135.お父様の同級生
お父様の同級生のお宅に伺うという事で、朝から湯浴みをして髪の毛をハーフアップにセットしてもらって、私の瞳の色と同じ、可愛い水色のドレスを着せてもらう。
「まあ、とても可愛らしいですわ。お嬢様をお支度出来る日が来るなんて、マーサは嬉しく思います。」
「可愛くしてくれてありがとう、マーサ。」
ドレスアップした私は、お父様とお兄様たちと共に馬車に乗る。2頭で引っ張る馬車、今日の1頭はスノーちゃん。乗り込む時に馬車なんて引いた事ないから、心配していたら
『ジョアンが昨日遊びに行ってる時に、ワンス先輩に教えて貰ったから大丈夫だよ。』
と言って隣の栗毛のワンスも頷いていたから安心して乗り込んだ。
「お父様のお友達は、どんな人なのですか?」
「ん〜、仕事はしっかりしているぞ。プライベートは、奥方を溺愛していて息子が2人いる。確か上の子がノエルの1つ上、下の子がジーンの4つ下だったはず。」
「じゃあ、もしかしたら上の方は学院で僕たちに会っているかも知れないんですね?」
「すれ違ったぐらいじゃ、俺わからないよ?」
「……いや、絶対知ってる。」
「「えっ??」」
「さあ、見えて来たよ。」
お父様に言われて、馬車の外を見るが目の前に見えるのは……ん?城?
前世で旦那とドイツ旅行をした時に見たノイシュなんとかって言う城みたいだわねぇ〜。やっぱり異世界だわ。こんな城に住む人なんて……ん?城に住む……まさかねぇ〜。
「も、もしかして、父上の同級生って陛下ですか?」
ノエル兄様が恐る恐るお父様に聞く。
「あーまあ、アイツの仕事は国王だな。」
「仕事が国王って……。」
お父様の言い方にジーン兄様が呆れているわ。
「確かに、陛下が父上と同じ年なのは知っていましたが、まさか友人関係だったとは……。」
「あー、お前達に話したこともなかったからな。アイツも学院卒業後は即位するまで魔物討伐団に在籍していたんだ。だからグレイ達も知ってるぞ。」
ああ、だから皆んな苦笑いしてたのねぇ〜。
「さっ、着いたぞ。」
馬車を降りると1人のモノクルを着け、蜂蜜色の髪をオールバックにした男性が立っていた。
「待っていたぞ、ランペイル辺境伯殿。」
「これはこれは、宰相自らとは恐れ多い。本日は宜しくお願いします。」
仕事モードのお父様、格好良いわぁ〜。
やっぱり家にいる時とは違うのねぇ〜。
「挨拶は後だ。まずは、案内する。貴殿から連絡を貰ってから、あの方は仕事が手につかない様子で……本当に困ったもんだ。」
「それはそれは……。クックックッ……。」
お父様が笑ったのをジト目で見る宰相様。
大丈夫なのかしら?不敬にならないの?
この国のNo.2の人ですよね?
初めてのお城は豪華絢爛だった。
至る所に絵画や彫刻などが展示してあり、絨毯はふわふわ。キョロキョロしていたら、躓きそうになってノエル兄様に助けて貰った。その後は、ノエル兄様とジーン兄様の間で2人から手を繋いでもらった囚われの宇宙人スタイル。だから、安心してキョロキョロしたわ。
長い廊下を歩いて、階段を登って、また長い廊下を歩いて、扉を何枚もくぐって……。
ちょっと、無駄に広くない?
ようやく目的地と思われる扉の所には、騎士様が両側に立っていた。
「ランペイル辺境伯がご到着です。」
「入れ。」
重々しい扉が開かれて、中へ通される。
そこは執務室らしく、マホガニー色の机で1人の男性がペンを走らせている。
宰相様に促されて、ふかふかのソファーに座る。隣にお父様が座り、安心させるかのように手を握ってくれる。
しばらくするとひと段落したのか、机で仕事していた男性が上座の1人掛けソファーに座り、隣に宰相様が立つ。……あっ、この方が王様。
「私は、この国の王。アレクサンダー・エグザリアである。この度は……ご……ご苦労。」
なんでか詰まったけど、イケメンだわねぇ〜。
肩より長い光輝く金色の髪、ロイヤルブルーの瞳。
いかにも、王族って感じねぇ〜。
「……あー、やっぱ無理だ。」
陛下が呟いてすぐに何か変な感じがした。
言葉では上手く説明出来ないけど、空気の振動というか、音にしたらフォンって感じ……?
すると陛下が
「今、防音の魔術を使ったから、皆、楽にして良いぞ。……つうか、俺が1番無理。スタンの前で表向きの姿は出来ねー。無理!!」
「「「えっ!?」」」
私達は先程までの威厳のある口調と、今の砕けた口調が同じ陛下の口から出たとは信じられなくて目を大きく開く。
「はぁ〜、もう少し我慢出来ないのか?子供達がビックリしてるじゃないか。」
「いやだって、俺がちゃんと挨拶しようとしたらスタンがチラチラ見ながらニヤニヤしてるから。悪いのはスタンだろ?」
「ったく、どっちもどっちだよ。……あっ、まずは私の自己紹介か。私は、ホルガー・ヨシーク。この国の宰相をしている。陛下であるアレクサンダーと君達のお父上であるスタンリーとは同級生で……まあ、悪友だな。よろしく頼む。」
「俺も、改めて……アレクサンダー・エグザリアだ。よろしくな。後でうちの嫁さんと子供達にも会わせるから。……あっ、俺のことはアレックスおじ様って呼んで。……バシッ……痛っ……普通、国王叩く?」
「表向きの国王の時はしないが、今は違うだろ?だから、従兄弟としてやってる。何が『アレックスおじ様って呼んで』だ。バカか?バカなのか?」
「だって、うちに娘いないし、こんな可愛い子に呼ばれたら嬉しいだろ?お前のとこだって、息子2人だろ?お前だって呼ばれたいだろ?ホルガーおじ様って。」
「……ホルガーおじ様。……良いな。」
「おい、そこのバカ2人、少しは落ち着け。うちの娘が可愛いのは俺が1番わかってる。」
えっ?何?コントが始まったの?トリオなの?
まだ、私達の挨拶が終わってないしどうしたら良いのかしら?
お兄様達も、どうしたらいいかわからないくて俯いてるし……ん?ジーン兄様はバイブ機能。笑いを堪えているのね……。
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