131.王都観光①
いつも読んで頂きまして、ありがとうございます。
昨日の夜、ノエル兄様がスノーちゃんに乗って先に旅立った。
そして朝食後、私とお父様とジーン兄様も転移扉で王都のお屋敷へ向かう。……と意気込んだものの、ただ扉を通るだけなので、本当に王都なのか未だにわからない。
「お帰りなさいませ、旦那様、ジーン坊ちゃん、ジョアンお嬢様。」
「「「「「「「お帰りなさいませ。」」」」」」」
「ああ、出迎えご苦労。変わりはないか?」
「はい、ございません。……ただ、かのお方から何時こちらへ来るのかという問い合わせが、何度か来ているだけです。」
「はぁ〜、本当にアイツは……。」
「……あの、お父様?ご挨拶をしてもよろしいですか?」
「ん?ああ、構わないぞ。」
「ジョアンです。色々とご迷惑をお掛けしますが、宜しくお願いします。」
と、頭を下げる。
「お、お嬢様、頭を上げて下さい。私は、王都の屋敷を任されております、リアムと申します。……グレイにはよく聞いておりましたが、大きくなられましたね。こちらに来たのは、産まれてすぐでしたので。あっ、それから彼女はーーー」
「こちらでメイド長を任されております、マーサと申します。本当に愛らしく成長なさって……マーサは嬉しく思います。グスッ……。」
その他にも使用人を紹介され、挨拶を終える。
「で、ノエルは?」
「朝方到着され、まだお休みです。それから、あの白馬は厩舎におります。」
「そうか。ありがとう。それと、アイツの所には明朝向かうと連絡してくれ。ジーン、ジョアン、私は少しこちらの仕事を片付ける。お前達はどうする?」
「あ、あの……私、王都を見てみたいです。初めてですから。」
「じゃあ、俺が案内するよ。美味い物いっぱいあるぞ。」
「本当ですか?お願いします。ジーン兄様。」
「よし、じゃあ、しゅっぱーつ!!」
「おーー。」
「……それとなく《影》を。」
「心得ております。」
お父様がリアムに、そんなことを言ってるとは私もジーン兄様も知らなかった。
*****
「わぁ〜、やっぱりジェネラルの街のマーケットよりも大きいですね。」
ジーン兄様に連れられて、王都セカンディーの中央マーケットに来ている。
「あはは、そりゃそーだろ。ほら、こっちに美味い串焼き屋があるんだ。」
今、私は迷子にならないようにジーン兄様に手を繋がれている。
そこまで心配しなくてもいいのに……。
「おやっさん、こんちはー。」
「おっ、ジーン坊。まだ学院の休みなのに、珍しいな。……おっ?なんだ可愛い子連れて、彼女か?デートならこんな店に連れてくるのは、どうかと思うぞ?」
「な、何言ってんだよ。違うよ、俺の妹。初めて王都に来たから案内してるんだ。」
「初めまして、妹のジョアンです。いつも兄がお世話になってます。ここの串焼きが美味しいって聞いて楽しみにして来ました。」
「こりや、ご丁寧にどうも。……じゃあ、今日はサービスだ!ほらよ。」
「マジ!?サンキューおやっさん。」
「良いんですか?でも、申し訳ないので……コレ差し上げます。」
そう言ってポシェットから干し芋を出して店主に渡す。
ちなみに、このポシェットはジョアンのストレージSを隠す為に、裁縫のプロのミトとその弟子となったメーガンの合作だった。ポシェットの中でストレージを展開すれば、まるでポシェットから取り出したように見えるのだ。
「えっと、妹さん、これは?」
「はい、私の領で人気の干し芋です。」
「……ジョー、よくそれ持ち歩いて配ってるな。」
「そりゃあ、領の特産物の宣伝のためです。だから、ほら袋に我が領のエンブレムが入っているでしょう?」
「わっははは、いや、しっかりした妹さんだ。これ、食べてみて美味かったら、皆んなにも宣伝しておくよ。」
「ありがとうございます。ぜひ、お願いします!」
そう言って、追加で2袋渡す。
店主は苦笑し、ジーン兄様は呆れた。
串焼きを食べた後は、フレッシュフルーツのジュース屋、ジェットブルサンド屋などを梯子した。
お腹が満たされてからは雑貨屋さんや本屋さんに立ち寄り、可愛らしいレターセットやスケッチブック、伝説の生き物について書いてある本を購入した。
「さすがに疲れただろ?最後にカフェでケーキでも食べるか?」
「食べる!!行こ、早く行こう!!」
「あははは、何だよ元気じゃん。」
先程まで手を引かれながらようやく歩いていたのに、ケーキと聞いて逆にジーン兄様を引っ張って歩く私を見て、現金なやつだなぁ〜と思いながら
「わかった、わかったから引っ張るなよ。それに場所知らないだろー。」
「あっ、そうか。でも早く、早く。」
「はいはい。」
「ジーン兄様、『はい』は一回です!」
「っ!!……ナンシーみたいなこと言うなよ〜。」
「えへへ。ナンシーのマネしてみた。」
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