041 推しのご両親
未来ちゃんの事務所の人に案内され、関係者席に座るとステージが真ん前にあることに気がついた。ひぇぇ……こんなんいくら払えばいいんだ。
しばらく座って大人しくしていると、隣に綺麗な女の人と優しそうな男性が座った。
2人とも優しそうな目をしていて、でも少し不安げな様子だ。もしかしてこの2人……
「す、すみません! 星ヶ丘未来ちゃんのお父さまとお母さまですか?」
勇気を出して、気になったことを聞いてみた。
「あら? あらあら? もしかしてあなたが文ちゃんかしら?」
「あぁ、あの文ちゃん?」
どの文ちゃん!?
でも私の名前が出てくることで確信した。この人たちは未来ちゃんのご両親だ!
「ごめんなさいね、私は未来の母で、こっちがお父さん」
「聖母マリア様……」
「やだわぁ、処女懐胎なんてしてないわよ」
「お母さん! そんなこと言わなくていいよ!」
な、なんかユニークな人たちだ……。
この2人が未来ちゃんのお父さんとお母さんで、過保護で超高級マンションに住わせた人たちかぁ。優しそうだもんね、過保護になっちゃうかもね。
「私たちのことはどうだっていいの。文ちゃんに会えて嬉しいわぁ」
「電話したり家に帰ってくるとね、最近はずっと文ちゃん文ちゃん話しているんだよ」
「み、未来ちゃんがですか?」
「「もちろん」」
そうなんだ……なんか照れるな。
「嬉しかったなぁ。誰か特定の子と仲良くなるなんてなかったもんね!」
「うん。未来のお仕事が忙しくなってからは特にね」
「文ちゃんのような優しそうな友達ができて、僕らも嬉しいよ」
「いやそんな……」
でもこれご両親が私のこと知ってるってことは、もはや親公認の仲。つまり結婚してもおかしくない(?)
「未来の学校でのお話、聞かせて! 未来ったら恥ずかしがって教えてくれないのよ〜」
「何にでも一生懸命な子だからね。きっと勉強も得意で、みんなから頼られているだろう?」
「そ、それは……」
なるほど未来ちゃんの陽なところはこの2人から受け継いでいるわけか! 初対面にこんなぐいぐい来るなんて!
しかも未来ちゃん、自分の成績を隠し通しているんだな! 私はなんて答えよう……私より数段勉強できません? 中学から復習しました? いやいやそうしたら悲しませるかもだし……
「み、未来ちゃんは努力家です!」
嘘は言ってない。真実を隠しただけだ。
未来ちゃん……次からはテスト結果、ご両親に送ってあげようね。きっと心配しているだろうから。
そんなこんなでステージに司会役の人が現れるまで、ずっと未来ちゃんの質問責めにあった。
推しのこと話すのは楽しいけど、やっぱりグイグイ来られると緊張する〜!!




