第八十四話『聖女の服を買う筈が........』
自前の服がない聖女の為に外出の準備をするしていたのだが、ある事に気づく。
「なぁ、ディアーナ.......あんたはルキフェルよりも数週間前にこの世界に来たんだよな。外を出歩くときは常に聖女の外装だったのか?」
「えぇ、そうですよぉ♪ほら、この世界って『コスプレ』って言う魔法の言葉があるではないでぇすかぁ♪どんな痴女的な格好をしていたとしても女性であればほとんんどがそれで済むんですよぉ?」
世間の穴を上手くつくものだと感心する。
(確かにルキフェルと外出した時にアイツは天使服だったけど注目されるだけで何も言われなかったもんなぁ。)
「よし、準備は出来たか?」
ルキフェルとディアーナは顔を見合わせ頷くと元気よく返事を返した。
『『はい!!』』
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「ジョン、見てくださぁい!何ですかぁあれはぁ!人が乗っていますよぉ!私、気になります!」
「人間の文明_____興味深いです。」
そんなキラキラとした目で自分を見ないで下さいディアーナさん。現在三人は電車に乗っていた。
「アレは観覧車だ。」
そして電車内からも堂々と存在を確認出来るテーマパークにルキフェルとディアーナは好奇の目を向けていた。
「そうですか。では行きましょう。」
「時は限られていますしねぇ♪」
ルシファーとディアーナは駅のホームへと着くと同時に服を掴んで来た。
「ちょ、待っ!うわぁああああああああ!!!!」
自分を引きずりテーマパークへと向かう。服はどうした!!?
「飛び越えますよ、ディアーナ。」
「もちろんです♪」
改札を飛び越えようとする二人。
「いやいやいや!!落ち着けーーー!!」
すぐさま二人を掴みそれを防ぐ。
「焦るな、子供か!!」
そもそも浮遊出来るルシファーにとっては物珍しくない光景を見せる乗り物などつまらないだろう。それにディアーナも然り、瘴気を使えば見える景色だ。
「て言うかお前らがその気になれば空も飛べるし、超高速で動く事だってできるだろう?正直に言うと金の無駄遣いだ!食費だって相当かつかつなのに遊園地に行くお金はありません。服買って帰りますよ!」
そもそも今日の目的はディアーナの服を買いに来るためだ。
二人は青年の言葉を聞くと馬鹿にする様に鼻を鳴らした。
「貴方は分かっていませんね。自分の浮力を使い見渡すのと人の造りし機械を使うのとでは見方が違うのです。貴方は主人である私の意向に従えばいいのです。」
「経験と言うものは蓄積なのですよぉ?それは将来へと繋がるの行為なのでぇす♪ですからぁ私たちはあのカンランシャと言う物に乗らなければなりませぇん♪それに服なんてジョン副団長と同じものを着れば良いでしょう?あ、言い忘れていましが、瘴気で服を形どる事も出来ますので悪しからず。」
「ねぇ、それ最初に言って!!?」
電車賃使っちゃたんですけどぉ!!
「はい、服代浮きましたし遊びに行きましょう♪」
二人に引き摺られテーマパークの入場口まで来てしまった。
(うぅ、今月の娯楽代が一日で消える......)
観覧車の周りには幾つものライドがあるのは必然。それはすなわちルキフェル達の眼を引く代物ばかりだと言う事だ。観覧車だけで出費が収まる筈がない。
(一日パスを買うしかないのか。)
少なくとも3人分となれば3万円以上の出費となる。痛い。痛すぎる出費だ。
「着きましたよ、ジョン。早速......あの乗り物は何ですか?」
ジェットコースターを見つけたルキフェル。
「何故皆さんはぁ悲鳴を上げているのでしょうかぁ?」
ディアーナは唇へと人差し指を当て疑問の表情を見せる。
「あれはジェットコースターと言う乗り物だ。アンタら見たいにこの世界の住人は高速移動が出来きないんだ。だから人は憧れ体感したい。それを人が堪えうる速度で体感出来る装置がそれだ。」
二人は興味深く見る。
「それではジェットコースターと言う乗り物はカンランシャの後に乗りましょう。時間は有限なのです、急ぎますよ!」
受付人が立つ入場口まで歩いて行く天使様。ディアーナもウキウキしながら其れをスキップで追った。
「ま、待て、チケットをまだ買ってない!!」
まぁ言わずもがな二人は1日パスも持たず観覧車へと乗り込む。
(と言うか置いて行くなよ、せめて.................)
一人観覧車の下に残される青年であった。




