表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女児型なると製造機 なるみ [ 試作型 ]  作者: しおまめさん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/6

ハロウィンに挑戦するれす!

 昨夜は衝撃的だった――


 背中にチャックがあって、なると製造器が入っていた。

 取り外して洗えるけど、結局おへそを洗うのはお風呂。

 太陽光発電はウソ、食事をとらないと死ぬ。

 昨日は最高の一本を入れた袋めんで大満足。

「おはにょ~ごじゃいますれすぅ」

「うん、おはよう」


 なるみ2026は、睡眠も必要。


「ほい、チャーハン。一丁上がり」

「なると入りのチャーハンれす!」

「好きな器を選んで」


 なると製造器の出し入れは初めてで、おへそをいじって「モゾモゾするのれす」と訴えながら寝付いたが、初めて来た家で、なると作り初体験で、違和感もあり寝相がひどかった。


「こぉばしいパリパリ薄皮、ふっくらした身、最高なのれす!」

「なると炒めたとこの感想だなぁ」

「はい、今日もがんばりますっ!」

「それより服とか、買い物だなぁ」



 車に乗ってから、「ん?」と首を傾げた。

 なるみ2026は体格が小さい。後部座席に座るにしても、チャイルドシートを持ってない。ジュニアシートかな? どっちだろ?


 連れて行かないと選べない。

 一緒に買って、帰りは座る。

 そんなとこか……。



 フロアマップによると、大人向けの商品は2階まで。子供服売り場はオモチャや文房具、ベビー用品と一緒に3階にまとめてあった。


「子供服、欲しいんですけど」

「お出かけ用の洋服ですか?」


『いいえ。用途は、なると製造です』

 とは……とても言えないなぁ。


「似たのを、買い足す感じで」

「今はもう、在庫が無いかと」

「え、子供服売り場なのに?」

「暑がりのお子さんもおりますが、10月ですし」

「あ、あぁ季節? そ、そっ、そうですよね?!」


 考えもしなかった、キャミソールにスカート姿。

 これは今時期、売れ筋とは言えない恰好だろう。

 なるみ2026は、家、車、店内と移動してきたけど、気温はかなり低いのだ。こんな恰好で連れまわして、行く先々で「大丈夫。なると製造機なんです」なんて言ったら育児放棄で通報されかねない。


「秋冬ものと、下着類を」

「え……全部ですか?!」

「そろそろサイズが、ね」


 まぁ。

 難しいことは後回しでいいや。


「なるみ、お姉ちゃんと選んできて?」

「わ~っかりまっした~!」



 紙袋を持って戻った店員さんが、「売れ残りですけど」と、なるみ20026にモコモコ素材のコートを着せた。これはオマケで、コーディネイトは完成だろう。レジでスマホ決済する。



「 ぇ……?!!! 」



 一瞬表示された値段に驚いたッ!!

 生地は少ないのに、結構するなぁ。

 知り合いに聞いてみるか。


『あいよ。あぁ、今日は在宅?』

「そんな感じ。質問していい?」

『おや、珍しい』

「子供の服って、どこで買うもの?」

『島村屋。あと、にしまつですかね』

「生活キツそう」

『扶養手当チョッピリ出ましゅよ?』

「チョッピリね……や、さんきゅ!」


 了解、買いに来る店を間違えてた。

 これは秋冬おでかけ用。もう1件立ち寄って普段着購入。季節は巡る。春夏秋冬4シーズン全部揃う頃には、ちょっとした出費になるぞ?





 思わず溜め息が出た。

 ありえない出費をしてきた。



「少子化、原因これ?」


 なるみ2026は、女児型。

 その形状に維持費がかかる。


「お買い物に失敗したれすか」

「失敗したのは僕だけどねぇ」


 ビニル袋を握ってガックリうなだれた、なるみ2026に苦笑いした。


 色々用意したけど、「好きなの選んで?」で持ってきたのが、百均のハロウィンコーナーにあった、魔女っぽい衣装とトンガリ帽子。とても掃除に使えそうにないホウキ。カボチャのLEDライト。まぁ、つまり全部オモチャ。


 一着数万円の高級冬服より、ビビッドカラーの黒&オレンジにビビッときちゃうお年頃。それが全部で数百円、買い物上手だ。


「早速、着替えてみようか」

「とりっくぉぁとりーと☆」


 安っぽい生地なので使い捨て?

 だけど、かわいらしくなった。

 想 像 の 百 倍 く ら い っ !!


「ねるねるねるねは、いーっひっひ♪」

「どこで教わってきたんだ、懐かCM」

「お店の店員さんに相談したのれす!」


 なると作りをはじめる前に、撮影会。

 部屋に戻るなり、意味不明な飾り付けをセッセと開始したけれど。カメラ機能で画面を見ると、なるほど華やかに見える。

 釣られてテンション、上がってきた!


「いいなぁ、いい、似合う、似合う!」

「では、今日はこのまま練るのれす!」

「ねるねるねるねは?」

「い~っひっひ~ぃ♪」


 ホウキを持ってクニクニ動きだした。

 魔女の衣装がヒラヒラするたびに、ブラ下がった安っぽいビーズや、「なにこれ?」と思ってたキラキラのモジャ紐が、輝きながら踊る。

 前回より、抜群に動きが安定してる?

 このホウキなると作りには使えるっ!


『そっ、そうだカメラ、じゃなくって動画で――

 


 と! ……そこで

 ピピッ ピピッ ピピッ ピッ♪



 百均で買ったキッチンタイマーが、煉り工程の終了を告げた。「ストーップ!」と声をかけると、「ふぅ、いたずらしちゃうんれすよぉ?」と笑ったので、お菓子をポンと手渡した。


「お疲れさん、ハッピーハロウィン」

「ぅわぁ、ほんとにくれたのれす☆」

「明日も、ハロウィンかもしれない」

「わっかりましたー!」


 翌々月の引き落とし、まだまだ余裕。

 なんとかなるかー!!

 ベッドルームに、カボチャのランプ。

 ちっちゃい魔女が緊張して座ってる。


「やっぱり、お買い物は失敗したれす」

「えっ? そうなの?」

「おへそが、出てないのれす」

「どうしたらいい?!」

「おさえててほしいのれすぅ」


 どこを……どう?


「ここまで上げるっのれ、ぅあぁ、もも、もぉでましゅ」

「ぃゃ待てソレ持つ係? ちらちら下着、見えてるけど」

「ゆで、ゆでちゃったの、でっ、でてきちゃうのれすぅ」

「なんで?!」

「ゆでてるっ、とこ。見られりゅ……はじゅ、かし……」

「あ、そこ?」


 や。

 なると製造機の恥ずかしポイントわからんけど。

 女児型は仮装するとカワイイ、そこは理解した。


「明日はハロウィンも本番だなぁ」

「ゎ、わかり、ました……ぱたり」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ