ファッション雑誌『帝都嬢報』 帝都ガールズコレクション特集号より
先ごろ代々木第一体育館にて行われ大成功に終わった帝西百貨店協賛の『帝都ガールズコレクション』。
今回はその『帝都ガールズコレクション』を特集し、今の東京の流行がどのようなものかをチェックしていこうと思う。
まずはオープニングショーの模様からお伝えしよう。
会場となったのは代々木第一体育館。
当日は天気もよく、多くのモデルたちが会場に集まっていたが、やっぱり外す事が出来ないのが桂華院瑠奈公爵令嬢である。
ゲストとして招かれた彼女だが、ビゼー『アルルの女 第二組曲 ファランドール』の華やかな音楽と共に舞台からランウェイを歩き、中央に用意された席に座っただけで場の空気を掌握する。
今回の彼女の衣装は『ティル・ナ・ノーグ』チョイスのグリーンスーツ。
この日の為に特別に作られたオーダーメイドであり、もちろん全て新作。
晩春から初夏にかけてをイメージした緑が彼女の金髪と相まって、会場に咲いた一凛の花のように見える。
彼女の存在が会場の雰囲気を変える。
いや、雰囲気だけではなく、いるだけで、観客の心を動かしていく。
今回のテーマは『本物』。
まさに本物とはかくあるべしというオープニングだったと言えよう。
会場でショーが幕を開ける一方、帝西百貨店協賛、富嶽テレビ・桂華電機連合全面協力という事もあって、テレビで特集を組み、インターネットのサイトを通じてリアルタイムに販売。
更に、女性向けファッション雑誌で人気のモデルが立ち並ぶだけでなく、有名俳優・タレントもゲストモデルとして登場。有名歌手のライブも行われるなど、パリ・ミラノ・ロンドン・ニューヨークの四大コレクションとはひと味違う、東京ならではの野心が垣間見える所も実に良かった。
総合演出アドバイザーを務めた写真家の石川信光先生にインタビューを聞く事ができた。
--今回のショーについてお聞かせください--
「今回のテーマは『本物』なので、その道の本物に声をかけまくって……それに関してはプロデュースしたというよりは、スポンサーの努力が強かったわね」
--しかし、これだけ大規模になると大変だったのではないですか?--
「えぇ、大変でしたがやりがいがあったわよ。
特にファッションショーは生ですし、舞台に立つモデルは皆プロよ。
それに会場を埋め尽くす観客……その全員を自分の色に染め上げるというのは中々出来る経験ではなかったわ」
--確かにそれは言えてますね。私自身、この国でここまで大規模なファッションショーは初めて見ましたが、凄かったです。正直、感動しました--
「ありがとうございます。
ただ、まだまだこれからですよ。いずれはパリ・ミラノ・ロンドン・ニューヨークの四大コレクションに東京が食い込むぐらいの意気込みで。
今回は海外からも有名なデザイナーが参加していますし、いずれはその方たちにも負けないようなイベントにしていきたいと思っています」
--なるほど、石川さんの目には世界が見えているわけですね--
「そんな大層なものじゃないわよ(笑)。でも、私の目にはいつも本物が見えていますけどね」
最後に石川さんには笑顔でこう締めくくってもらった。
「これからも本物を発信する『帝都ガールズコレクション』をよろしくお願いします」
さて、次はいよいよ読者諸兄も気になっているであろうショーについて紹介しよう。
今回のショーに参加したブランドは16。モデルは118人で、そのうち有名俳優・タレント・有名歌手は34人。
三日間のイベントはどれも大盛り上がりを見せ、このショーに合わせた帝西百貨店のセールは記録的な売り上げをあげる事になった。
そんな中、モデルの中で際立っていたのは神奈水樹だろう。
既にキャンペーンガールとして高い知名度を得ている彼女だが、今回のショーにおいては三日間出ずっぱりという大活躍。
ミステリアスゴシックから、セクシーナイトドレス、フォーマルからカジュアルに至るまで、その全てで会場を沸かすトップモデルの一人として君臨した。
今回のショーの成功によって、神奈水樹の人気はさらに高まる事になるだろう。
そんな彼女の衣装から一つ紹介すると、やはりミステリアスゴシックをあげざるを得ない。
黒と白を基調としたゴシックドレスなのだが、そのデザインには様々な工夫が施されており、露出が少ないにも関わらずその妖艶さを醸し出すという素晴らしい逸品だ。
アクセサリー類は銀で統一されており、それがまた彼女に大人の魅力を与えているように思う。
今年一番の注目株であろう彼女を今後も追っていきたい。
また、最近出てきたユーリヤ・モロトヴァも注目株だ。
彼女はロシア系のファッションモデルであり、モデルとしての経歴はまだ浅いもののその美貌とスタイルの良さは業界でも噂になっている程で、既に四大コレクションの関係者がオファーを出しているという噂だ。
そんな彼女の衣装から一つ紹介するならば、ロシアの伝統的な柄をモチーフとした藍色のワンピースだろう。
それに合わせた帽子がまたいい味を出しており、すらりとした足の先を飾る赤いハイヒールが実に印象に残った。
これからの活躍に期待したい。
次はファッションショーで話題になっていたモデル達について紹介して……
神奈水樹の衣装イメージ『ローゼンメイデン』(PEACH-PIT 月刊コミックバーズ連載中)の水銀燈。
古いやる夫スレ民なので、銀ちゃんは私にとってアイドルなのである。胸も大きいし。
ユーリヤ・モロトヴァのイメージは『砂の薔薇』(新谷かおる ジェッツコミックス)のデライラ・カンクネン。
これで中等部に居るんだからほぼ罰ゲームだよなぁ……
今回ファッションの知識不足を補うためにAIのべりすとを使わせてもらっている。
その際にポップした読者モデルが出てきたのでこっちで紹介。
まずは一ノ瀬光莉だが、彼女は元々読者モデルとして活動していた事もあり、今回のショーにおいても非常に注目されていたモデルである。
彼女は今回初めてショーの舞台に立った訳だが、持ち前のセンスの高さと明るさが功を奏したのか、多くのファンを獲得する事になったようだ。
そんな彼女が今回選んだ衣装はなんと浴衣!
それも大正浪漫を感じさせる赤系統の物で、それを着こなす彼女の姿はまさしく大和撫子といった感じであった。
ちなみに、ショーが終わった後にサイン会が開かれたのだが、そこに集まった女性達の表情が皆笑顔だったことを付け加えておきたい。
次に紹介するのは一ノ瀬光莉と同じく読者モデルの美空優香だ。
彼女は元々、読者モデルとして雑誌に登場していたこともあり、今回のショーにも呼ばれていたのだ。
そんな彼女の衣装を紹介しようと思ったら、残念ながら既に売り切れてしまったそうだ。
しかし、彼女ならきっと新しい服を自分で作り出していることだろう。
そんな彼女が今回着用したのはゴシックロリータ調のドレス。
レース素材にフリルをあしらったそれはまさに妖精と呼ぶに相応しい美しさを放っており、会場にいた男性陣の視線を釘付けにした事は間違いない。
また、ショー終了後の握手会では、その可憐な容姿も相まってか多くの男性が列を作っていたことも付け加えておこう。
次に紹介するのは、現在最も注目されていると言ってもいい少女だ。
彼女の名は神楽木花音。
神楽木ホールディングスの御令嬢にして、神楽木グループ会長の孫娘。
そんな彼女が今回参加したのは、神楽木グループが手がけるブランドの新作発表会。
今までにも彼女はモデルとして何度か登場しているが、今回のショーへの参加は初めてである。
しかも、それだけではない。
今回のショーにおいて、彼女がデザインした衣装を着用したのは、何と神楽木グループの御曹司である神楽木海斗だった。
彼の衣装を担当したのが神楽木グループ傘下のデザイナーであり、彼が今回のショーに参加出来たのも、そのデザイナーが神楽木の息がかかっていたからだと言われている。
そんな二人のコラボという事で、ショーの前から注目を集めていた訳だが、いざショーが始まると会場中が大歓声に包まれた。
二人とも顔立ちが整っているのはもちろんの事、モデルというだけあって抜群のプロポーションの持ち主だったからである。




