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第五十話『RADIANCE』

五十話突破!!そして第一章『完』で御座います!!気に入って頂けたら感想、コメント、ブックマーク是非是非宜しくお願いします!!

闇の時代の始まりだ。


【私が世界となりましょう。勇者、貴方は私の手により殺される事になる。】


ジョンと二人だけの楽園を創り上げる。殺戮と言う名の救済を始めよう。


『僕は殺されないよ_______』


その為の礎として勇者ユーノとマールス団長を殺し天界へと侵攻する。


【光の担い手_________闇の再来_____________勝敗は一瞬でつきましょう。】


闇が世界を覆う。


『だって正義は必ず勝つんだから_________』


しかし、闇の中に置いて光り輝く存在がいた。


『光よ世界を照らせ!』


勇者の希望だけが闇の中で光り輝く。そしてその光が凝縮される様に剣へと収束されていく。


『_________光の輝きは闇を振り払う。』


ユーノは輝きの剣を振り上げると、光は柱を創り、天を突いた。


【あぁその光こそが人の希望なのですねぇ♪ですが、私はその光を呑みましょう♪どんなに混沌とした戦争でも天界の者達は我らを救わなかったのだから。】


救世主などいない。


【ならば私が真の救世主となりましょう♪】


聖女として世界に安寧を齎す為に尽力したが、戦争は激化するだけだった。


【壊し改変しましょう♪世界は一度滅び一から再構築されべきなのです♪】


ユーノは何も言わず輝きの剣を振り下ろす。ディアーナはその光の一撃を受けいれる様に両手を広げた。


『___________夜明けの輝き(ラディアンス)太陽は星を照らし(シャイン)我らの希望となる(ホープ)


膨大な光の本流がディアーナを包み込む。ユーノの持てる最強最大の技。


【あぁ奇跡の光を解き放つ勇者の奥義♪身体が焼かれる♪】


ディアーナの身体は浄化されて行く。しかし、ディアーナは己の内に秘める闇を外側へと最大限に押し出し其れを防御した。


【うっ ........ふふ♪足りない.........足りないですよぉユーノ!!】


ディアーナは光の本流を闇へと染め上げる。しかし染め上げると同時に眩い光が顔面に迫っていた。


『光よおおおおこの手にいいい!!!』


切っ先に光の奇跡を集中させ貫通力、突破力を上げるユーノのフィニッシャー技。


【んん..........流石は勇者♪】


剣がディアーナへと突き刺さり、壁際まで身体を吹き飛ばされる。


『終わりだ、聖女。』


(ジョン副団長.........まだ、倒れる訳には行きませんよね。)


余りの傷みに叫び声を上げたくなるが、満身創痍になりながらもマールスと激しい戦闘を行う黒騎士を見て覚悟を決める。


【ユーノ、貴方は__________】


ユーノが握る剣へと手を優しく重ね、顔を近づけるディアーナ。


『何をして_______ 』

【_________捕食します。】


ユーノはその言葉の意味が分からないまま突如として視界の全て

が暗闇へと閉ざされた。


(ジョン........さん..............そうか......僕は....)


剣を握る手以外の肉体は深淵と共に消え、ディアーナは突き刺さった剣を地面へと投げ捨てる。


「あぁ、初めて捕食の能力を使いましたがぁ...........存外、気分が悪いですね。」


勇者が持っていた力の全てを継承した。ユーノ最大の脅威は成長限界が訪れない祝福された能力である。其れをディアーナは吸収したのである。


(ユーノが更に時間を掛け経験を積んでいたら私は容易く殺されていたでしょう。)


闇では御しきれない程の眩さ、光そのものが勇者なのだ。故に経験の浅い今だからこそディアーナは勝てたのである。















「あがっ」


右肩から胸へと掛け剣が突き刺さる。


「ぐあっ」


反対に黒騎士が振るった剣はマールスの首を大きく裂き、そのまま左肩へと剣が突き刺さった。


_________結果は相討ち。


いや、正確にはこの戦いが真っ当な人間同士の戦いであったのならば勝敗は引き分けだったのだろう。


「ぐっ、」


マールスは首を抑えつつ身体を地面へと倒す。黒騎士もまた、膝を地面へとつけた。


「がはっ、はぁ..........はぁ」


再生能力が無ければマールスとは戦いにはならなかった。


「化物め............」


マールスは黒騎士の言葉に僅かに口元を歪め、空を見上げる。光のない黒色の空。闇が広がり深淵だけが覗く。


「..............すまない。」


黒騎士は瀕死であるマールスへと近づき、謝罪をする。


「___________ふっ、ままならぬな。人生と言うのは...............」


視線を黒騎士に向けずただ空だけを見続ける。


(俺は............貴方に近づけただろうか.........父上..........)


此れまでの戦いが走馬灯の様に蘇る。幼少から今この時までの記憶が鮮明に。


「ジョン...................お前が........進む道は.........正道........では....ない.........だろう.........」


その中でもやはり、先程まで繰り広げた全力の死闘と言うのは心滾

る戦いではあった。


「だが..............一度決めた.......こ....とは」


裏切り、闇に堕ちた聖女についたお前は人類の敵だ。


「守り.......通せ............悪は......悪としての............筋を......通..........」


だからこそ彼女とは最後まで共にいる事を誓え。


「彼女を.........」


お前が聖女ディアーナを気にしていた事は最初から知っていたさ。


「......決して.....」


此れから先の未来でもお前達は戦い続けるのだろう。精々修羅の道を歩めばいい。


「...............裏切るなよ」


互いの手を離さないように精々気をつける事だ。




『ジョン、準備はいいか?』




もし、瘴気などが存在せず俺達が冒険者だったのなら俺達は何処までも行けたのではないだろうか。


『......後少し寝かせてくれ。』


共にクエストを遂行し、時には背中を預け難敵と戦う。


『まったく、しょうがない奴だ。』


旅先での問題や、小さな喧嘩だっていい思い出となる。


『だがいいのか?』


騎士団の任務ではなく、共に心ゆくまで世界を冒険するのだ。


『ヴェヌスの奴がカンカンだぞ。』


騎士としてではなく_______


『はは、それは怖いな。』


_________________________友として。








「マールス.........」


マールスの亡骸をただ、凝視する。


(俺はっ、)


胸がズキりと痛む。後悔はないが後悔を感じている。そんな矛盾とした気持ちが思考を交差する。


(俺は友と呼んでくれた男を...........)


気持ちが、精神が悲鳴を上げる。ディアーナに合う為に様々な犠牲を出し続けた。そして此れから先もこの手は血に染まっていくのだろう。


(殺した.....まただ.....俺は......)


最も大切であった血族を殺し、自分を慕う後輩を殺し、そして今度は友となった筈の男を裏切り殺した。


「ぐっ」


唇を噛み締め、血が流れ出る。


「_________ジョン、悲しい顔をしないで下さい。」


ディアーナは後ろから黒騎士を優しく抱擁する。


「ディアーナ.........」


ディアーナの手を握り締める。決して離さない様に強く。


「俺にはアンタがいる。もう、この手を放したりはしない。ずっと、アンタと、ディアーナといるよ。どんなに離れようと必ず迎えに来る。」


黒騎士の言葉を受け、ディアーナは顔を紅く染めた。


(あぁ、私が彼に惹かれ墜ちて行くのが心を通して分かる。)


そして黒騎士の頬へと手をやり顔を無理やり自分の方へと振り向かせるディアーナ。


「ん......絶命に私を放さないで下さい。もしも....もしも逃げる様な事があれば私が地の果まで追いかけて___________貴方を()します♪」


優しく口付けを交わし、ディアーナは舌を出す。


「あぁ.......あぁ....アンタに殺されるなら本望だ。」


涙が流れる。ディアーナは心配とした様子で見つめるが、彼女を真っ直ぐと見つめ返し告げる。


「.............本当にズルい人。私が殺せない事、知っている癖に。」ボソ


独り言を漏らすディアーナを横目に黒騎士は先程、マールスが残した言葉を思い出していた。


『彼女を決して裏切るなよ。』


彼が最後に口にした言葉は罵倒や怒りではなく自分と彼女の関係についてであった。


(お前は..........そうだったな。)


常に仲間の為を想い剣を振るう戦士。


「俺は進むさ。」


史実では執念と努力だけでディアーナを追い詰め相討ちまで持ち込んだ英雄だ。その男の最後の言葉を胸に、黒騎士は立ち上がる。


「ディアーナ........ありがとう.....」


彼女へと再び手を差し出す。ディアーナは万遍の笑顔を見せながら黒騎士の手を取ろうと伸ばすが。



「はい!何時までも共に永久に未来を歩んでっ......?」



______手を握る事はなかった。


「ジョン......副団長.....?」


何故ならば黒騎士は魔物が消滅する様に空気へと消えて行ったのだから。

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