第三十話『合流』
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「貴殿が噂に聞く傭兵上がりの副団長殿か。随分と手酷くやられたようだが、敵の力量でも測りそこねたかね。それとも貴殿の実力は噂に尾ひれがついていたと言うだけか?」
挑発的に煽る貫禄のある初老の騎士に黒騎士は鼻で笑う。
「突然話掛けて来たかと思えば王宮なんて安全地帯に引き籠る錆びた騎士ではないか。」
「なんだと?」
「相手の実力を心配する前に自身の実力を心配するべきだと言ったんだ。大方、ディアーナとマールスに守られてここ迄来たのだろう?」
「ならば此処で証明しよう。何方の腕が上なのか。」
レムスは剣を抜き黒騎士へと向ける。
「馬鹿な真似はやめろ。今はお前達が争っている場合ではない。」
マールスは即座に両者の間に立つ。
「こいつが先に挑発して来た。」
「だからといって挑発を仕返すな。」
マールスはため息を吐き、塔へと指を指す。
「俺達がすべき事はこの霧の正体を突き止め、止める事だ。」
「その通りです。そしてレムス、貴方は人を煽る前にその短気さを直しなさい。話になりません。」
ディアーナの辛口にレムスは剣を鞘へと戻す。
「聖女に助けられたな、傭兵。」
減らない口だと睨みつけつつ、ヴェヌスの元へと近づく。
「動けるか?」
「あぁ、聖女様のお陰でこのとおりだ。」
身体を柔軟に動かすヴェヌス。その隣には心配した様子で見守るシアリーズ。
「ヴェヌス、さっきは助かった.........だが、此れから先の戦いでは己の命を大切にしてくれ。」
黒騎士は兜を取り、彼女の手を握る。
「.............は?」
ヴェヌスは黒騎士の素顔を初めて見た。余りに整った顔立ち。そしてその表情は自分を心配してくれている顔だった。頬が紅くなるのを感じる。と言うか美人過ぎる。ヴェヌスはてっきり黒騎士の素顔は厳つい戦士だと思っていたのだ。
「と、当方は当然の事をしたまでだ!副団長殿は欠けてはならぬ戦友!故に命を賭して守ったまでだ!」
握られる手を強く握り返し、副団長を見上げる。すると彼は優しく笑ってくれた。
「はう//」
(な、なんだ......この胸のざわめきは!?)
心拍数が上がる。初めて感じる気持ちにヴェヌスは動揺を隠せない。
(当方は戦場にいるのだぞ!色欲に染まっている時間ではない!)
顔を横に振り、煩悩を振り払う。
「それでも、俺の為に命は無駄にして欲しくはない。俺はヴェヌスに死んで欲しくないんだ。」
ヴェヌスは更に体温が上がる事を自覚する。
「うぅ.......」
口説き文句にも近い発言。隣に立つ実姉に助けを求めようと視線を向けると。
「許さないって言ってしまった先程の私の発言、撤回します。あの、今お付き合いしておらっしゃる方は居られるのかしら?いないのなら私が立候補しても宜しいでしょうか。公爵家ニ女ですので金銭面は全て私が受け持ちます。あぁ、もちろん屋敷でなくとも慎ましく二人で田舎町へと移住しても宜しいですよ。料理共に掃除なども収めておりますので決して家事面でも苦労はさせません。あぁ子供の事でしたら、時期を見て作りましょう。現在は二人だけの時間を大切にしたいので。もちろん夜の営みは毎夜させて頂きます。経験はありませんが、ジョン副団長が望む体位、プレイ、如何様な願いでも喜んで致します。」
瞳の奥底にハートが見える三十路の姉に対しジト目になるヴェヌス。
「姉上、いい加減にするのだ。当方らは今まさしく敵地にいる。その様な事にうつつを抜かしている時ではない。」
「だからこそです。いつ死ぬかも分からぬ身。ならば女の本能に従い行動を取った方がよいでしょう。」
シアリーズの言う通り、いつ死ぬかも分からない危険性が伴っている。そして事実、自分は死にかけていた。聖女様がいなければ死んでいただろう事は容易に想像できる。と言うか姉上の目が本気過ぎるのだが。
「聖女様もそう思いますよね?」
「わ、私ですか........シアリーズがそう思うのならそうなのではないでしょうか。」
突然話を振られ、少し焦った様子で答えるディアーナ。
(ジョン副団長は先程の申し出を受けるのでしょうか.....うぅ)
チラチラと黒騎士の方を伺うがシアリーズの手前、下手な表情を見せる訳には行かない。
「安心しろ。彼奴はアンタにご執心のようだから他の女の誘いには乗らないはずだ。」ボソ
マールスが聖女に対して耳打ちをする。
「なっ!?」ぷるぷる
それを聞いたディアーナは顔を紅くし、マールスをキッと睨みつける。しかしマールスは気にした様子も見せず、黒騎士へと身体を向けた。
「それで_____塔の魔物を倒す作戦はあるのか?」
黒騎士は剣を抜き、真っ直ぐとマールスの瞳を捉える。
「あぁ__________」
頂上にいるドラゴンを倒すには協力が必要だ。故に彼らの手を貸してもらう。
「____________________ある。」




