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79話「チート転移者オーヴェ、ヒロインに怖がられる!」

 女神マザヴァスによってチートを授けられて転移する事になった大我(ダイガ)オーヴェ。

 元はブサデブだったのに別人のようにイケメン化しちゃったぞ。


「うおおお!!! これで無双ハーレムを満喫してやるぜえええっ!!!!」


 光に包まれていくオーヴェは念願の異世界転移に歓喜していく。



 タッツウ王国は同じガロンナーゼ大陸にある小国。

 山に囲まれてて、緑豊かな王国。田舎ながらも充実した日々に住民も不自由なく暮らせている。

 これもオーヴェのゲームで作られた最初の国。


「よくぞ来た。大我(ダイガ)オーヴェよ。そなたは選ばれし勇者……」


 王宮内で王様が荘厳と話していた。

 その前で跪いているイケメンは大我(ダイガ)オーヴェ。ゲームのイベントがリアルで再現されているかのような展開にワクワクしていた。


「聞け。平和とも思えるこの世界を、黒霧魔王ヴィードによる魔の手が忍び寄ってきている。お主はそれを討伐するのだ。行け、大我(ダイガ)オーヴェよ!!」

「はっ!!!」


 頭を下げ、踵を返して旅立つオーヴェ。ニヤニヤしている。

 城を出たら青髪ショートの女性が走ってきたぞ。これもイベントの再現だ。


「オーヴェ!! 勇者になったんだって!?」


 青髪ショートで胸が大きめのグラマーな女性。赤いベストで胸の谷間が露出、短パンからは太ももあらわ。

 タッツウ王国で最初に仲間になってくれる第一ヒロインだ。

 ゲームではドットだったのに、こうまでリアルに具現化できるのも驚く。


「うおー!!! マジでカカコか!! すげー美味しそうな体してやがんだぜ!!!」

「え……? 何言ってんの……??」


 食いついてくるオーヴェにカカコは引き気味だ。

 それでもプルンプルン揺れる巨乳にオーヴェはデヘヘしてるぞ。


「カカコ、幼馴染じゃないか! 一緒に行こうぜ!!」

「あ……うん」


 幼馴染が急に豹変したかのように見えたカカコ。

 実は恋していたので、引き気味ながらも一緒に旅立とうとするのだった。

 彼女にとってはオーヴェは幼い頃から一緒に育ってきた心許せる青年。ケンカする事もあったが、なんだかんだ仲良しな関係だった。

 思春期を迎えてからオーヴェの事が気になっていた。


「もうオーヴェも一六歳だもんな」

「おう!」

「これからどこ行く?」

「次の町へ行こう。ここ周辺を歩いていけば、たどり着けるはずだ。そこでレイミンと出会う」

「レイミン……??」

「ああ。次に仲間になってくれるヒロインだ。美乳の女魔道士。強気なおまえと違っておしとやかな性格だからな。楽しみだぜ」


 カカコの心境は穏やかではなかった。

 唐突に別の女を語り始めたのだ。徐々に不審が募る。


 国を出るまで住民が「頑張れよー!!!」「応援してるからなー!!」「オーヴェくん!!!」「おまえなら魔王倒せるぜ!!」と湧いていた。

 しかしオーヴェは次のヒロインしか頭になくて、住民オール無視だった。

 カカコはますます不審になっていく。



 国を出ると、広がる草原。奥に山脈……。

 広い世界へ旅立つって感じでオーヴェはウキウキしてきた。


「黒霧魔王ヴィード……。そして悪の教祖ナッセ。邪神官ゲマル。強敵闘僧のキョウラども、バッタバッタ薙ぎ倒してやるぜ!!!」

「あ、ああ……」


 張り切るオーヴェだが、カカコは未だ不審がぬぐい去れない。

 魔王ヴィードならいざ知らず、具体的に敵勢力のキャラを語り始めたもんだから怪しまない方が不思議である。

 そうと知らないオーヴェは先を進んでいく。


「ピキー!!!」

「グルルル……!!!」


 なんと青いスライム六体とオオカミ四体と、ゲームで見かけるようなザコキャラが現れた。

 オーヴェは「待ってました」と悪辣に笑んでいく。


「ミラクルパタ!!!」


 右手の手甲から刃を出し、瞬時に駆け抜けて全てを真っ二つにしていった。

 カカコは驚くしかない。

 最後に残したスライムをオーヴェは踏んづけている。


「ピキピキイイイ……!!!」


 泣きそうな声だと分かる。

 しかしオーヴェは悪辣に笑みながら、徐々に踏む力を加えていく。カカコは口を手で押さえていく。

 プチプチ嫌な音が響いてくる。

 苦しませるためにゆっくり踏み潰そうとしているんだ。


「ピギィィィィィ……!!! プギャッ!!!」


 グシャッと踏み潰して粘着性の液体が飛び散り、そんな残酷なシーンにカカコは思わず目を瞑った。

 オーヴェはスッキリしたように恍惚する。


「やっぱ雑魚だな。こうでもしないと物足りねぇな。へへへ……」


 カカコは恐怖を抱き始めた。

 転移者といっても、現存の人物と入れ替わるようになってるのでカカコにとっては別人になったかのように見えるのだろう。

 いつものオーヴェは爽やかで好青年だった。


 これはバレンティア王太子に置き換えられたナッセと同様な事がオーヴェに起きているのだ。

 ただ今回は最悪な事にヤバい性格の移転者なのだが……。




「今度はワイバーンか!!」

「ギャオオオオオ──ン!!!」


 山を越える時、空から強そうなワイバーンが七体強襲してきた。

 オーヴェは背中から仰々しい両翼アームを展開し、右手からパタを出す。


「今度はミラクルウィングの真価を見せてやるぜ!!!」


 少し浮き出したと思ったら、超高速で飛び立って真正面のワイバーンを八つ裂きにしてしまった。

 カカコはブルッと震える。

 強すぎるってだけじゃない。オーヴェが残虐な顔を見せているからだ。喜々と殺戮を楽しんでるように見えてしまう。


「はっはははははーッ!!!」


 オーヴェは次々とワイバーンを切り裂いていって血飛沫が舞う。

 この後も次々遭遇したモンスターを虐殺していった。

 無双チートを手に入れて、面白おかしく虐殺を楽しむオーヴェにカカコは少し涙目になっていく。


 こ、こんなのオーヴェなんかじゃない!!!

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