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第百八十八話『行動と思い』

______何がダメだった。


この世界に来てからロクな事がない。僕だって本来ならば正義を執行する側だった。そもそも吸血鬼以外の血を吸血したことなどない。それほどまでにこの世界に召喚されるまでは徹底をしていた。


______悪へだけには堕ちない様にと。


力を見につける為、吸血鬼の血を啜って来た事実は認める。だけど、此れは人への貢献にもなっている筈だった。何せ、最後には吸血鬼を根絶やしにしたのだから。けれど人間は最後には僕を化け物と罵り、切り捨てた。無様な最後だろう。


______抵抗せずに殺されて上げたんだぜ?


流石の僕でも弟子や教え子達とは戦う気は起きなかったからね。銀のナイフを心臓部へと突き刺され、聖水と油を混ぜた火刑だ。痛かったなんてものじゃない。アレはまさに地獄。ヴァン・ヘルシングとしての名は後世では伝説の吸血鬼ハンターとして語り継がれていた。いや、僕が此処にいると言う事は創作なのだろう。


______この身も、力も........何もかもが虚像。


だけどこの世で目を覚ました時は歓喜をしたなぁ。これは神様によるご褒美なんだって。だけど違った。僕は戦いの戦果に巻き込まれただけなんだってね。



「君も創作物なのかい?」



泉の近くで黄昏ていると二人の神々が使い魔に乗り此方へと降りて来た。この様な非現実性を帯びた事象を起こすものは一つしかない_____創作物。


「ふふ、そうよぉ♩貴方、可愛いお顔をしているわねぇ♩仲間にして上げても良いわよ?」


何とも元気がよろしい事で。


「断るよ。僕は静かに暮らしたいんだ。」


あの時は戦いが終わるまで待っていれば良いかと安易な気持ちでいた。


「君、狙われる事になるけど良いのかい?」


心配した様子を見せるが、アレは演技だろう。どうにもきな臭い。


「心配はご無用だよ。何せ僕は______」


翼をバサリと広げ牙を尊大に見せる。


「__________吸血鬼だ。」


無限とも言える蝙蝠が天空を覆う。そして赤き瞳を覗かせ二人を冷たく見つめる。


「殺しに来たのなら相手をしてあげるよ。」


創作物同士が接触をすると言う事は殺し合いをすると言う事だ。


(そんな初歩的な事も忘れていたんだな、僕は........)


何故だろうか、仲良く話をしていた彼らを見て.........僕は。


「僕の心臓を返してくれ.........」


魂からの叫び。こんな中途半端な場所で命を失うわけにはいかない。アレは僕の核だ。戦いの最中、走馬灯の様に現実と過去の映像が浮かぶ。まるで夢の中に居るような非現実味を感じて。









「バロール、君の魔眼では僕は殺せないよ。」


北欧神たちとの一件を終えたころに出会ったんだ。彼の目は孤独を映し出していた。そう、まるで過去の自分を見るようなその姿。哀れみよりも共感を感じた。


「何故、死なない。」


吸血した吸血鬼どもの命をストックとして内臓しているから一度や二度殺した程度では死なない。数にして978体。最盛期の力を取り戻してこの世に顕現された。


「死んでいるよ。だけど殺せないんだよ。」


其れが答えだ。僕には変身能力、吸血、飛行、催眠、動物の支配(蝙蝠・狼・鼠・猫・梟・蚊・蛇など)と言った能力を持ち合わせている。膂力だって人間の比ではない。もちろん眷属化も出来るが、一度もした事はない。何故ならば其れが僕が人間でありづけるエゴだから。


「化け物め。」

「君には言われたくないよ。」


そんな軽口を叩ける程の仲だったと思う。もっとも彼は僕のひょうきんぶりに愛想を尽かして出て行ったんだけど。実に充実をした日々を共に過ごしたと思うよ。


「あぁ、実に楽しかったなぁ。」


バロールが一人にならず、モンゴルの大英雄の元へと下る姿を見て安心した。仲間になれたんだね。そう、彼は仲間を得る事が出来たんだ。


(なのに僕は如何なのだろうか?)


なし崩し的に北欧神の元へと下った。


「はぁ、用がないのなら消えてくれないか?」

「ひっどいなぁ、わざわざ会いに来て上げたのにぃ!」


蚩尤ちゃんは創作物としては何時も一人だった。けど、この世に根を下ろしてから会社というものを立ち上げ、人との関わりを作っていた。


「うわ、本当に鳥頭のマッチョさんだ!」


使い魔の目を使いガルーダの様子を見る。


「うーん、気難しそうな人だし合わなくて良いかなぁ〜」


ガルーダちゃんは信仰のあるインドへと移転し、地元の者達へと祝福を陰ながら与えていた。


「何か私にようかしら?」

「うーん、ご飯でも食べに行く?」

「私は用事があるので失礼しますわ。」


プシューケーちゃんは最初は尖ってたなぁ。何時も殺気を隠さずに行動していたから三下創作物達からよく喧嘩を売られては殺す冷徹な性格だったけ。


“うーみんなのアイドルぅ☆プシューケーちゃんだよー☆“


「う、うわぁ........」


半年が過ぎた頃だったかな、スマートフォンでYou◎ubeを見ていたら彼女がいた。棘が抜けたサボテンの様にイキイキした姿を見て思わず吹き出してしまったのは良い記憶だ。


(みんなそれぞれと楽しみを持って過ごしてる。だけど僕は........)


バカンスと称しアジア州内を旅をしいたけど、やはり一人はつまらない。


「つまらない...........」


そして仲間の二人が死んだと報告を受けた。其れに蚩尤ちゃんも裏切って『未知数』の仲間になったとも言っていた。


「結構プシューケーちゃんの動画、楽しかったんだけどなぁ、」


残念だと思いながらもソファーへと寝転がり違う動画を見始めヘルシング。


「そうだ.........」

(.........バロール達も仲間を失ったんだし、仲間にして貰えるかなぁ?)


バロールの所へと行こうとした時だった、監視の名目で張らせていた義体が壊された。


「うがぁっ!?」


同時に記憶と痛みがフィードバックしてくる。本来ならば記憶だけが戻ってくるはずなのだが、エレンミアによる干渉があったのだ。


「エレンミアっ、」


頭に血が上ったよ。其れに彼らが結託をすると聞いて僕の入る隙が無いことを知った。僕は一人だ。もちろん北欧神やギリシャの魔神がいる。たげどアレらは絶対に動かないし、会話も好んでする様な人種ではない。だから残された可能性は一つしかなかった。


___________未知数との接触

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