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魔猫は神をも噛み殺す ~編制準備、後編~



 猫魔獣大隊と王国軍が相手にするのはこの世界の主神、大いなる輝き!

 その正体は、長きに渡り様々に暗躍していた堕ちた女神。

 かなり極悪な本物の神族である。


 個人的にはとっととネコキックを決めて、その横っ面に肉球をめり込ませ……存在を消滅させてしまいたい所ではあるが――。

 腐っても相手は主神。

 世界を支える程の存在。

 神相手の全面戦争にはさすがに準備は必要なのだ。

 おそらく。

 異世界の騒動を感知できるレベルの異界の強者。主神や大神、それに類する強大な存在には、この戦いを見られてしまうことになるだろうしね。


 そんなわけで。

 王宮の中庭では猫魔獣と人間が協力しながら部隊編制中。

 そして、ここの世界から見れば異世界の主神――大いなる光が遣わせた犬天使たちも協力し、人間たちを強化する奇跡や祝福を発動させていた。

 グータラでワンコ大好き親バカなイメージしかない大いなる光だったが、なんと今回はかなりシリアスに全面協力をしてくれているのである。


 ちなみに。

 大天使、ではなく、犬天使である。

 主神直属の天使……本来なら大天使なのだろうが、あの女神、犬天使を直属の天使に使っているみたいなんだよね。

 派遣された犬天使たちは魔王軍でいう所の幹部連中、いわゆる魔帝クラスの者ばかり。


 エリート神ワンコたちはさすがにホワイトハウルには劣るが、かなりの実力者なのだろう。

 キリっと尖る犬顔に聖人の微笑を浮かべ――。


「異界の民よ、我が主の慈悲を貴方達に授けます――」

「神を信じられぬ心は理解しております、なれど、我が主はあなたたちを本当に案じておられるのです」

「我らの加護を――どうかお受け取り下さい」


 うわぁ……すごいイケワン声だ。

 そりゃ、まあ声だけで人間達に語り掛ける事も多いからね。自然とイケてる声のワンコが犬天使に選ばれるのだろう。

 発動させる奇跡が人間達の基礎能力を大きく向上させていく。

 ……。

 まあ、ゴールデンレトリバーや柴犬みたいな見た目のワンコが、神々しいオーラを纏い、浮かべた聖書に犬の肉球を翳しているわけだが……。

 ここ、猫魔獣と犬天使が集まっているから――動物とのふれあいコーナーみたいになっちゃってるね。

 効果は本当にすごいから、別にいいんだけど。


 大いなる光のやつ、今回の遠征に随分とまあ本気をだしているのだろう。

 これほどの戦力なら私とロックウェル卿がいない状態の魔王軍とも、正面からぶつかり合えるかもしれない。それほどの犬天使を遣わせているのだ。


 魔力交信で揶揄おうと思ったのだが、私はそれを止めていた。


 大いなる光が、本気でこの世界の民を想い……涙を零していたからである。

 主神が涙を流す。

 その意味は結構重い。時にその涙が災害を呼び、世界を浄化の洪水で押し流してしまうことすらあるのだ。まあ今回は嘆く対象が大いなる輝きの非道なので、人類に対しそういう天罰が起こる事はないが。

 あのグータラ女神が心を痛めているのは事実だ。


 魔力交信とはいえ私に対し頭を下げ、どうかこの世界の民のためによろしくお願いいたします――と。

 丁寧にお願いしてきたほどなのだ。


 まあ、一度は敵対した女神だが。

 一応女性だし、ホワイトハウルの上司だしね。

 心配するなと告げた私も、ちょっと本気になろうとは思っていた。


 てなわけで。

 こちらの世界の王国軍。

 魔王軍配下の猫魔獣大隊。

 そして。

 大いなる光の遣わせた神の犬天使部隊。


 大きく分けると三つの勢力が神討伐のメンバーとなる。


 普通ならこんなカオスな組み合わせで協力することなどないのだが、まあ全部、私を繋いで集まった者である。

 素晴らしき魔王様の部下である私の人徳といえよう。

 百年前なら考えられない光景なのは間違いない。


 もし、眠る魔王様がご覧になっていたら、どんな反応をなさっていたのだろう。

 きっと喜んでくれるとは思うのだが。

 ……。

 頭を、ナデナデしてくれるだろうか?

 なんにしろ、作戦を成功させないとね。

 魔王様に良い報告をできなくなってしまう。


 ともあれ、シリアスにならないといけない状況なのは確かなのだ。

 だからこうして、私も――支援系職業(バッファークラス)のスキルを発動させて強化中。

 魔力の波で世界を振動させているのである。


 ◇


 猫たちの編制を確認した私こと、大魔帝ケトスは人間達の待機所でどてり。ワンコ天使が人間達の基礎能力を向上させている間に、私は騎士団の装備に神対策の魔術を注入していた。

 幾重にも刻んだ魔法陣の中心。

 支給されている乾燥ササミジャーキーをむしゃむしゃしながら。

 肉球を翳し――天と地を揺らす。


 人間達を今回の戦いに連れていく理由はさまざまにあるが、その最たるものは私や猫魔獣、犬天使たちがこの世界にとっては部外者だからだろう。


 悪しき主神の魔の手により、様々に暗躍されていたこの世界の人々。

 傷つき、時に命を失い。

 利用され続けていた被害者。

 いいように利用されていた彼ら自身の手で、巨悪を討つ必要があると考えているからである。


 人は自らの力で切り開いた道を歩むべきなのだろうと、私はそう思っていた。

 きっと魔王様もそう御思いになられるだろう。

 だから、猫の手をそっと貸すだけ。

 大魔帝はキリリとイケニャン顔を精悍に引き締め、彼らの遠征に手を貸すのだ。


『我はケトス。異世界の魔猫なり!』


 ジャキジャキ、ズゴズゾ、スドンズドォォォン!

 王国軍全ての装備に連結させた私の魔力を注入。

 壊れないように、けれど限界まで精度を上げて……と。


 おっといけない。

 ジャーキーがなくなっちゃった。

 えーと、たしか他にも食料があったはずなんだけど……、あれーどこだろ。


 キョロキョロする私の鼻先に差し出されたのは濃厚バターとパンの香り。

 サンドウィッチだ! 差し出してくれたのは人間の給仕である。


「はい、ケトスさま。こちらをご所望でしょうか」


 頬毛をふんわりと膨らませ、私はウニャっとネコ目を広げてしまう。


『おー! ありがとう、助かるよ。図々しくて申し訳ないが、ジュースもあるだろうか?』

「もちろんですわ、どうぞお受け取り下さい」


 貰ったハムとレタスのサンドウィッチを齧って、今度は錬金術系列の魔法陣を展開!

 待機する騎士達に剣を掲げさせる。

 磨かれたその刀身一本一本に、輝きと雷を打ち消す闇の魔力を付与。複雑な魔力紋様を刻みながら私は尻尾をフリフリ。


『はーい、次の人。私の前にきておくれ~!』


 装備に闇の守りを刻まれた騎士が私に跪き、瞳を閉じる。

 肉球にそっと手を当て、手の甲に騎士の誓いを示しているのだ。

 その間に、剣の強化は完了♪


「ありがとうございます! ケトスさま」

『うむ、よろしい! くはははは! あの小生意気な神を滅するためだからね! 今回は私もちょっと張り切っちゃってるんだよね~!』


 モフモフに膨らませた私の猫毛は、神殺しへの期待に反応しているのだろう。

 ぶわっぶわに靡いている。

 いやあ、私はこれでも憎悪の魔性、闇に属する猫魔獣だからね!

 光を討伐するとか、神を落とすとか。

 そういうダークでクールなイベントには血が滾ってしまうのである。


 禍々しい闇の強化魔術は全て、とある敵のためだけに生み出した新魔術。

 大いなる輝きが得意とする輝き系の光属性対策なのだ!


『更に強化を多重掛けするから、みんなもう一度盾を構えておくれ!』


 指示通りに、彼らは王家の紋章が刻まれた盾を上げる。

 気合と魔力を込めた私は、くわぁ――っ!

 モフ毛を揺らし猫の魔眼を見開いて――十重の魔法陣を発動!


 超神速でぺちぺちぺち!

 更にもういっちょ、魔力を込めた肉球でぺーちぺちぺちぺち!


 神聖な属性の攻撃を吸収する力を、魔猫刻印……つまり肉球スタンプとして刻んでいるのである。

 盾までもが凛々しく勇ましい騎士の装備に、ネコちゃんの足跡がついてしまうのはちょっと情けないかもしれないが――まあ、こればっかりは我慢してもらうしかない。

 それに。

 私の肉球跡なのだ。

 隠しきれない気品というか、目立たぬ所で浮かび上がる高貴な空気というか。

 なんとなく、ゴージャス感がでているような気がするので問題ないはず!


 どちらかというと聖騎士に近い王国軍の騎士団だが、闇の魔術に対して抵抗はないらしい。

 まあ、神の所業が酷過ぎたからね。


『はーい、オッケー! じゃあ次はもう一度剣を掲げておくれ!』


 彼らはかなり義憤に駆られていて――。

 騎士団を束ねる部隊長がシャープな印象のある目元を尖らせ、剣を掲げる。


「憎きあの女神めに鉄槌を!」

「鉄槌を!」


 おー、勝どきに込められたスキルが発動している。

 これもカルロス王よりランクは下がるが、騎士の使う集団支援スキルか。


「我らの神官長を泣かせた神に慈悲など必要なし!」

「必要なし!」

「剣を持て、魔力を高めよ! 偽りの女神に我らの怒りを叩きつけるのだ!」


 勝どきが魔力持つ振動となって大地を揺らす。

 あれ……。

 なんか、めっちゃブちぎれてるね……。


『じゃ、じゃあ強化するねー』

「よろしくお願いします!」


 うわぁ……完全に神、やる気じゃん。

 いや、確かに……ここで変に躊躇されるとこっちが困るのだが。これはこれでちょっと怖いぞ。


 まあこれにはちゃんと理由がある。

 おそらく、洗脳状態が解けたようになっているのだ。


 今まで神が行ってきた不当な行為や、記憶の書き換え。あり得ない偶然という名の暗躍が、全てバレてしまっているのだろう。

 幻術や記憶操作系の魔術や奇跡って、一度ボロが出ると全てが崩れ去るのだ。

 嘘が露呈した時と同じ。

 一つの幻術が破られると連鎖的に次の幻が壊れ――それをきっかけに、あれも嘘だと気が付いて。それを耳にした他の騎士が、それをきっかけに幻惑から解放され。矛盾が矛盾を暴いて、幻術も暴かれていく。

 次々と真実が透けて見え始めてくるのである。


 大いなる輝き……相当やらかしてるだろ、これ。


「僕に彼女が出来なかったのも、おそらくあの主神の陰謀」

「ワタシが振られてしまったのもあの主神の陰謀に違いあるまい」

「然り! これほどまでに勇ましき我らが女性にモテぬはずがない!」


 いや。

 これ……どさくさに紛れて、自分が女性にモテないのを神のせいにしてるだけだな。


 どうしたもんかと、耳を後ろに下げてしまった。

 まあ、柔毛に包まれた耳を後ろに倒す、いわゆるイカ耳をする私も素敵なわけだが。


「あら。まあ、何と申しましょうか。随分と威勢がいいですわね」

『おや、その声は――』


 そんな――。

 勇まし過ぎる騎士団に、ちょっとドン引きしている私に澄んだ声をかけてきたのは、一人の聖職者。

 完全武装をした神官長ミディアム君。


「おはようございますケトス様。それとも、この王都にいる時はブラックハウル卿とお呼びした方がよろしいのでしょうか?」

『やあおはよう、呼び方は――まあ君が好きな方で呼ぶといい。既に目的は果たしたからね』


 彼女はきょとんとした顔を見せる。


「目的と、仰いますと?」

『にゃふふふふ、それは内緒だよ。とても……大事な事さ』


 まあ、グルメ報酬二重取りのためとは言えないから、なんとなくそれっぽい事をいって誤魔化すのである。


 ミディアムくんの見せる笑顔には、かつて仕えていた神を落としに行くという悲壮感はない。

 無理をしている様子もないようだが。

 はて、なにか吹っ切れるイベントでもあったのだろうか。

 後ろにいる宮廷魔術師ワイルくんと、カルロス王に目線で問いかけてみるも肩を竦めてみせるのみ。彼らも知らないのだろう。


『それよりも、よく休めたかい?』

「はい、昨日はぐっすりと。本当は少し眠れなかったのですが……これからどうしたらいいのか、大いなる光様にお話を聞いて貰ったのです――そうしたら、気が落ち着いて」


 あー、そういやまだ交信してたのか。

 ウチの世界の主神様。聖職者として有能なミディアムくんを現地カメラ代わりにしてるんだもんね。


『あの、主神と……相談ねえ』

「ええ、本当に心優しい御方なのですね。わたくしのことが心配だからと、こんなに恩寵まで与えてくださって……少し恐縮してしまいましたわ」


 と――彼女は眩い光を放つ聖職者のドレスを披露してみせる。

 黒と白。二色で構成されたデザインが特徴的な、身体のラインが目立つ新しい戦闘服である。

 そして。

 手にする祝福されたモーニングスターは大いなる光が授けた装備らしいが……あの主神、めちゃくちゃ性能の良い装備を授けたらしい。

 全部に強力な神聖属性への守りのプロパティと、そして神に対する特効効果のある祝福が何重にも施されている。

 いわゆる神話に登場するレベルの神装である。


 彼女の後ろには犬天使たちが、ワッホーワッホーとついて歩いている。


 こりゃ、将来。天寿を全うした後の就職先は輪廻転生ではなく神の御許。

 天界に迎え入れられるんだろうな。

 まあそれを口にするのは止めておこう。悪意があるなら全力で止めるが、悪意のない他人の勧誘を邪魔するつもりはない。


『神を殺すための装備を神が与えるっていうのも、なかなか皮肉な話だね。まあ、あくまで外見のみの話だけどよく似合っているよ』

「ありがとうございます。この武装を褒めてくださった事だけではなく、色々と――本当に、どれほどに感謝しても、足りないぐらいですもの」


 ワイル君と王様も肯定するように頷く。

 本当に感謝をしてくれているのだろう。

 だからこそ。

 ちょっと……照れ臭い。

 全身のモフ毛がぶるり。尻尾の先がウズウズしてしまう。

 猫である私は、こんな風に正面から見つめられてしまうと……なんというか、恥ずかしいのだ。


 だからつい、早口で言ってしまう。


『あー、そういう感謝は終わってからでいいよ。ご馳走と一緒によろしく頼むね。か、かんちがいされてもこまるんだけど、あくまでも私はグルメ報酬のために、やっているんだし』

「まあ、ケトスさまったら。ふふふ、けれど、たしかにそうですわね。ちゃんとこの地に戻ってきて、勝利の宴の席で改めて、感謝を述べさせていただきますわ」


 とりあえず対策できる限りの強化魔術は施した。

 皆、準備はできたようだ。

 黒猫執事もこちらに頷いている。

 ハロウィンキャットや三傑の魔女婆さんは前回と同じく、王都の守りについている。


 支度は全て整ったとみていいだろう。

 いやあああああ、長かった!


 皆に声を掛けようとした、その時。

 天が――淡い光で私を照らし始めた。

 あの日みた。

 憎悪の淵で、人間と神と世界を恨んだ紅き猫の瞳が睨んだ空だ。


 泥の中で全てを憎んだかつての私。そのモフ耳を、光に満ちた魔力の声が揺らす。

 大いなる光の声だろう。


 ――大魔帝ケトス、荒ぶる混沌の魔猫と畏れられた憎悪の魔性よ。その地に住まう人の子らは……あなたの憎悪とは因縁のない種族、どうか……その慈悲深き肉球で迷える彼らを導いてあげてください。


 私にだけ伝える、神の言葉である。

 神託や啓示といった、神のお告げを聞かせる能力の応用だ。

 その声は、人の命を慈しむ慈愛の心で満ちていた。


 さっきも頭を下げていたのに、重ねての願いである。

 本当に、この世界の民の悲劇を嘆いているという事だ。そもそも、それほどの嘆きでなければ秘蔵の犬天使たちを派遣などしなかっただろう。

 なにしろあの女神、犬バカだしね……。そんな彼女が犬を送ってきたっていうのは、けっこう凄い事なのかもしれない。


 命を憂う神の言葉を聞き、私は静かに瞳を閉じる。


 どうやら、本格的に神としての自覚を思い出してきたのかな。

 大いなる輝きの悪行が反面教師となったのかもしれない。

 大いなる光は光を取り戻したが……大いなる輝きは……、もはや……無理だろう。


 私は魔王様の愛猫として、あの邪なる主神を噛み殺そうと誓っていた。


 魔王様の名のもとに、彼らに協力すると誓ったのだ。

 だから。

 もう一度、心配するなと魔術で大いなる光に伝え――私は瞳を開く。


 猫魔獣大隊。人間の王国軍。神の眷属犬天使たち。

 彼らを見渡し――魔力を輝かせ。

 そして。

 宣言した。


『さて、こんなもんかな。騎士団の皆、そして他の部隊の諸君もだ。君達の蘇生はいつでも可能だけれども、あまり無理はしないでおくれよ。蘇生ってけっこう魔力と神経を使うんだ、私も、できれば……見知った顔の者の死をみたくはない』


 騎士団と、ミディアム神官長のもとに集まってきた聖職者がごくりと息を呑む。


『まあ、その分。蘇生が成功すると私の偉大さとか、可愛さとか? そういう凄さとかが、ものすっごく際立つわけだけど――くれぐれも、そういった部分での活躍の場面を増やさないでおくれよ。! 私は治療よりもドバーでズガーでドドーンって敵を無双し、薙ぎ払う方が好きなんだからね!』


 冗談の混じった鼓舞を送り、私はニヒィとネコの笑みを浮かべる。


『女の子を泣かせる、あの神を共に撃ち落とそうじゃないか』


 言って、私は肉球を高らかに掲げ。

 凛と宣言する。


『我らに勝利を!』


 それはさながら民衆を導く自由の猫神。


 騎士団も続いて剣を掲げた。

 聖職者たちもそれぞれに祈りを捧げ。

 ワイル君の配下である魔術師団も自らの杖に、勝利を誓う魔術を刻んでいる。


 私の鼓舞に猫魔獣大隊もやってきて、肉球を掲げる。

 犬天使たちも勝利の遠吠えを上げ――。


 皆が神への戦いに自らを高める中。

 カルロス王だけが、あのぅ……それ、余の仕事なんだけれど……と。

 一人、困った様に頬をポリポリと掻いて苦笑していた。


 ……。

 そういや、私。

 王様の号令的な演出というか、勇ましき王の出陣的な場面を奪ってしまったのではないだろうか。

 ……。

 私は掲げた肉球にちょっと汗を滴らせるが。


 まあ、別にいいよね。

 私、ネコだし。


 さて、他の人は気付いていないし――とっとと次元の扉を開いて、封印王立図書館に攻め込もう。

 空気の読めない猫だって思われたくないし、誤魔化すのが吉。

 編制に時間がかかってしまったが、必要な準備だったし仕方がない!

 いざ、出陣なのじゃ!


 王家の剣の完全コピー品を顕現させた私は、しょぼーんとしている王様の血筋の力を辿り。

 次元の扉に干渉した。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 何か動物ふれあい広場な感じの図になっている! あー!かわいいモフモフ天使や眷族達に囲まれて出陣とはうらやましい! [一言] なんか冷たい印象があった大いなる光もずいぶん変わったようですね…
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