地下鉄小話
丸紅の株主優待で丸紅ミュージアムに行ったのですが……閉まっていたorz
その時、竹橋と九段下の近さに気づいたので。
「おはようさん」
「おはよう。今日は九段下?竹橋?」
「朝は九段下で昼から竹橋」
「資源管理部は会社になったんだから竹橋に移せばいいのに……」
「あれが桂華の本丸だから仕方ないよ。寄り合い所帯だからな。うち」
「それはそうだけど、もうちょっとやりようがあるだろうに」
「桂華金融ホールディングスと桂華商会と桂華鉄道と桂華電機連合の側用人連中が九段下詣でをしているんだから……やっていることが江戸時代から変わらんなー」
「それがなかったら、何社潰れていたか……愚痴りはするが足を向けて寝れないだろう?」
「そりゃそーだけどさー。
そーいえば、地下鉄で思い出したが、九段下から竹橋まで複線化するじゃないか。
あれにうちが噛んでいるのは知っているだろう?」
「ああ。地下鉄のスジ屋が激怒して臨時のスジ作れませんってさじを投げた地下鉄東西線緩和策だろ?それがどうした?」
「知り合いに、設計の人間がいて酒の席で漏らしたんだが、避難経路があるらしい」
「……あー。そっちが本命で、地下鉄がおまけだな。こりゃ」
「数百億円かかる地下鉄工事がおまけねぇ……稼いでいるからいいんだろうが」
「あの人、成田だけでなく京都でもやらかしたらしく、赤坂からえらくきついお願いが来たらしいぞ」
「何やったんだ……言わなくていい。どうせ聞いてもろくでもないからな」
「で、九段下で何かあった時にそのまま逃げ込めるようにという事だそうで」
「竹橋の本社建て替えるって話あったよな?
IT関連技術をフルで入れるためにって理由で」
「まぁ、嘘じゃないだろうよ。
竹橋と九段下と茅場町は専用回線で結ぶらしいが」
「鉄道は結ばないのか?」
「運行システムに悪さされたくないそーだ。
とはいえ、本社移転するらしいし。鉄道」
「何処に?」
「多分秋葉原。
新宿新幹線は東日本帝国鉄道が管理する形になるのと、新常磐鉄道のコントロールを考えるとな。
住吉-豊洲の地下鉄と新金貨物線旅客化もあるから、まぁジオフロント内部にという話だが……」
「が?」
「みんな本社建ててるのに、うちだけ地下ってモグラかよって……」
「ははは。日本人あるあるの横並びかぁ……あのあたり再開発に絡むのか?」
「秋葉原ジオフロントがその再開発の一時避難場所だろうが。
美味しい場所を押さえると意気込んでいたな」
「そういうおいしい場所に建てるなら、テナントビルにした方が……なんて言っても聞かないんだろうなー」
「潰れかかって、見栄えがなんとかなるのならば、それ相応のものは欲しいだろうに。人でも会社でも」
「立派な本社を建てると会社が左向きになるって話は……まぁ言えんよな。自分たちが使うのならば」
「そーいえば、電機連合の方は?」
「あっちは、米国の雇われ社長だろう?
本社については、『コストの無駄と切り捨てた』と」
「けど、九段下に側用人一番送り込んでいるの電機連合だろう?
考え方が合理的というか……なんというか……」
「あそこはかなりでかいビジネスが起こりそうで、神経とがらせているんだよ」
「でかいビジネス?」
「携帯電話。帝国鉄道通信を買った外資が苦戦しているらしい。
元々携帯電話はあのお方が最初から目をつけていたのだが、けた違いに金がかかるから放置せざるをえなかったんだよ」
「今ならば、お金もあるしという訳か……ライバル多くないか?」
「多いに決まっている。
IT金融企業のユニオンリソースは前々から狙っていたからな。
ITバブルが崩壊して生き残った連中は、この出物をみんな狙っているだろうよ」
「あー。けど、あのお方のお買い物、欧州のデパートだぞ」
「はい?またなんでそんなゴミを!?」
「帝西百貨店のコンビニ部門の独立騒動で、商会と鉄道が手打ちをしただろ。
百貨店部門の飴なんだとさ」
「あそこ、コンビニ部門が収益の大部分をたたき出していたんだよな」
「上には伏せているが、どうも外資が手を出していた気配があってな。
コンビニ連中を炊きつけていたとか」
「……伏せている理由は?」
「某自由業系の華族がらみ」
「あー。うち恨み買っていそうだからな。不良債権処理絡みで」
「それに手を伸ばしている筋の悪い外資がいてな。
桜田門の知り合いに裏取りをお願いしているんだが……」
(……何か外国の方でうちを標的にしたテロが起こる可能性があるらしい)
(……信憑性は?)
(わからんから、側用人のお前に流しているんだろうが。側用人連中で裏取ってくれ)
『間もなく竹橋。足元にご注意ください。出口は左側です』
「じゃあ、またな」
「おう」
『間もなく九段下。足元にご注意ください。出口は左側です』
「おはようございますー。
船上庄さん。岡崎統括いる?」
「お嬢様の所に顔を出す前のミーティングやってますけど?」
「ちょっとやばい話があるんで繋いでもらっていい?
商会の同期経由だけど、ヤクザと華族と外資がつるんで悪さを……」
側用人
将軍の取次役が転じて権力を持つことに。代表的なのは柳沢吉保や田沼意次。
今でも、会社で社長などについている連中ことを側用人と言ったりする。
やばい話のネタばれ。
『ロマノフの財宝 その4』の仕掛け。
こういう所にその情報が流れていたからこそ、コンピューターは食いついた。




