表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変  作者: 二日市とふろう (旧名:北部九州在住)
私の髪が金髪な訳

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/826

【祝書籍化解説】よくわかる華族 2020/12/05 投稿

挿絵(By みてみん)

ゆっくりしていってね!


イラスト

春日木雅人様

 『小説家になろう』で大流行している『悪役令嬢』。

 多くの令嬢たちにはこんな称号が付いているのですが、ご存じですか?


 男爵令嬢

 子爵令嬢

 伯爵令嬢

 侯爵令嬢

 公爵令嬢


 この男爵・子爵・伯爵・侯爵・公爵というのが貴族階級の序列であり、多くの悪役令嬢たちは高位身分である公爵や侯爵の力を背に、乙女ゲームの主人公たちをいじめるのです。

 では、この貴族階級がこの日本にもあったのはご存じですか?


 明治維新後、大日本帝国と名乗ったこの国で貴族制度が制定されました。

 それが華族です。

 それまでの身分制度、つまり江戸時代にできたという士農工商は聞いた事はあると思いますが、その中に入っていない階級があるのはご存じですか?


 公家。


 古より朝廷の中枢を占め、当時は京都に御座した天皇の側にいた彼らは、幕末の動乱で天皇という錦の御旗を操り、明治政府という勝ち組に付く事に成功しました。

 同時に、江戸幕府崩壊と共に負け組に落ちたのが、明治政府の中央集権政策の煽りを食らった大名たちです。

 華族はそういう勝ち組と負け組の融合によって作られました。

 明治政府は四民平等政策で階級の撤廃をうたいながら、華族という特権階級を残すことになったのです。

 これは、ある意味では必然だったのかもしれません。

 明治維新前後の戊辰戦争では東北の雄藩が明治政府に従いませんでしたし、その後の士族の反乱(佐賀の乱から西南戦争まで)に大名が関与する事を恐れていたのです。


 華族は公家と大名の他にこんな人たちが入っていました。

 例外もありますが、大まかにこんな感じになっています。


 男爵……明治維新後において功績のあった家や、公家でも下位の公家たち。


 子爵……明治維新前後で功績のあった家や、江戸幕府において大名だった者たち。


 伯爵……明治維新の元勲たちや、公家でも高位の家の他、徳川御三卿や十万石以上の大名たち。


 侯爵……明治維新の元勲の中で特に勲功ある者として木戸家(木戸孝允)と大久保家(大久保利通)、清華家と呼ばれる公家の頂点に近い七家、徳川御三家と十五万石以上の大名たち。


 公爵……明治維新の元勲の中で最も勲功があったとして三条家(三条実美)岩倉家(岩倉具視)、明治維新を主導した島津家と毛利家、公家の頂点である摂家と呼ばれる五家、徳川家宗家。

 

 いかに明治維新というのが身分を壊し、その再構築に明治政府が苦心したか分かるでしょう。

 さて、この物語の主人公である桂華院瑠奈の実家である桂華院家は公爵家です。

 瑠奈の祖父は一体何をしてこんな公爵という爵位を手に入れたのでしょうねぇ……




 答え

  公家系公爵家庶子スタートの上で太平洋戦争終戦の立役者

挿絵(By みてみん)


イラスト

景様

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=890190079&s
― 新着の感想 ―
[一言] 日本の伝統的階級でいうと、ギリ殿上人になる従五位下侍従あたりのスタートで、時流を掴んで摂政・関白に上り詰めた感じか?昭和のフィクサー・キングメイカーだったみたいだし。 あれ?大臣家の四男か…
[良い点] 今話もありがとうございます! 爵位の五階級制の事は知っていましたが、 細かい事は知りませんでした。 (どんな人物がどんな爵位に叙せられるのか、といった基準のくだり等) 勉強になる回でし…
[一言] 徳川慶喜公なんか、不平士族い担ぎ出されないように慎重に見を処していたんだろうなあ、 それ以外の部分でも面白い方なので 『慶喜評判記 隠れん坊将軍』 とか制作したら楽しそう(他力本願)。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ