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現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変  作者: 二日市とふろう (旧名:北部九州在住)
帝都学習館学園七不思議 序

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帝都ゲームショウ2003

今日は活動報告に書いたとおり書籍化の情報解禁なので更新祭り。

「こっち向いて!」

「目線くださーい!」

「撮影おねがいしまーす!」


 ガチギレメイドが私を囲んでカメコたちから私を守る。

 ここは帝都ゲームショウ。

 そこの展示ブースでの一コマである。


「おい!メイド!!

 お嬢様を連れていくんじゃねぇ!!」

「こっちはまだ撮ってないんだ!」


「ここは撮影ブースじゃありません!」

「ついでに、あのお方はコンパニオンでもコスプレイヤーでもありません!」

「勝手に撮影しないでください!

 あの人については、勝手に撮影すると罪に問われる事があります!!」


「はい!?」


 当の本人が一番驚いているのだが、私を引っ張っている秘書の時任亜紀さんの顔は真面目である。

 ここぞとばかりに私の立場を理解させようとする。

 なお、胸元デジカメは見ない振りをしてあげよう。


「お嬢様。

 華族は、大名武家の成れの果てですよ。

 一昔前ならば、彼らを斬り捨てても文句言われません!」


 華族特権の不逮捕特権の悪用である。

 司法機関ではなく、家が裁くロジックだからこそ、悪用はいくらでもできるのだ。

 壮絶なブーイングかと思えば、そこはカメコ。

 こんな声が飛んできた。


「すいませーん!

 お嬢様と秘書さんとメイドさん並んでくれませんかー!!」


 あ。

 亜紀さんが少し揺らいだ。

 この人も私を撮るの好きだからなぁ。


「亜紀さん。

 いいじゃないの」


「30分だけですよ」


 で、その30分の撮影に、当り前のようになぜか写真家が居た。

 亜紀さんに撮り方を教えていたのはまぁ許せるとして、


「おっけい。じゃあ瑠奈ちゃん脱いでみようか?」


 なんてナチュラルに言うから、ガチギレメイドにドナドナされていってやんの。

 私には残ったカメコたちの沈黙がとても居た(たま)れなかった……




「ようこそいらっしゃいました。お嬢様」


「はい。すっかりレギュラーになってしまった桂華院瑠奈です!

 ちゃんと水着撮影でサービスしてきた……」


「じゃあ、パーカー着て、進行すすめていいでしょうか?」


「……はい」



ブーブーブー



--ここまでお約束--

--お嬢様の挑戦 帝都ゲームショウ--



「という訳で、今回はこのゲームをやっていただきます」


「……何でこれなの?」


--落ち物パズルゲーム--

--アーケード版2003年秋登場予定--

--けど、今回旧版をプレイしてもらいます--


「我々とていつも硬派にゲームを追及している訳じゃないので。

 ファンサービスも考えているのですよ。

 で、これだったら、抽選で来てもらったお客様とやってもらえるので、媚を売っておこうという訳で」


「そういう堂々とぶっちゃける姿勢は私は大好きよ。

 けど、それだったら秋登場の最新版を用意させたのに」


「こいつを選んだ理由は、相殺が無いんですよ」


「あー。

 つまり、短期決戦でお客を回せると」


「一勝負、3分で勝ったお客様相手に何かサービスでもしてください」


「ほっっっっっんとうに、ゲーム以外の所はどーでもいいのね。貴方。

 じゃあ、勝ったら握手でもしてあげるわ」


うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!


--最高潮の会場--

--なお、この抽選人数は950人。ゲームできる人数は20人--

--倍率47.5倍でした--


「で、何で16ビット機?」

「家にあったので」

「本当にこいつは……もぉ……」




「では、お嬢様の挑戦!

 始めてください!!」


「畜生!

 このお嬢様強いぞ!!」

躊躇(ためら)いなく連鎖組んでくるな……だぁぁぁぁ!遅かった!!」

「致死連鎖の構築が綺麗だな。

 ネク見て落とすスピードが速いから、ネクネクが出てる!」


「しゃああああああ!!!勝ったぁぁぁぁぁ!!!!!」


--お嬢様が出していい雄叫びじゃないと思います--

--秘書とメイドさんの視線が殺気になっています--



「きゃーーーーーー!まーーけーーたーーー!!!」


「あれガチっぽいな」

「大会とかもやっていたからぁ」

「そういえば、ゲームのプロ化を桂華グループ後援で進めるとかニュースあったよな?」

「案外、そういうCM込みでサクラとか入れているのかな?」


--入れていたらここまで放送しません--


「はいっ!握手。

 これからもよろしくね♪」


「お嬢様の挑戦でした!

 どうか皆さま、盛大な拍手をおねがいします!!!」


「ありがとう!

 みんなありがとう!!

 よかったらゲームも買ってね!!!」



 撮影終了。

 疲れたーとグレープジュースを飲んでいたら、マスコミの皆様のインタビューが。

 適当に(あしら)っていたら、ゲーム雑誌の記者がこの場にふさわしい質問をふってくれた。


「そういえば、桂華電機連合に入ったズガガガ・エンターテイメント社はアミューズメント事業のテコ入れに資金を投入しているみたいですね。

 具体的には何をしようとしているんですか?」


「方向性は、対人ゲームの強化と通信対戦を利用したオンラインゲームの強化ですね。

 まだ研究段階ですが、家庭用ゲーム機で表現できないものをアミューズメント施設での目玉に……」


 インタビューが終わったときに、くだんのADさんが真顔でぽつり。


「お嬢様って、やっぱりお嬢様なんですね」


 お前、私を何だと思っていた?

 怒らないから言ってみ?ね?

お嬢さまの水着

 某姉を名乗る不審者 第一段階


不逮捕特権の悪用

 リアル生麦事件ができるという事。

 この傾向は崇拝が強いロシア・樺太系の人間に強く、TV局に抗議や脅迫が来たりすることに。

 そのあたりを穏便に解決するお嬢様まじお嬢様。

 なお、そのあたり見透かされて欧州王室パパラッチにいいようにされているのは内緒だ。


落ち物パズルゲーム

 『す~ぱ~ぷよぷよ』。

 ぷよM@S復活!ぷよM@S復活!!ぷよM@S復活っっっっっ!!!

 なお、この年秋に販売されるのは『ぷよぷよフィーバー』である。


お嬢様のゲーム事業

 やりたいのは『BREAK-AGE』(馬頭ちーめい アスキーコミックス)

 多分出来上がるのは『ボーダーブレイク』

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― 新着の感想 ―
おーけーお前は戦争がしたいんだな?AD。 ぷよぷよで勝って下品な叫びにガッツポーズ。 そんな公爵令嬢がオタクに愛されない事があろうか。 いや、ない(反語)。
え?ぷよマス復活したの?見にいかなきゃ
[一言] ゲームならパソコンゲームで発売された育成ゲームの元祖で草分け「プリンセスメーカー」の会社と提携してスターホース娘を出せばサターンもドリキャも覇権取れるのではないかな?  あと、乙女ゲーム「悪…
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