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夏のホラー2023『帰り道』

宇宙

作者: 家紋 武範

 地球から宇宙へと旅立って50年。ようやく地球へと帰還することができる。

 我々は進歩したが、それぞれの国に別れて主義や思想、政治や宗教の枷があるために、偽りの平和しか結ぶことができない。


 私の任務とは、それだ。『真の平和』を探す旅。宇宙のどこかにいるであろう、知的生命体に出会い、我々より進歩しているであろう、そのものたちにやり方を聞く。

 漠然とした任務であったが、私はそれをクリアすることができた。友好的な知的生命体に出会うことが出来たのだ。たしかに、彼らと同じ道を歩むなら、我々人類も永遠の平和を築くことが出来るに違いない。


 故郷への帰り道。冷凍睡眠(コールドスリープ)から目が覚める。

 目の前には青い地球があった。帰ってきたのだ。なんとも懐かしい。


 その時だった。


 青い地球は真っ赤に染まり、ポツポツと各地で核爆発が起きているのが分かった。


 あと一歩。あと一歩で──。


 私は間に合わなかった。


 目的地を失った私は、宇宙船を自動操縦に変えて、深い深い冷凍睡眠(コールドスリープ)につくことにした。


 もう起きる必要などない。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 手遅れ、という言葉のリアリティに震えました。 終末時計の針が進む一方で、戻らなくなったのは何時からなのでしょうね? [気になる点] 特にありません。 [一言] 誰かが彼のコールドスリープを…
[一言] 行き着いた先の惑星は かつての地球ソックリだった ただ一つ違うのは、、、
[一言] ホラーといってもよくある血とかではなく、孤独だったりショックだったりする恐怖という形ですね。 ホラーの幅はこんなにも広いのだと分からせられます。
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