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攻略ラストタワー ~にゃんこ(強)と愉快な仲間達~その3



 我らが最強ニャンコ攻略隊は、下層を抜けて中層へと肉球を踏み入れていた!


 目の前に広がるのは闇。

 香りも無臭。

 音は――魔物の気配あしおとでいっぱいだ。


 中層初階に広がっていたのは、月面のようなまっ平らな灰色の大地だった。

 まるで魔力を吸われた惑星の上。

 そんなイメージのダンジョン領域となっていたのである。


 月面暗黒の大地ともいえるエリアなのだろうか。

 光源は少ない。


 もっとも、光源が少なくてもネコ魔獣である私、大魔帝ケトスには問題なし!

 新人猫魔獣のハチワレにゃんこなホープくんも問題なし!

 ちゃんと周囲が見えている。


 しかし――。

 視界が広いという事は、敵からもこちらが見えるという事だ。


 人間種とは違って、夜目がきく魔物も多いだろうしね。

 おそらく敵が一斉に襲い掛かってくる、いわゆる階層全体が罠。大量のモンスターに覆われた戦闘領域となっているフロアなのだろう。


 事実、魔物達は一斉にこちらに向かって走ってきている。

 その数は百を超える。

 索敵をしながら私はネコ髯をぴくぴく。


『なーるほどね~、モンスターによる物量作戦か。悠長に結界を張ったら最後、そのまま嬲り殺しにされるのが目に見えているね。トウヤくん、準備を!』

「了解です――月光よ。我が心の底に眠りし闘争に、灯を齎したまえ」


 私の指示に従い狂戦士化のバフを使用するトウヤくん。

 そのエンジンがかかる前に、と!


 警戒心を強くした私は、ネコの眉間にウニャニャっとシワを刻んで。

 ネコ聖書を顕現!

 バサササササ!


『主よ――我等の道を照らしたまえ!』


 とりあえず照明の奇跡で周囲を明るくする私。

 偉いね?


 治療魔術を扱えるのがグレイスさんとヒナタくん。

 そして私なのだが――彼女達は今回、攻撃寄りにスキルを習得している。


 なので、役割分担。

 魔力も枯渇しない私が、僧侶系の魔術ともいえる奇跡と祝福のスキルを重点的に習得したのである。


 さて。

 準備は整った。

 光源に惹かれて奥の魔物も一斉にやってくるだろう。

 これは誘蛾灯、敵を一挙に倒すためのニャンコトラップでもあるのだ!


 肉球でじりじり。

 ダンジョンの冷たい床を踏みしめ――にやり!

 ジャンプ!


 トウヤ君の肩に乗って、ビシ!


『さあ行くのだ、我が最強タクシー! 《悪戯ニャンコの帳簿改竄》を発動するよ! 後は流れで!』

「ああ! いいぜえケトスさん! 最高だ、最高の舞台だ! 燃えてきた、ああ、燃えてきた! おもしれえじゃねえか、雑兵ども。全て俺らの経験値にしてやるぜぇ!」


 目を赤く輝かせる我等は、仁王立ちになり。

 なーっはっはっは!

 完璧なドヤである!


 ここで――《悪戯ニャンコの帳簿改竄》が発動!


 敵を倒した数に応じて増大する、殺戮数キルカウント

 殺戮の魔猫として私はそれなりに敵を屠っているからね!

 蓄積されている尋常ならざる殺戮数を、トウヤ君に半分付与!


 トウヤ君が所持する謎の特殊スキルの効果は、かわいいネコに触れると魔力や体力が回復していく。

 つまり。

 私がトウヤくんにたかった状態で、暴れ回れば。


 自動回復殺戮マシーンの完成!


『さあ行け、いざ行け! やっつけろ! 無双タイムじゃぁぁぁぁぁぁぁぁっぁあ!』

「行くぜ! ああ、行くぜ! ケトスさんと共に反英雄になってやるよ――!」


 狂戦士化状態で、瞳を赤く灯らせる殺戮騎士。

 その肩の上で、憎悪の魔性として瞳を赤く灯らせる殺戮の魔猫。

 二人は殺戮の冒険者!


 最強コンビでいざゆかん!


 うごぉぉぉぉぉぉっぉぉおおおっぉぉぉぉぉ!

 めめめめめっめめ!

 ぎしゃぁぁぁごぉぉぉぉぉぉぉ!


 魔力に反応したのだろう、なかなかファンシーな獣の咆哮が響き渡る。

 マンティコアやキマイラ。

 ヌエや毒爪アライグマといった獣タイプの敵が一斉になだれ込んでくる。


 ……いや、なんでアライグマ?

 まあヌエと伝承が似ているから、勘違いされたというエピソードを耳にしたことがあるが。

 鑑定してみる。

 アライグマ、だねえ……レベルが二百ぐらいあるし。ゲーム状のアライグマだからあくまでも魔力幻影、根本的に野生のアライグマとは異なるんだろうけど。

 まあいいや。


 一番警戒するべき反射能力をもっていそうな敵は……なし!

 毎度のことだけど。

 一番怖いのは、こっちの過剰気味な破壊力を反射されることだからね。


 私とトウヤ君の後ろ。

 安全地帯に、グレイスさんとヒナタくんとホープくんが不可視状態で隠れている。

 ぶっぱなしても問題なし!


『じゃあとりあえず! 殲滅!』

「滅びな、滅びな、滅びちまいなぁぁぁ!」


 トウヤ君の翳す手のひらから発動するのは、殺戮数に応じた固定ダメージを発生させる――闇の霧。

 これだけだと単体攻撃なのだが。

 こっちの準備も計画も、既に整っているのだ!


『予定通りに、ヒナタくん!』

「オッケー! 華麗に決めるから、まあ見てなさいよ!」


 すぐに剣を構えた聖剣使いの女子高生勇者、ヒナタくんが――黒髪をカラスの羽のように広げ。

 カチャン!

 不可視状態を解除し、ヒーローのように見参!


「んじゃ! トウヤくんの固定ダメージを、この階層の敵全体に広げるわ!」

『頼んだよ!』

「頼むぜぇ――勇者のお嬢ちゃん!」


 私とトウヤ君は、再び仁王立ちで――腰に手を当て。

 口を大きく開けてぇ。

 くはははははははははは!


 くはははははははははは! くはははははははははは!

 くはははははははははは! くはははははははははは!


 あー! 相方がいると、気分がいい!


 気分よくダブル哄笑を続ける私を見て――。

 うにゃ?

 新人ネコ魔獣が尻尾をハテナの形にくねらせる。


「グレイスお嬢さん、我が主とトウヤ殿はなにをなされているのですかな?」

「意味のない行動とは思えませんし。たぶん、挑発ですね。あの大笑いで敵のターゲットをかき集めているのでしょう……お、おそらくなので確証はありませんが――」


 なるほど。

 そういうことにしておこう。


「騙されてるわよ! あんたたち! そういうんじゃないと思うけどって、どうでもいいわ――さあ、いくわよ!」

「こちらの準備も抜かりなく。呪符いつでも発動可能でございまする!」


 アイテムボックスに猫手を突っ込むホープ君。

 それを確認したヒナタくんが、頷き。


「勇者の名において命じるわ――盟友の技はあたしの技、あたしの技もあたしの技! 邪悪なる力よ、拡散なさい!」


 聖剣の切っ先に浮かんだ魔法陣が、トウヤくんのスキルを吸収。


 聖なる剣による輝き。

 その光を纏った闇の霧は膨らみ――空気に浸透。


 そのままダンジョン領域の上空に浮かび。

 覆う闇の衣のように広がった――次の瞬間。

 スキル本来の使用者。

 殺戮騎士トウヤくんが手首に筋を浮かべ、ぎゅっと拳を握る。

 ザザザザザ……。


「爆散だ! 吹き飛びやがれ!」

『くははははははははは! 我等の道を邪魔した、その愚かさを悔いるがいいのである!』


 ザァァァアアアアアアアアアアアアアァァァァッァァ!

 まさに殺戮マシーン。

 固定ダメージの雨が、回避不可避な魔導散弾となって降り注ぐ。


 はーい、これで終了!


 阿呆みたいな数の固定ダメージを受けて、ダンジョン領域は沈黙。

 パパパパッパラ、パパパッパ―……!

 レベルアップのシステム音が、まるでバグったように流れ続けている。


 アイテム係のハチワレホープくんが、経験値取得率増加のアイテムを完璧なタイミングで使用したのもイイ感じ!


「よっしゃぁぁぁあ、殲滅!」

『やったね! 作戦通りだ!』


 私はトウヤくんの肩に登ったまま、勝利のポーズ♪


「ええ! 我が主! 見てくださいましたか! この吾輩の完璧なるアイテム使用のテクニック。いやあ、経験値増加の呪符を大量に分裂させて、全て同時に使用など、我が主もなかなかにセコ……いえ、あくどい……いえ――えーと、グレイスさん、こういう時はどう言えばいいのでしょうか」

「え? 私に聞きます!? えーと、ずる賢い……だとマイナスイメージですし――効率厨……はゲーム用語でしょうし……」


 困った様子で、弟であるトウヤくんをチラっと見るグレイスさん。


 狂戦士状態で逆立っていた髪がビクビク!

 さすがに姉に見られると色々と気まずいのだろう。


 中層初階の全ての敵を一掃し――ふぅ。

 バーサーク化を解除したトウヤくんが、いつもの寡黙クールな美青年に戻り。

 ぼそぼそぼそ。


「ふつうに、賢いでいいんじゃないっすか?」

『ねえ、なんで君達。普通に私を褒める気がないんだい……? って、まあいいや。敵がリポップする前にアイテムを回収して次の階層に行くよ!』


 言いながら私は肉球をパチン!

 ネコ魔獣冒険者スキルである《悪戯ニャンコの廃品回収》を発動!

 効果はわかりやすく、ドロップアイテムの回収。


 フィールドに落ちている戦利品が、次々とパーティー共有のアイテム収納亜空間に回収されていく。

 確認するべく動いたのは我等がアイテム係。

 使命感に満ちた顔で、ハチワレホープくんが顔を突っ込み――。


「おー! また経験値増加のアイテムがありまするな! 我が主! 分裂の魔術を!」

『おー! 次の階層でもまた経験値、超倍増状態で敵を殲滅すれば! 無限ループができそうだね!』


 二匹のニャンコが亜空間に顔を突っ込む姿は、なかなかにプリティなのだろう。

 ねこしっぽをファッサファッサ♪

 んにょ~んと伸ばす足の裏。

 輝く肉球もイイ感じである。


 そんなダブルかわいいの狭間。

 揺れるシッポに顔を差し出すのは――ネコ汚染が始まっているトウヤくん。


 尻尾ビンタでぺちぺちファサファサされる、その顔は真顔なままのようだ。

 んーむ……こっちもブレないなあ……。

 狂戦士化状態じゃないと、あんまり感情を表に出さないみたいなんだよね、トウヤ君。


 残念イケメンを見て、ヒナタくんが頬をポリポリ。


「ねえグレイスさん。これ、お姉ちゃん的にはどうなの? すっごい残念な感じになってるんですけど……」

「そうですねえ。わたし個人としては――無趣味だった弟が、ようやく好きな事を見つけてくれたみたいで、嬉しいとは思いますよ。ま、まあちょっと真顔のまま、ケトス様とホープさんの尻尾にぶつかりに行く身内……ってのも、複雑なのですが」


 言いながらも私達は上がったレベルでスキルを習得。


 たぶん想定外な方法での大幅なレベリングだったので、上り幅も想定外。

 皆のレベルは、三百ぐらいにまで上がっていた。


 ちなみに――。

 三百というと、普通にピンチになっている異世界を救える勇者ぐらいのレベルであり。私の配下の神話書から顕現した騎士ネコ。

 聖猫騎士パニャディンと同じぐらいの領域である。


 魔王軍幹部と比べてしまうと話にならないが。

 人間としては、大英雄レベルにまではなっているだろう。


 普通ならば、このまま塔の攻略も無事完了するのだろうが……。

 ……。

 私は、ふと直感を信じてにゃんスマホを操作し、スキルを選択。


 ピーンピーンピーン!

 スキルを振って――っと。


「あれ? ケトスっち。破壊の魔術式を習得するんじゃなかったの?」

『ん? まあ、ちょっと念には念をね! よーし! じゃあ次、行ってみよう!』


 肉球でビシ――っと次のエリアを示す私。

 かわいいね?


 ◇


 もはや止まらぬ我等はダダダダダ!

 中層を無双で走り続ける――。


『血に染まれ――!』


 私も呪い系統の魔術を習得したので、新しい階層に上がった瞬間に発動!


 連鎖式の伝染呪殺なので、一体にかければ問題なし。

 待ち構えていたモンスター達が次々と、バタン。

 何もしていないのに一体。また一体と血に染まっていく。


『くくく、くははははははは! あー! やっぱり自分自身の手で無双するのも気持ちいいよね~!』

「ちょっとケトスっち! なんであんただけそんなにレベルが高いのよ! こっちの三倍くらいあるじゃない!」


 卑怯よ! 裏技ね!

 と、ブーイングを上げるヒナタくんに、私は猫指をピンと立ててチッチッチ!


『前にもちょっと言っただろう? 私は低級ダンジョン猫、基本職の猫魔獣だからね。次のレベルに必要な経験値も低い、レベルの上がり方が早いのさ』


 ダッシュで殲滅!

 猫声で殲滅!

 いやあ、自分を神と認識させて発動させる呪いって最高!


「それは分かったけど、じゃあこの呪いはなんなのよ! いつのまにか敵、全滅してるじゃない!」

『私は祟り神で荒魂で破壊神で猫魔獣神で、まあ色々な属性を持っている邪神でもあるからね。本気になれば、世界そのものを呪い殺せるネコ神による呪いなんだ、これくらいは普通だよ。普通』


 言われてヒナタくんは美少女顔で上を向き。

 げんなり……。


「あーそういや……あんた、マジもんのラスボスみたいな存在だったのよね。最近、グルメに抱きついてドヤ顔。ぶにゃははって笑う……おもしろおかしい猫って印象しかなかったから、すっかり忘れてたけど――」

『神は表裏一体。善神にも邪神にもなるってことさ』


 わりとシリアスなセリフなのだが。

 ヒナタ君の方はジト目である。


「お菓子を食べて人の布団を占拠して、食っちゃ寝、食っちゃ寝してるあのモードのどこが善神なのよ。って、まあ――あの大いなる光もそうだったわね。よく人の布団の上で、ポテチをばりばり。食べカスをばら撒いても気にせず、テレビを見ながら二匹で笑ってるわよね……。邪悪よ、あんたたち。本当に邪悪。そっちの世界の神って、やっぱなんかズレてる気がするわ」

『我の邪悪さ! 存分に思いだしたようであるな!』


 ドドドドドド、ドヤァァァァァァ!

 そう!

 たまには邪神っぽいこともするべきだと、思っていたのである!


 まあ、お布団ポテチ事件はともかくだ。


 この呪殺無双に関しては、口にはしないが――。

 実はちょっとした意味もある。


 もう中層もそろそろ終わる。

 上層に近づけば、さすがに黒幕も何かを仕掛けてくるだろうからね。

 あえて邪悪なる神としての一面を見せているのである。


 これで少なくともトウヤくんの固定ダメージ攻撃。

 私の呪殺無双。

 これがこのパーティーのメイン火力だと認識した事だろう。


 さきほどから、私はとある視線を感じていたのだ。


 それは今は協力関係にあるあの七柱。

 鬼天狗や琵琶天女、黒き破壊神。

 彼らが私達の様子を水晶で眺めていた時に感じていた視線と――同じ。


 あの時の私は八柱の気配を感じていた。

 けれどだ。

 私と関わったのは七柱。


 視線が一つ多かったのだ。

 そして、今、この塔から感じる視線はあの時と同じもの。

 つまり、ダンジョンタワー要素をアップデートする前から既に、アン・グールモーアは私の様子を探っていたという事になる。


 もしかしたらここは、どうやっても勝てない私を勝てるレベルにまで落とし。

 その力を吸収するための罠。

 ここに引きこもっていたこと自体が、敵の策略という可能性もある。


 ふむ……。


 こちらも、出来る手段は増やしておくべきだろう。


 ◇


 無双を続け、スタコラにゃっにゃ!

 やってきたのは中層の最終ステージ。

 いわゆるフロアボスのいる場所――大規模戦闘フィールド。


 ここのボスを倒せば、上層への道が開かれる筈なのだが――。


 そこには無が広がっていた。

 まるで既に殲滅が終わった後のような、静寂である。

 そして目の前には、上層に進む階段。


 明らかに様子がおかしい。

 ヒナタくんが周囲を見渡し、むぅっと呟く。


「なによ、何もいないじゃない。あたしたち以外にパーティーはいなかったはずだし、どうなってるの?」

『あー、なるほどね。やられたね――こりゃ』


 答えを導き出した私に、グレイスさんが言う。


「どういうことですか? わたしには、バグか何かで……ボスが不在になっているだけとしか思えないのですが」


 突然ボスが湧いてもいいようにだろう。魔銃を構え――警戒したままな姿が、なかなかに偉い!

 本当に成長したよね、彼女も。

 そんな感慨も覚えつつ、私は答えを返した。


『これはここを乗っ取っているアン・グールモーア? とかいうヤツの策略さ。本来ならここで経験値とアイテムを大量に補充できる筈だったんだけど――私達はボスフロアまるまるの経験値を獲得できていないことになる。これは大きな損害だ』

「経験値が……まさか!」


 顔を歪め今の言葉を漏らしたという事は、グレイスさんも気が付いたのだろう。


 どうせ魔物を差し向けても、私達は規格外。

 反則や裏技で全滅させてしまう。

 無駄だと判断した場合に相手が取る行動は――。


『そう。わざとバグを発生させてこれ以上のレベルアップを妨げているのさ。アイテムも補充できないとなると――厄介だね。もしかしたらもうここからは魔物もアイテムもでてこないんじゃないかな? 私達はこのまま、ラスボスと戦わなくてはならなくなる』


 クールに告げて――ふと私は考える。

 これってズルくね?

 と。


 ……。


 お、おのれえ!

 せっかくのゲームを台無しにしおって!


 ゴゴゴゴゴゴゴと猫毛を逆立てる私に、冷静さを保ったままのヒナタ君が言う。


「で、どうする? 引き返して外から永遠にこの塔を封印するって手もあるわ。まあ、そうなると、例の異界の悪主神を滅ぼすことはできなくなるけど――封印できるのだから、危険も無くなるわ」


 三つの世界に関わり、救った勇者である彼女の顔もクール。

 現実と戯れ。

 二つのバランスが整っているのだ。


 本当に、修羅場を経験した数が違うのだろう。

 そんな黒髪美少女に目をやって。

 私は呑気な顔で言う。


『それは最終手段だね。まあ大丈夫。相手が裏技を使うなら、こっちも裏技を使うだけさ』

「裏技?」

『ま、敵が考えそうなことなんて、だいたい読めていたってことだよ』


 にひぃ!

 卑怯な戦術で私と対抗しようなんて、二千年は早いのである!



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― 新着の感想 ―
[一言] ケトス様のうらわざ!? 大丈夫、WAZ○Pのお墨付きだよ!
[一言] 「お布団ポテチ事件・があるなら「おこたハッピーターン事件」もあるに違いない……真実は何時も一つ!!by謎探偵ニャンコ
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