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9/19 暗黒期以外はルネサンス? 簒奪と戦争に彩られた歴史 『ビザンツ帝国-千年の興亡と皇帝たち (中公新書)』
さて、今日は……
『ビザンツ帝国-千年の興亡と皇帝たち (中公新書)』
著者 中谷 功治
教科書ではあんまり深く触れられないビザンツ史ですが、その内実はめちゃくちゃ面白かったです。先生がムスリムに指摘されて始めたんだと軽く言っていたイコノクラスム(聖像破壊)だけでも物語です。皇帝=教皇と習うであろう正教ですが、実際には総主教と皇帝のせめぎ合いがありました。
私が興味深く思った点は、総主教フォティオスがヘロドトスの『歴史』をペルシア王の物語と呼読んだとあう記述です。同じ本であっても、読む人によって180度理解が異なるのは、古代から現代まで同じなのですね。そして共和主義だったローマが完全に権威主義になっていることが、現代の民主主義優位の時代が永遠に続くとは全く限らないという実例を見せられているような気がします。
また章ごとに挟まれる皇帝早見表が読解をとても良く助けてくれるのが良かったです。
感動度 ★★★★
オススメ度 ★★★★




