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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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110.笑顔になれる方法

「じゃあ次は、軽く身体動かしてみよっか。そしたら自分がどのぐらいの体力があるかわかるだろうし。」

と、アーサーが言う。


演習場に戻り

「じゃあ、軽く走ってみるよ。」

そう言ってアーサーは走り出す。

3人はその後ろをついて走る。2周目の途中でデニス君が脱落。3周目に入ってルーが脱落したところでアーサーは走るのを止める。


「2人とも大丈夫?」

そう言ってストレージからスポーツドリンクを渡す。もちろんアーサーとベンにも。


「ふぅー。生き返るー。」

ルーが飲んだ後に寝転ぶ。

「ふふっ、大袈裟だね。」


「ジョアンちゃんはやっぱり疲れてないの?」

とデニス君が聞く。

「うん、まだ大丈夫だよ。いつもはさっき話した準備運動の後に素振りと打ち合いがあるから。」


「打ち合い……大人とやるのか?」

「うん。そうだよ。」

「本当に年下?」 


その後、ベン達がルーとデニス君に腕立てと腹筋のやり方を教えて、私だけ先に演習場を後にする。



*****



温室に行くと、何やら作業しながらトム爺さんとコア君とマイクが談笑している。


「コア君、どう?楽しい?」


「うん!本当にここは凄いね。色々と教えてもらったよ。僕、ここに住みたいぐらいだよ。」

と、いつも人見知りであまり話さないコア君が元気に答える。

「わっははは。そうか、ここが気に入ってくれたか。嬉しいねぇ。コアは物覚えが早くて助かるよ。」

「じいちゃん、良かったな。コアは教えるとちゃんと指示通りに手伝ってくれるからな。」

マイクにワシャワシャと頭を撫でられ、2人に褒められたコア君の顔は真っ赤だったが、とても嬉しそうだった。


コア君、本当に嬉しそう。

本当にトム爺さんの孫になれば良いのに。孤児を引き取るのは難しいのかしらねぇ?



*****



温室から屋敷に戻り、応接間に向かう。

トン、トン、トン。


「ジョアンです。メーガンちゃん、タニちゃん、どう?」

ドアからヒョコッと顔を出して、声を掛ける。


「あっ、ジョアンちゃん。見て、見て。ミトさんに教えて貰って、作ったの。」

そう言って、完成したばかりのエプロンを見せてくれる。

「えっ?この短時間で作ったの?」

「そうでございます、お嬢様。メーガン様の集中力と裁縫技術は素晴らしかったです。」

と、ミトがメーガンちゃんを絶賛する。


「あら、タニちゃんも上手よ。初めてレース編みをやったらしいのに、コツを掴むのが上手なのね。あっという間に、これを作ったのよ。」

と、お母様がレース編みを見せてくれる。

「綺麗だねぇ〜……えっ!うわっ、大きいよ。編むの早すぎない?」

それは、膝掛けぐらいの大きさだった。

「えへへ。なんか奥様に教えて貰って、楽しくて気づいたらこんな大きさになっちゃってた。」

と、タニちゃんは笑顔で言う。


「裁縫の上手なメーガンちゃんとレース編みの上手なタニちゃんで合作して作ったら売れそうだね。」


「「「「合作?」」」」


「ジョアンちゃん、そこをもっと詳しく。」

「あっ、はい。」

ヤバい、またお母様の商売魂に火をつけたかしら?


「えーっと、例えばポーチなんですけど……。レース編みと普通の生地を合わせて作ると、普通の生地だけで作ったポーチより、ちょっとエレガントな感じしません?白いレースに黒色の生地を合わせたりすれば、レース編みが映えるし。シルクとか光沢のある生地でもオシャレかなぁ〜と。」


「良いわね。それを採用するわ。ねぇ、メーガンちゃんとタニちゃん。貴女たち、2人でやってみない?」


「「「えっ?」」」

お母様の提案に3人は驚く。


「あら?だって、こんなに有望な2人よ。他の所に取られたくないもの。」

「お母様、それは2人をランペイル家専属の針子さんということですか?」

「えぇ、そうよ。もし2人が良ければ、家で使用人として引取りたいと思うのだけれど。」


「「えっ!?」」

「お母様!?本当に?」


「もちろん、貴女たちの気持ちを優先するわ。孤児院で作って、商会に売るでも構わないわ。ただし、デザインや製法を一切他に漏らさない事を約束してもらうことにはなるわね。少し考えてちょうだい。……さぁ、ナンシー、ミト。そろそろお茶にしましょう。」

「「かしこまりました。」」

そう言って、お母様は一旦応接間をメイド2人と共に離れる。


お母様の驚きの発言に、未だに固まっている2人。

「えっと、2人とも大丈夫?」

「あっ、うん。驚きすぎると言葉なくすのね。」

「うん、私もそう思った。」


「ゆっくり考えたら良いと思うよ。すぐに返事しなくて良いみたいだし。タニちゃんは、コア君のこともあるしね。」

「うん。コアにも相談しないと。でも……嬉しかった。奥様に……大人に認められたみたいで。私とコアは、親に捨てられたの。ウチの父はお酒を飲むとよく母と私達を殴ってて、それが嫌で母は家を出て行ったの。私達は連れて行ってもらえなくて……母に怒った父はもっとお酒を飲むようになって……結局父に孤児院に入れられてそれっきり。今、両親がどこで何をしているかもわからないわ。コアが人見知りするのも、きっと父の顔色を窺いながら生活してたから……。これで私まで孤児院からいなくなったら……。あの子を守ってあげないといけないのに……でも、お針子さんにもなりたい。」

タニちゃんが俯いて涙がスカートを濡らしていく。


「そうだったのね。泣かないで、タニちゃん。一緒に考えよう。タニちゃんもコア君も笑顔になれる方法。きっとあるはずだから。ねっ?」

「ありがとう、ジョアンちゃん。」



ルーとデニス君、コア君も屋敷に戻ってきて、皆んなでお茶をする。クッキーやパウンドケーキのお菓子だけだと足りないと思って、一口サイズのサンドウィッチと唐揚げも準備した。

「うっま。うーっま。」

「うん、サンドウィッチ?初めて食べた。」

「ん〜、クッキー美味しー。」

「紅茶も本当に美味しい。」

「うん、うん。」


みんな喜んでくれて、作った甲斐があったわ〜。

ルーなんて、唐揚げ両手に持ってるし。デニス君はサンドウィッチ。メーガンちゃんはクッキー。タニちゃんはさっき泣いて喉渇いてたのか紅茶お代わりしてるわ。コア君は喋らないでパウンドケーキを……ふふっ、ハムスターみたい。ほっぺに詰め込んでるわ。


「ジョアン、ほんとありがとな。」


「ん?唐揚げのこと?」


「違っ、まぁ、唐揚げもそうだけど。その……屋敷に招待してくれて、アーサーさんとベンさんの話聞かせてもらえて……感謝してる。」

「ありがとう。」

ルーとデニス君がジョアンに感謝する。


「私も、ミトさんから裁縫教えて貰えて良かった。今度、お礼にジョアンちゃんに何か作るね。」

メーガンちゃんが言う。


「私も、奥様からレース編み教えて貰えて本当に良かった。あの……それと……さっきは話を聞いてくれてありがとう。」

タニちゃんが恥ずかしいそうにお礼を言う。


「ぼ、僕も温室見れて嬉しかったよ。トムさんもマイクさんも、僕に良くしてくれて、本当にありがとう。」

コア君が笑顔で言う。


「皆んなが楽しんでくれて良かった。」


お茶を楽しんだ後、5人はお土産として多くのお菓子をもらって孤児院へ帰って行った。





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