いくつかの記事抜粋 帝都学習館学園七不思議 破 編
『恋住政権は秋の臨時国会を前に内閣改造と党役員人事を一新する準備に入った。関係者が明らかにした。
参議院選挙における実質的な勝利によって恋住政権の一丁目一番地である郵政民営化に着手する予定で、その為に党内部を固めるのが目的と言われてる。
恋住政権の内閣人事は基本的に派閥推薦を受け付けないため情報が洩れず、思わぬ所から一本釣りされるサプライズ人事が多い。
その為に永田町界隈では大臣適齢期を迎えた議員を中心に疑心暗鬼が広がっており、これも恋住政権の求心力を高める一因になっている。
党幹部によると「この人事で郵政民営化法案が党で潰されないようにする」というコメントを……』
『華族特権の剥奪後、検察審査会への申し立てが急増しており、関係者が悲鳴を上げている。
華族特権とは華族が持っていた家範の事であり、華族とその関係者は『家範によりその華族家が裁く』事で司法を免れる例が地方を中心に続出し、長年の懸案事項になっていた。
これは、華族特権で処理されていた事件に対して各地の市民団体が告発を行ったからであり、その告発の数は前年度に比べて7倍という信じられない増加率で、事務手続きが追いついていない。
告発された事例の内訳を見てみると、脱税が9割を占めており、いかに華族特権の下で一部企業が癒着していたかが露わになった事で、市民団体は怒りを隠さない。
一方で告発された華族側は、この告発に対して事件性が無い事を説明する責任が発生した為に、裁判費用の負担などで男爵家・子爵家・伯爵家の一部で負担に耐えられずに起訴議決を受け入れるケースも発生しており、「これによってこの国の司法制度の透明性は増した」と有識者はコメント……』
『都市部を中心に構造改革特区の設立ラッシュが発生している。
恋住政権の「民間でできる事は民間で」を旗印に成立した、構造改革特別区域法によって制定されるものだが、この法律を利用した都市部の再開発がラッシュの主な理由だ。
主なものをあげると、現在桂華グループが主体となって進められている新宿ジオフロントを始めとする地下再開発や岩崎財閥が発表した丸の内アーコロジー、更に湾岸再開発も富嶽テレビを中心にして申請される見込みで、不良債権処理があらかた終わった今、都市部再開発の切り札として注目されている。
この構造改革特区の特徴の一つとして、華族特権を失った華族を絡める事で華族側に飴を与えている事で、公営ギャンブルの救済に構造改革特区法を活用する事が既に決められており、湾岸再開発の切り札と言われるカジノもこの流れの中にある。
これらの特区を利用した都市部再開発によってバブル崩壊以後下がり続けていた地価は都市部においては下げ止まりつつあるが、地方の地価は未だ下落傾向が続いて二極化……』
『国会と同時期に開かれていた枢密院の合併特例債起債承認の緊急勅令が波紋を広げている。
その規模が一兆二千億円と巨額な上に、その内六千億円を帝都岩崎銀行、四千億円を桂華金融ホールディングス、残りを農林中金をはじめとした政府系金融機関が引き受ける事が決まっている異例さで、一部マスコミや野党は「参議院選挙における利益誘導があったのでは?」と疑問の声を上げている。
合併特例債は現在進んでいる「平成の大合併」において合併自治体が新しいまちづくりに必要な事業に対する財源として借入する事ができる地方債の事で、この巨額の起債の大部分が樺太道及び北海道という所もこの疑問の声が上がる根拠となっている。
枢密院の緊急勅令は緊急ゆえに国会の事後承諾を求める慣例となっているが、秋の臨時国会でこの勅令は当然政局に上がる……』
『平成の大合併に伴って地域通貨がブームになりつつある。
地域通貨は「法定通貨ではないが、ある地域や組織のコミュニティー内などで、法定貨幣と同等の価値があるものとして発行され使用される貨幣」の事で、地域限定の商品券や食券などがこれに該当する。
経済産業省が2002年よりモデルケース事業をスタートさせたのだが、構造改革特区に便乗する形で構造改革特区内で地域通貨発行申請が続出しており、関係者は「あたらしい町を認知してもらう為にもこの地域通貨は有効なツールである」とコメントしている。
流通規模はその地域限定なのだが、北海道や樺太道は帝都岩崎銀行や桂華金融ホールディングスと組んで、地域お食事ICカード『食べケーカ』の発行を発表。
このケーカにチャージして岩崎財閥及び桂華グループの系列店の飲食店に行くと一割引きになるという特典に、道外からも購入希望者が殺到……』
『樺太道警及び北海道警、東京地検特捜部は樺太銀行マネーロンダリング事件の捜査を終了すると発表。舞台は法廷に移る事になった。
この事件は樺太銀行ニューヨーク支店を舞台にアンダーグラウンド勢力のマネーロンダリングをやっていたというもので、日米露の三国共同捜査の結果、日本国内だけで五百人の逮捕者と百人以上の自殺者を出すという空前絶後の疑獄に発展し、国内は終わっても米国やロシアでは未だ捜査が続いているという一件である。
何故、国内捜査がこんなに早く終了したかというと、逮捕者の多くが末端の人間であり本丸の黒幕に届かなかった事が理由であり、黒幕らしい人物は華族特権を盾に司直の手を逃れたというのが大きい。
この夏、恋住政権によって華族特権が剥奪された結果、市民団体の検察審査会への告発も多くなされておりまだ事態は予断を……』
市民団体
まさかここまで胡散臭くなるとは……前に話した『アジテーター・マスコミ・政治家』の左派トライアングルの『アジテーター』が実はここ。
枢密院についての論文があったのでリンクを張っておく
昭和初期の枢密院運用と政党内閣 萩原淳
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nenpouseijigaku/68/2/68_2_270/_pdf/-char/ja
これを読むとこの話のケースはガチでアウトだったりするんだが……まぁいいか。恋住内閣だし。
あの内閣なら当時の空気を知っている人間なら納得してくれるだろう。
地域通貨
これも論文ペタリ
日本における地域通貨の現状と課題 -近年の新潮流を踏まえて 泉 留維
http://www.yu-cho-f.jp/wp-content/uploads/2021winter_articles05.pdf
地域通貨ブームにかこつけて食券問題のやべー奴を合併特例債で処理して蓋をしたというが今回の記事の裏シナリオ




