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第百二十九話『カミーユは眠れない』

「何よ、これッ!!!!」


カミーユはスマートフォンへと送られてきた水着姿のルキフェル達の姿に怒りの声をあげる。


「む、此れは.......」


水と戯れる画像一覧に流石のブランチェも嫉妬の表情を見せていた。


「ズルい...................帰ったら....セーブデータ......消す」


芙蓉はディアーナお気に入りのRadianceシリーズのセーブデータを消す事を完全に決意する。因みに携帯は日本を出る前に宝くじの賞金から一人一台購入している。


「そもそも私は納得がいかないのよ!何でジョンと私が一緒じゃないわ!?いつだって私が1番に駆けつけてたじゃない!私こそがジョンのナイトになるべきじゃないの!」

「プリンセスではないのか......」

「お前.......弱いだろ」


ブランチェは小さい声でツッコミを入れる。そして芙蓉は堂々とそう言うがカミーユは怒りのあまり他の声が耳に入って来なかった。


「SNSでグループを作ったわ良いけど、ディアーナの私物と化してるじゃないのよ!ジョンの頰にキス(※無理やり)しているツーショット写真なんて自慢以外の何でもないし!」

「最早ワザとしているようにしか見えんな。」

「此奴.........ドヤ顔.............嫌い」


そう、ディアーナが嫌がらせのようにグループチャットに如何に自分達が楽しい思いをしているのかを投稿するのだ。そして極め付けは此れだ。


”はいはい〜皆さぁ〜ん♩モンゴルには着きましたかぁ?ふふ♩私達はぁ今ぁ海で遊んでまぁすぅ♩誰と遊んでいるか、知りたいですかぁ?知りたいですよねぇ♩ふふ、でも教えませぇ〜ん♩”

”何をしているのですか、ディアーナ?”

”ブランチェさん達がぁモンゴルへと到着をしたようですので煽っ、連絡の撮影をしていたのですよぉ♩ルシファーさんからも何かあればどうぞぉ♩”

”そうですね........ジョンは私が守りますので心配はしなくとも結構です。”

”アンタらさっきから何して”はーい♩以上、インドネシアからでしたぁ♩”


カミーユら三人は歯ぎしりをしながら動画を閉じる。


「うがあああああああああああああああッ!!!!」


開港されたばかりである新ウランバートル国際空港にて叫び声が木霊する。


「気持ちは分からなくもないが叫ぶでないわ。」


ブランチェはカミーユに対し注意を促すが頭を抑え聞く耳を待たない。警備員達も何事かと此方を怪しい様子で伺っている。


「空港.....出よ.....バカ...所為....目立つ....」

「うぅ......誰がバカよぉ.....」


先ほどの動画に映る青年の場面を停止し見つめ続けるカミーユを引きずり、バス乗り場へと向かう事にした。


「........我らが目指す地ははオルホン渓谷で良いのだな、芙蓉?」


バスのチケッ卜を購入し、目的地を再確認する。


「そう........ツェツェルレグに.....ホテル....予約....した....そこから....目指す」


我らの中で唯一啓示を受けるのが芙蓉だけの為、敵の位置情報らは彼女を通してでなければ分からない。そして飛行機の移動の際にて芙蓉は断言した。モンゴルには数体の創造物が存在すると。


「オルホン渓谷を目指すのならばカラコルムの方が良かったのではないか?」

「観光客....多い」


確かに戦に多数の人間を巻き込むのは良くない。


「ジョン.....眠れないよぉ」


未だにカミーユは愛おしそうに青年の画像を見つめていた。


「はぁ、ならば早急に敵を討ち合流すれば良いだけの話だ。」

「その間はディアーナとルキフェルの傲慢に耐えろっていうの!無理よ!」


ディアーナの舐め腐った顔画像をブランツェ、芙蓉へと交互に見せつける。


「う....見せるな....それは....芙蓉....効く..」

「見るでない。見るからこそ堪えるものがあるのだ。」


三人はバスへと乗り込み最後尾の席へと座った。


「Сайн байна уу?」

(こんにちは!)


バスの運転手がエンジンをつけ、挨拶をする。どうやらバスはもうじきに出発するらしい。


「ねぇ、車を買うんじゃなかったの?」

「少年と最短で合流するのは慣れた交通機関の方が早かろう?」


流石に国境を越える際には足(車)が必要な為、その際には購入をしなければならないが。


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