランペイルの冒険者ギルドがレベル高いってのは……。」
「この屋敷、全員がギルドに属しているからだろうな。元魔物討伐団、元近衛騎士、元魔術師団、元冒険者もいるからな。」
「……ベル様と同類というか、格上だったな。」
「そ、それにしても、ランペイルの飯はどこ行っても美味いな。ここの料理はもちろん、宿屋の飯も美味いし、ジョウ商会って店のコロッケ?とかいうやつも美味かった。」
「うんうん!あれだけ街中で美味い物あれば、お嬢様が心配しなくてもまたランペイルに来たくなるよ。」
「あはは、そうか。じゃあ、ジョアンちゃん喜ぶな。特にジョウ商会のコロッケは食べ歩きしやすいように、色々と試行錯誤してたからなぁ〜。」
「誰が?」
「えっ?ジョアンちゃん。あっ、ちなみに今日のカレーもジョアンちゃん考案だから。しかも、初物だぞ。お前ら、ラッキーだったな。」
「おーーい、ベーン。」
「あっ、やべ!アーサーが呼んでるわ。んじゃな。あっ、カレーお代わりしても良いからな。」
アーサーに呼ばれ、戻って行くベンを4人は呆然と見ていた。
「……お代わりしてくる。」
「あっ、マードック。俺も行く!!」
マードックとペックが、再びカレーの列に並び出した。
「……領主様への報告。なんて言おう……。」
「フランク、事実を言うしかないって。ベル様の友達としては最高の子じゃないか。梨だろうが、誰に対しても慈悲深く、料理も美味くて、ペガサスとも契約してて……同類だと。」
「ああ、そうだな……。あの子なら、ベル様をけして悪いようにはしないな。」
「うん。じゃあ、俺らも並ぼうぜ。ここでしか食べれないみたいだし。」
「おう。まずは食うか。」
フランクもボスコと共にカレーの列に並びに行く。
「ふふふっ。やっぱりうちのジョアン様は最高なんですよ。案の定、バースト領の《影》だったわね。でもベンもさすがね、さりげなく情報を流して……。」
先程まで4人がいたすぐ近くには、スキル【隠密】で気配消して盗み聞きをしているサラがいた。
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