【SIDE:気付きし旧神達】 神々の悪戯 ~それぞれの理想~
【SIDE:蠢く七神】
異界から現れた謎のネコ魔獣による世界干渉。
日本ソシャゲ化現象。
世界創生規模の大魔術を観測した力あるモノたちは皆、前代未聞の事件に騒然としていた。
早急に集まった旧神は、七柱。
場所は秘匿領域。
暗闇のオフィス空間に集まる者達の正体は皆、異形な存在であった。
その中でもリーダーと思われる存在。
一番魔力も体格も大きな浅黒い肌の男。
その寡黙そうな薄い唇の銜えるパイプタバコが――静かな闇の中で赤い灯りを揺らしていた。
彼の名は鬼天狗。
古くにこの世界に流れて定住した、翼ある人型種族。
分類は鬼神。
戦いに生き、戦いを愛したその武勇から武神天狗とまで呼ばれた男は、今宵の来訪者を見下ろし――。
煙と共に息を漏らす。
悠然と周囲を睨むその瞳は鋭い。
まさに鬼であった。
もっともその強靭な体躯を包むのは着物や武者鎧ではなく、まるで極道を彷彿とさせる高級スーツである。
そう、彼らはもはや人としての生活を営み。
それぞれが自分の仕事を持っていたのだ。
鬼の眼光の先にあるモノたちは――皆が皆、かつて神とすら呼ばれた強者たちばかりであるが。
やはり人の姿をしている。
まさに時代が変わったのだ。
人に化け、人間社会に溶け込み――人として生きる、それが今の旧神達である。
七人の神は、互いに互いの顔を確認する。
その手に握られているのは面妖な魔道具。
にゃんスマホ。
突然顕現し、強制的に装備させられている未知の領域の魔術アイテムである。
鬼天狗は長身強面から発する威圧感を隠そうともせず、天狗の翼をバサり。
鬼の目線が、次に発言権の強い老人に向かう。
「此度の騒動。黒き破壊神よ、そなたもいち早く気付いていたようだな――」
老人は建築業で成功している神、老いてはいるがその覇気をいまだに保つ狡猾な老体――。
呼ばれし名は――黒き破壊神。
「なーに、当然じゃ。アレに気付かぬようでは終わり――耄碌が過ぎるというモノじゃろうて。天狗の。おぬしは相変わらず随分と余裕であるが、よもや此度の事件の首謀者に、心当たりでもあるのか?」
破壊神に問われ――。
鬼天狗は高い鼻を擦り、寡黙に唸る。
「心当たりはない。されど――その姿を捉える事はできた」
「あら、それは僥倖。ならばわたくし達にも見せてたもれ、なーんて、古い言葉はもういいわよね。そのために集まったのでしょう? もったいぶらずに、見せて頂戴な」
琵琶を鳴らす天女が、紫色の口紅を光らせ要求する。
寡黙で武骨な鬼天狗。
老骨な破壊神。
紅一点の琵琶天女。
彼等三柱が、この七人の中で会話を進めるつもりなのだろう。
他の者は、三柱の動向を見守っているのみ。
鬼天狗が眉間の皺を更に尖らせ。
唸る。
「その前に。確認だ――此度の事件、七柱が全員協力をして事態に対処する。それで良いのだろうな?」
「かまわなくてよ、そうじゃなきゃ――こんな所に顔を出さないわ」
「なにしろワシらの土地を土足で上書きするようなヤツじゃからな。協力せんわけにはいかんじゃろうて」
然り。
周囲からも声が上がる。
同意と受け取ったのだろう。
鬼天狗がパイプタバコから霧の魔法陣を展開し――映像を投影する。
映し出されたのは、魔道具を経由させた写真データ。
そこに映っていたのは。
……。
黒くて大きな、太々しい顔をした猫だった。
カメラ目線でおもいっきりピースサインをしている、どこからどうみても弱そうな、異界の猫魔獣である。
その後ろには、ゲームを楽しむ黒髪美少女な女子高生の姿もある。
そう。
生意気な顔をした黒猫と、ちょっとかわいい女子高生だったのだ!
鬼天狗を除く旧神が集合し、ヒソヒソヒソ。
あの朴念仁な鬼天狗が、女子高生のプライベートを……と、盗撮?
と、ざわめきが起こる。
うわぁ……とした声を振り払うように、破壊神が言う。
「天狗の……。そういうギャグはその、なんじゃ……滑っとるぞ?」
「あら、いいじゃない。ふふ、鬼天狗、あんたにもそういう可愛い所があったのね。さすがにこの状況でそれは、ちょっと引いてしまうけれど」
老いた破壊神と琵琶天女の指摘。
二名の揶揄を不快に思ったのだろう、鬼天狗があからさまに眼光を鋭くさせる。
「ギャグでも冗談でもないから困っているのだ――」
周囲がざわつく。
そのざわめきは黒猫への懸念ではなく、鬼天狗への憐れみ。
あー、ついに耄碌したかと思ってしまったのだろう。
構わず鬼天狗はデータを提示し続ける。
次々と上げられる写真データ。
そこに映る黒猫と女子高生は、色んな決めポーズを取ってドヤ顔。
まるで――もっと撮れ、かっこうよく撮るがいい!
くはははははははは!
そう嗤っているかのように見える程、カメラの前で猛アピールしているのだが。
黒き破壊神がある事に気付き。
ぞっと瞳を曇らせる。
「天狗の……おぬし、これはどのような手段で撮影をしたのじゃ?」
「我が霊峰の水鏡――距離にして、凡そ四百キロの長距離撮影である」
旧神達は息を呑んだ。
それほどの距離の撮影を感知し、その一瞬のシャッターチャンスを逃さずドヤ!
全てに完璧な決めポーズを取っているのだ。
ギャグみたいな光景であるが、この一枚一枚の写真、全てが恐ろしき研鑽の果ての超反応。
この黒猫が尋常を越えた、ナニかであると理解できてしまった。
だから、声が死んだ。
沈黙が走ったのだ。
皆の静寂をゆらりと確認した鬼天狗は――眉間の皺を濃くし。
「そしてこれがその黒猫の仲間と思われる、神獣」
武骨なその手から、ひゅーっと浮かんだ写真に写されているのは――。
鋭きクチバシの神鶏。
カメラ目線で鳥足を器用に組む、白きニワトリだった。
様々な観光名所の彫像の上で、ドヤァァァァァァッァア!
翼を広げ、決めポーズ!
一見すると、目立ちたがり屋な野良ニワトリに見えるが――恐ろしいのはその行動範囲だろう。
一瞬で、日本各地――異なる観光名所の像の上に転移し。
ただただ無駄に、偉そうなポーズを取っているのだ。
まるで、相手に記念写真を撮らせるように。
「ニワトリだわよね?」
「そう、ニワトリなのだ――だがこやつは空間転移にて、一瞬で空間を駆ける。ただのニワトリではないであろう。そして今朝がた降臨したと思われる新たな異界の神が、これである」
次に写されたのは、カメラ目線でキメ顔を作るシベリアンハスキーと白い鳩。
当然。
会議と化していた集会は大混乱。
鬼天狗が煙を吹かせながら、ぼそりと呟く。
「仮にこの者らが――今回の首謀者だとして。いったい何をしたいのか――我には分からぬ」
「本当にこいつらなの? わたくしにはただ観光をしているようにしか見えないけれど……」
琵琶天女の言葉ももっとも。
しかし、あきらかに何かがおかしい存在でもある。
老骨な破壊神が、ぎょろりとした魚目を光らせ言う。
「どうじゃ、今のこやつらの様子を映してみるというのは。これだけの強者が揃うておるのだ、それくらいの遠見はできようて。本当にこの者らが関係しているのなら、動向を探る必要もあろう。ただ流れてきただけの、愉快なアニマルなら、捨て置けば良いだけじゃろうて」
七人の神は互いに顔を見合わせ。
頷く。
異論はないのだろう。
七柱の神による、遠見の儀式が開始された。
◇
遠見の水晶球を操るのは、黒き破壊神。
老骨なるしわしわな手が――魔術式を刻んでいく。
術は――成功だ。
鬼天狗と琵琶天女が、ほぅと息を漏らす。
「成功――であるか」
「そのようね」
「ほれ、見えてきたぞ皆の衆。今のあやつらは――ほう、どうやら同じ場所に集結しているようじゃのう。これは……どこかの上空。神聖で気高き地、眠る火の山の上であるな」
破壊神の声に、鬼天狗がうすらと唇を開く。
「犬も鳩も、あの黒きネコの仲間――ということか?」
「そう急くな、まだ分からん」
老骨な破壊神が水晶球を回しながら――片目をぎょろっと拡げ。
ぶつりぶつり。
遠見の魔力を操り言う。
「ふむ、ニワトリは勝手にやれと見学し。黒猫がくはははははは、と嗤い。犬と鳩が黒猫と戦うようであるな」
「どうせ異界から流れ込んできた、なんでしたっけ? 古き神々? あれと一緒なんじゃないのかしら? それなりには強いんでしょうけど。わたくしはあまり興味なくてよ」
ビシっと犬と白鳩を指さした黒猫が――輝く王冠と禍々しい魔杖を顕現させ。
装着。
肉球で魔導書を浮かべながら、ふふん♪
杖を一振り。
次の瞬間。
うにゃうにゃ!
ででで……。
ゴザゴザゴゴゴゴゴゴォォォォォォォッォオン!
揺れる世界の中で、琵琶天女が声を荒らげる。
「な、なによこれ!」
「なんという……っ、衝撃じゃ……ッ」
集会場を結界で覆った鬼天狗が、ぐっと口角を下げて唸る。
「どうやら……、当たりだったようだな――」
「それにしても、なんて馬鹿力じゃ! 破壊神としてのワシの力を越えておるぞ……っ」
黒猫達の戦いは続いている。
神狼と思われる犬神が、ワォォォオオオオォォン!
我と遊べ! 我と遊べ!
そんなオーラを放ちながら、黒猫の周囲を神速移動し続けている。
ぶんぶん揺れるワンコ尻尾が天地を揺らし、雷鳴を轟かせる。
白鳩は犬型のスマホを構えて、カシャカシャカシャ!
犬の写真を撮り続けているようだ。
「もう! 本当になんなのよ!? これ……!?」
「猫と犬の撮影会……じゃのう。いや、放っている魔力は世界を数度壊せる程の神話領域じゃが……。なぜこやつらは、このような大規模破壊魔術を使っておいて、笑っておるのじゃ? すこし、いや、だいぶ頭のネジが外れた存在とみえる」
鬼天狗は考える。
犬の方は明らかに主神クラス。
世界を創世できるほどに強力で気高き神聖なる獣だ。
その後ろで舞いながら連続撮影をする白鳩はおそらく、主神クラスの光り輝く神の分霊体。
対する黒ネコは邪悪なる御霊、神魔混合の力持つ荒魂神。
その実力は未知だが、主神クラス二柱を同時に相手にしても怯むどころか大笑いして――ドヤァァァァァァ!
遊びに喜び。
尾をもこもこっと震わせている。
この猫こそがおそらく、この日本全土を結界で覆いゲームの世界に書き換えた主犯。
ソシャゲ世界を取り巻く闇の魔力の性質。
憎悪の魔力を糧とし、変換させている極めて無駄のない魔術式。
二つの性質が酷似しているので間違いないだろう。
三柱とも次元が違う。
神としての器が逸脱しているのだ。
おそらく、呑気に見学しているニワトリも同格の神獣と考えるべきか。
戦いを見守る鬼天狗が唸る。
「ふーむ……こやつら、遊んでいるな――戦いでは……ないのか?」
「遊びでこれじゃというのか!? とんでもなく迷惑な連中じゃのう!」
「いったいなにしに来たのよ! この迷惑な獣神たちは!」
その理由を知らぬ彼らは困惑し続ける。
鬼天狗が最悪な可能性を考え、ぼそり。
「侵略……か」
神々は震え、ごくりと息を呑む。
破壊神が乾いた声で、淡々と告げる。
「はたまた。遠くの地、遠くの世界。ワシらも知らぬ三千世界の果てにある場所の神――主神の座をかけた崇高な戦いを、この地を利用し行おうとしておるのやもしれぬな」
「どちらにしても正気じゃないわ……っ。どうするのよ」
天女の狼狽はもっともだ。
鬼天狗が頬に汗を浮かべながらも、冷静に告げる。
「静観するしかない。今、我等が交渉しようにも、巻き込まれ消滅するであろうからな」
「左様じゃて」
「見て! あいつら、集まりだしたわ!」
戦いとは言えない迷惑なじゃれ合いも終わったのだろう。
次第に彼らは集まりだし。
世界に干渉するほどの大魔力を纏い、魔力波動で天を衝く。
四柱で同時詠唱。
それぞれの手には、にゃんスマホが握られている。
そこに映し出されているのは――。
史上最低。
最悪で極悪な超難度からコアユーザーにしか受けなかった、ダンジョンロールプレイングソーシャルゲーム。
「ね、ねえあれって……鬼天狗。あんたが経営している鬼畜難易度ソシャゲじゃなくって?」
「そのようだな……つまり、先のゲーム化は琵琶天女。貴様が生み出したくだらん乙女ゲーなるソシャゲを元として、世界を書き換えていたのではあるまいか?」
「じゃろうて……ならば、あのギャルゲーの世界は」
鬼天狗は腕を組んで、老骨をちらり。
「黒き破壊神、貴様が趣味で経営しているあの、女の露出ばかりが目立つ、残念なソシャゲであろうな」
三柱は睨み合い。
「あーら、くだらない乙女ゲーよりも売り上げが低い? 武神様の? 難しいとムリゲーの意味を取り違えたゲームは? 今、どれほどの信仰値を引き出せたのかしら?」
「我の生み出した崇高なるダンジョンゲームの評判は上々。人間の情欲を煽りゲームを通じて誘惑、課金させるなどというくだらん詐欺ゲームと、同じにしてほしくはないな」
「ふぉっふぉっふぉ、つまり、女の子が一番だという事じゃな?」
そう。
この世界のソシャゲの半分ぐらいは、神々が自らの信仰値を稼ぐために経営している神ソシャゲだったのである!
そんな邪道な信仰値稼ぎ。
欲にまみれたゲーム経営などに手を出してはいない、まっとうな残りの四柱が言う。
どうでもいいが、あやつらは何をするつもりなのだと。
三柱はぐぬぬぬとした睨み合いを止め。
水晶球に目を戻す。
「ね、ねえ……わたくしの麗しい乙女ゲーが世界のベースに使われているとしたら。今、あの迷惑な獣神がやっているのって」
「おそらく、我のダンジョンゲーム要素を新たに世界にばら撒く気であろうな」
腕を組み、口に銜えたパイプタバコからムフ~!
なぜか嬉しそうに、武神でもある鬼天狗は満足そうに頷いていた。
老骨な破壊神が、水晶球をさらに強く覗き込み。
「……のう、止めなければ不味い事になるんではなかろうか?」
「な、なぜだ!? わ、我の調整した完璧なバランスのゲームが日本に広がるのであるぞ? こ、これを止めるのは、我、か、神として、よくないと思うのだが!?」
寡黙な顔など吹き飛んで。
くわっと驚愕する鬼天狗に、黒き破壊神がひしゃげた声でいう。
「あー……すまんがのう。鬼天狗、貴様の鬼畜クソゲーをすこしやったことがあるが……あんなもんが広がったら、日本の終わりじゃぞ?」
「そうよ……課金装備アイテムが確率で壊れるなんて……さすがにないわ。しかも最初のダンジョン層からいきなり即死攻撃の連打に、一歩歩くだけで体力の半分も削る毒を撒くイモムシや蝶がでるって……あなた、ユーザーを楽しませる気、まったくないでしょう?」
鬼天狗はプルプルと二の腕を震わせ、食い下がる。
「しかし! ゲームへのアンケートはいつも、ちょうどいいバランスだと言われておるのだが? むしろ、もっと敵を強くしてくれと、苦行を求める熱き想いが送られてくるのであるが!?」
「そりゃ、あなた……そういう鬼畜ゲーが好きな、魂までマゾなユーザーしか残っていないからでしょ? ふつうのひとは……二度とやらないだけよ」
「ええーい! いまはどうでもよいわ! で、どうするんじゃ! 止めなければ、あやつらの世界改変の魔術が発動されるぞい!」
あの四柱の力が強すぎるからだろう。
本来なら拾えない筈の音声。
水晶球から声が漏れ始める。
犬の声が、まず届く。
『ワウゥゥッゥゥゥゥ。のぅケトスよ。おまえがどうしてもと言うから、この、なんであるか、鬼畜ダンジョンゲーを追加するが……本当に大丈夫なのであるか? 我はちと心配であるぞ』
『えー、ホワイトハウル。この神ゲーのどこに問題があるっていうのさ? 初手でいきなり即死級の攻撃をしてきたり、選択肢を間違えると全財産をロストしたり、やりごたえがありそうな良ゲーじゃん! 今回はみんなと相談して決めたんだし、ヒナタくんにも主神の許可を取ったって連絡したし! ちゃんと反省できた私、偉いし!』
ドヤる黒ネコの声が続いて。
ニワトリの声が響く。
『ククワワ……余は思うのだが、ケトスよ……。そなたは普段、どんな相手にも負けない強さをもっているせいで、理不尽な死にゲーに惹かれてしまっているだけではないか? まあ、どうしてもというから、データ追加に協力はするが……乙女ゲーとギャルゲーの世界に鬼畜ダンジョン要素を足したら……どうなってしまうのか。余には分からん』
「まあいいじゃない! 人にはある程度のストレスがないと駄目なのよ! 退屈になったり、神への祈りが薄くなっちゃうから――こういうゲームもあると、うん! 神に祈りを捧げる機会が増えるから、悪くないと思うの!」
白き鳩が一番乗り気で、おほほほほほほほ!
ネコの肉球とツバサでタッチし。
『おー! 珍しく意見が合うじゃないか!』
「だって~、神としては人間の可能性を信じているもの! もっと、もっと強くなってくれてもいいと思うの! そのためには、修行も必要よ! ケトスちゃんのおかげで死なない空間なわけだし? 五年後の滅亡を防ぐキーともなるだろうし? ゲームで遊んで世界崩壊を防ぐ力を身に着けるのって、悪くないと思うわけよ!」
黒猫と白鳩が意気投合している。
それが逆にとても不安なのだろう。
『バゥゥゥゥ……趣味全開であるが、本当に世界滅亡を防ぐための効果が得られる、すなわち平和にも繋がるからのう。あまり強く言えんし。よけいにたちが悪いのではないか、ロックウェル卿』
『クワワワ……まあ、よいではないか。ケトスが一度全世界を救ったのは事実。そして此度の事件も本来なら無視しても構わなかったのだ。そこに救いの肉球を差し伸べるのだ。これくらいの遊びは、許されようて……いや、まあほんとうに……鬼畜ダンジョンゲーはどうかと思うがな』
ニワトリと犬は汗を流しながら、互いの顔を見て……はぁ……。
かまわず白鳩が言う。
「それじゃあ二年間の世界管理は四柱でちゃんとやるってことで、いざとなったら最初からやり直せばいいしね! しっかし、ゲーム化により柔軟にした世界の時間軸を操作、蓄積魔力と時魔術による時間のセーブポイント作成理論なんて、ケトスちゃんは神の才能があるわね!」
『ぶにゃははははは! まあね! もっと褒めてくれてもいいよ!』
黒猫がドヤ顔をし、杖を掲げ。
白鳩が皆の魔力を集めて、おほほほほほほほ!
「褒める、褒める! じゃあいくわよ!」
光が――。
世界に新たな要素を刻み始めた。




