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125話「ついに第二次天地魔大戦始まる!!!」

 フィーリア天地にいる金色の破壊神クゥナーレは、グレチュア天地を映す映像を眺めていた。


「……かつてフィーリア天地で起きた天地魔大戦が、再び起こるか!!」


 女神マザヴァスによるチート移転者軍勢の無差別大侵攻。

 フィーリア天地でもそれが行われて、殺戮と破壊が徹底的にしつくされて悲劇を招いた。

 そしてクゥナーレが金色の破壊神へと変わったのも、それがきっかけだった。


「ナッセ……、おまえも私と同じになってくれるなよ?」


 かつて最初の移転者だったクゥナーレは、ナッセがどのように変心するか着目していた。

 希望を期待しているからこそ、成り行きを見守るのだ。


 故に破壊神は未だ沈黙する……。




 世界中の上空でいくつもの暗雲が渦巻いていた。

 稲妻が迸り始め、中心部が徐々に穴を開けていって、なんと雷霆天尊(ライテイテンソン)の時と同じ『無限樹』がそれぞれの穴から出てきたぞ。

 思わずナッセとヤマミは口を開けて絶句する。


「お、おい!!! あれ一つじゃなかったんか!?」

「しかも六つも!?」


 なんと戦力が充実している国には複数の『無限樹』を出しているようだった。

 ギルガイス帝国には十二つも出てきて包囲網敷いてるし。

 これはヤマミの生み出したアバターシシカイの映像で判明した。


「ちょっとー!! ザイルストーン王国の時と断然違わない!?」


 屋上で見上げていたリョーコも焦る。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!



 六つの無限樹から無数の移転者がオーラを纏って急降下してくる。

 その数は甚大だ。


「「「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」」」


 獣のように獰猛に吠えながら殺意満々で襲いかかってくるのが見える。

 バレンティア軍もそれにおののく。

 傭兵たちも「あ、あんなの見た事ねぇッ!!!」と尻込みしそうになる。


 もちろん臨戦態勢を整えていたキョウラ、ジャキ、キルアも汗を垂らす。


「あれが話に聞いたチート移転者か……!!」

「うん。魔族でも魔貴族でもない。とてつもなくヤバい奴らだ……!!」

「オデ……怖いけど……やるしかない!!」


 教会前で神官やシスターが並び、ゲマルも「むうっ」と唸る。

 シシカイが戦々恐々と佇み、妖精メミィも切羽詰る顔を見せる。

 そして巨大な天使毛玉の熾天使ヴィードもザワザワと四枚の翼を肥大化させていく。


《今働けば!!! 今後楽して引き篭れる!! やってやろう!!!》

「「「いや今後も働けよ!!!!」」」


 周囲の人がビシッと突っ込む。



 ヴェレンデア王様は王宮の中で聖剣を具現化して切羽詰った顔で見上げ、王妃と幼い息子と娘をかばっていた。

 マーレ姫は杖を両手で握り、青ざめながら震えている。

 第二王子ガルシアンも聖剣で握って、蟷螂の斧でも立ち向かう姿勢を見せる。

 無数のチート移転者が流星群のようになだれ込んでくるのは初めて見る光景。その中のチート移転者が召喚したらしく、巨大な鳥のようなものが急に現れた。


「ギャオオオオ──ンッ!!!」

御手洗(ミタライ)ミルオのチートスキル『愛照有戸門(アイデアコモン)』により、思い描いた最強の『億翼鳥王(オクヨクチョウオウ)』を召喚だああああ!!!!」


 まるで空を覆い尽くすかのような巨大な怪鳥で、羽ばたくと羽毛の矢が無数オーラを纏って降り注いできた。

 この攻撃だけでも恐らくバレンティア王国は壊滅しそうだ。

 王様たちは目を丸くして「あれがチート移転者!? ケタが違うッ!!」と戦慄する。

 ナッセは大窓へ駆け出す。


「オレ行くぞ!!! ヤマミ投げてくれッ!!」

「ええ!!」


 ナッセがジャンプすると、ヤマミは巨大な『偶像化(アイドラ)』を生み出して片手に乗せた。


「いっけええええええええええええッ!!!!!」


 ヤマミの偶像化に投げられて、大窓から勢いよくすっ飛ぶナッセは聖剣を具現化し、太陽の剣(サンライトセイバー)で包んでいく。

 オーラをまとった無数の矢が降り注ぐにも関わらず突っ込む。


「おおおおおおおッ!!!! 流星進撃(メテオラン)────!!!」


 無数の流星が走り、御手洗(ミタライ)ミルオと億翼鳥王(オクヨクチョウオウ)は見開く。


「三十五連星ッ!!!!」


 ナッセの繰り出した一瞬連撃が、羽毛の矢もろとも術者と巨大な怪鳥をも打ち破った。

 そんな猛攻に「ガハアッ」と吐血し、揃って爆散した。ドガアアッ!!!


「「「うおおおおお!!? 王太子ナッセさまが先陣を切ったぞおおおッ!!!!!」」」


 バレンティア王国中の人々は歓声を上げた。

 それぞれに配置されている兵士や騎士、将軍も士気が上がる。ギルドからの傭兵も「負けてられねぇ!!!」と意気込む。

 ゲマル、キョウラ、ジャキ、キルア、シシカイ、メミィ、ヴィードも歓喜していく。


「やはり王太子ナッセさまは強い!!!」



 高く飛び上がっていたナッセは大きく見える無限樹をキッと見上げていた。


「よくもおおおお!!!!」

「袋叩きにしてやるあああああッ!!!」

「死ね死ね死ねええええええッ!!!」


 そんなナッセへとチート移転者が群がるが、巨大な三日月が通り過ぎてザザンッと数十人両断されていった。

 なんと屋上にいたリョーコが天照大神斧(アマテラスアックス)を振り切っていた。


「こっちもバシバシ行くわよー!!!!」


 再び斧を引いて強烈なオーラを凝縮させていく。

 ナッセ、ヤマミ、リョーコが襲い来るチート移転者をことごとく無双していって、爆発球が連鎖していった。




 バレンティア王国に限らず、どこも無限樹が上空より訪れ、無数のチート移転者が無差別攻撃を繰り出し始めた。

 オーラを纏って凶暴に荒らし回るチート移転者に、多くのドラゴンが激突していく。

 チートスキルとドラゴンのブレスが激突し合い、空で爆発球が連鎖していった。


 エルフの国エーテリンからも優秀なエルフの魔導師が黒魔法を連発して、上空のチート移転者を迎撃していく。


「最上階梯黒魔法!!! 最終崩壊(エクスコラプス)!!!!」


 最強の魔法が炸裂して、無数のチート移転者を巨大な爆発に巻き込んで消し飛ばす。




 もはやグレチュア天地にいるヒト、竜族、エルフ、ドワーフ拘らず、チート移転者は皆殺ししようと血気盛んに襲いかかって殺戮と破壊を撒き散らしていく。

 大地が割れ、山が崩れ、海が荒れ、戦禍はますます広がるばかり。

 さっきまで平和だった世界が混沌へと陥っていった……。


「おおおおおおおおおッ!!!」

「やああああああああッ!!!」

「せいやああああああッ!!!」


 それでもナッセたちは奮起して女神勢力であるチート移転者を迎撃していった。

 七つの魔王との修行で傷ついていたナセロンとブラッドとルシアはぐっすりベッドで寝ている。

 徹底的にしごかれたダメージを逆に力へ変えるかのように急激な成長が促されていく……。

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